RQ-16 T-ホーク RQ-16 T-ホークの概要

RQ-16 T-ホーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 03:05 UTC 版)

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RQ-16 T-Hawk

ハネウェル RQ-16 T-ホーク英語: Honeywell RQ-16 T-Hawk)は、ハネウェル社が開発したダクテッドファンを搭載した垂直離着陸方式の小型無人機。「T-Hawk」とはオオベッコウバチの英語名である(Tarantula hawk/タランチュラ・ホーク)の意。通信機器などのバックパックを背負った兵士一名で運用される。

概要

国防高等研究計画局のマイクロ・エア・ビークル(MAV)プログラムが計画され、2003年に4,000万ドルの技術実証の契約に基きハネウェル・ディフェンス アンド スペース・エレクトリック・システムズ社が開発した。このMAV計画はその後、アメリカ陸軍が進めているフューチャー・コンバット・システム(FCS)プログラムの要件を満たすとして陸軍へと移管された。2006年5月、ハネウェル社は性能拡張のための新MAVの開発に6,100万ドルの契約を授与されることとなった[1][2]

運用準備中のアメリカ陸軍兵士(XM156)

2007年にはアメリカ海軍からイラクで展開中の爆発物処理班のために20基のG-MAV(ガソリンエンジン仕様)7,500万ドルの契約を授与されている。配備されたRQ-16のホバリング機能を用いてコンボイを標的とした幹線道路に埋められた即席爆発装置の探知作業を車両通過前に行っている。利点として無人車両を用いた捜索、探知作業に比べ、速やかに広範囲の作業が可能なためである[3][4]

2008年1月にはその性能を認められ海軍からRQ-16A T-Hawk372基の受注を獲得している[5]2009年1月にはイギリスから2基のRQ-16と1基の地上局を1セットとした5セットを受注し、2010年に配備済みである[6]2010年、ハネウェルはインドに於いて対テロ戦森林戦などの条件下を想定としたデモンストレーションを行い、採用に向けた試験を行っている[7]

デザイン

ガソリンエンジンで駆動し総重量8.4kg。半径11kmの範囲を40分間飛行可能としており、内蔵された全地球測位システム(GPS)により正確な位置に静止が可能である[8]

最大速度は130kmであるが、ソフトウェアにより93km/hの速度制限が行われている他、垂直離陸時には風速28m以下での運用が条件として定められている。監視用の赤外線カメラを備えている。


注釈

  1. ^ 遠隔操縦されたミサイルなどで用いられる。
  2. ^ 凡そ

出典

  1. ^ Braybrook, Roy (2008年6月). “United States Fly High”. Armada International. オリジナルの2008年12月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081203070846/http://www.armada.ch/08-3/complete_08-3.pdf 2008年7月31日閲覧。 
  2. ^ “Jane's Helicopter Markets and Systems”. Jane's Information Group.. (2008年7月21日). http://www.janes.com/extracts/extract/jhms/jhms9726.html 2008年7月31日閲覧。  [リンク切れ]
  3. ^ Wagner, Breanne (2008年3月). “Demand on the Rise for Small Hovering Drones”. National Defense. http://www.nationaldefensemagazine.org/issues/2008/March/Demand.htm 2008年7月31日閲覧。  [リンク切れ]
  4. ^ Eshel, David (2008年5月15日). “Mini-UAVs rack up big gains”. Defense Technology International. オリジナルの2011年7月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110722175624/http://integrator.hanscom.af.mil/2008/May/05222008/05222008-17.htm 2008年7月31日閲覧。 
  5. ^ Trimble, Stephen (2008年1月25日). “US Navy unveils surprise order for ducted-fan UAVs”. Flight International. http://www.flightglobal.com/news/articles/us-navy-unveils-surprise-order-for-ducted-fan-uavs-221092/ 2008年7月31日閲覧。 
  6. ^ “UK Orders T-Hawk MAVs”. Aviation week. オリジナルの2012年3月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120322015726/http://www.aviationweek.com/aw/blogs/defense/index.jsp?plckController=Blog&plckScript=blogScript&plckElementId=blogDest&plckBlogPage=BlogViewPost&plckPostId=Blog:27ec4a53-dcc8-42d0-bd3a-01329aef79a7Post:8a11c48d-8ef3-4c7f-a85f-1fddee87a8e9 
  7. ^ “Trials of Honeywell T-Hawk Micro Air Vehicles to be Conducted”. India Defence. オリジナルの2010年10月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20101016205936/http://www.india-defence.com/reports-4614 
  8. ^ a b 原子炉建屋の状況把握に無人ヘリ投入へ”. 読売新聞 (2011年4月9日). 2011年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月22日閲覧。
  9. ^ “小型無人ヘリが2号機の建屋屋上に不時着 福島第一原発”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年6月24日). http://www.asahi.com/special/10005/TKY201106240249.html 2011年6月24日閲覧。 


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