アジア近隣諸国や日清戦争観とは? わかりやすく解説

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アジア近隣諸国や日清戦争観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 03:54 UTC 版)

福澤諭吉」の記事における「アジア近隣諸国や日清戦争観」の解説

諭吉は、東洋旧習妄執西洋文明拒む者を批判した。『学問のすすめ』の中で「文明進歩は、天地の間にある有形の物にても無形人事にても、其働の趣を詮索して真実発明する在り西洋諸国民の人民今日文明達したる其源を尋れば、凝の一点より出でざるものなし。之を彼の亜細亜諸州の人民が、虚誕妄説軽信して巫蠱神仏惑溺し或いは所謂聖賢者(孔子など)の言を聞て一時に之に和するのみならず万世の後に至て尚其言の範囲脱すること能はざるものに比すれば、其品行優劣、心勇の勇怯、固より年を同して語る可らざるなり。」と論じている。 とりわけ清や中国人西洋化近代化への怠慢ぶりを批判した明治14年1881年)には中国人100年も前から西洋接してきたことを前置きした上で百年久しき西洋の書を講ずる者もなく、西洋器品試用する者もなし。其改新緩慢遅鈍、実に驚くに堪えり。」「畢竟支那人が其国の広大なるを自負して他を蔑視し、且数千年来陰陽五行妄説惑溺して物事真理原則を求るの鍵を放擲したるの罪なり」と断じている。 そのような諭吉にとって日清戦争は、「日本国権拡張のための戦争である」と同時に西洋学儒教思想戦争」でもあった。諭吉豊島沖海戦直後明治27年1894年7月29日時事新報日清戦争について「文野の戦争」「文明開化進歩謀るものと其進歩妨げんとするものの戦」と定義した戦勝後には山口広江に送った手紙の中で「(自分は)古学者流役に立たぬことを説き立国大本はただ西洋流の文明主義在るのみと、多年蝶々して已まなかったものの迚も生涯中にその実境に遭うことはなかろうと思っていたのに、何ぞ料らん今眼前にこの盛事見て今や隣国支那朝鮮も我文明中に包羅せんとす。畢生の愉快、実以て望外仕合存候」と思想戦勝利確信表明した自伝中でも顧みて世の中見れば堪え難いことも多いようだが、一国全体大勢改進進歩一方で次第々々に上進して、数年の後その形に顕れたるは、日清戦争など官民一致勝利、愉快とも難有ありがた)いとも言いようがない。命あればこそコンナことを見聞するのだ、前に死んだ同志朋友不幸だアア見せてやりたいと、毎度私は泣きました」(『福翁自伝』、「老余の半生」)とその歓喜の念を述べている。 しかし諭吉本来の目的は『国権論』や『内安外競論』において示されるように西洋列強の東侵阻止であり、日本の軍事力は日本一国のためだけにあるのではなく西洋諸国から東洋諸国保護するためにあるというものだった。そのため李氏朝鮮金玉均などアジアの「改革派」を熱心に支援した明治14年1881年6月塾生小泉信吉日原昌造送った書簡の中で諭吉は「本月初旬朝鮮人[要曖昧さ回避]数名日本の事情視察のため渡来。其中壮年二名本塾へ入社いたし、二名共先づ拙宅にさし置、やさしく誘導致し居候誠に二十余年前の自分の事を思へば同情相憐れむの念なきを不得、朝鮮人外国留学の頭初、本塾も亦外人を入るるの発端、実に奇遇と可申、右を御縁として朝鮮人貴賎となく毎度拙宅来訪、其咄を聞けば、他なし、三十年前日本なり。何卒今後良く附合開らける様に致度事に御座候と書いており、朝鮮人慶應義塾への入塾許可し、また朝鮮人親近感抱きながら接していたことも分かる

※この「アジア近隣諸国や日清戦争観」の解説は、「福澤諭吉」の解説の一部です。
「アジア近隣諸国や日清戦争観」を含む「福澤諭吉」の記事については、「福澤諭吉」の概要を参照ください。

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