BlackBerry
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 03:08 UTC 版)
BlackBerry ネットワークサービス
BlackBerry Enterprise Service(BES)
BlackBerryの企業向けソリューションであり、企業の設置するグループウェアであるGroupWiseやLotus Notes、Microsoft Exchange Serverのメールの送受信、PIM(アドレス帳、スケジューラー、ToDo、ドキュメント等)との同期を図ることが出来る。メールにおいては、ほぼリアルタイムでPush受信することができる。また、BlackBerry Enterprise Serverの管理者によって、BlackBerry端末を制御することができる(音声やSMS、メッセージ発着信の禁止、遠隔ロック、遠隔削除、アプリケーションの利用およびインストール禁止など)。
現時点での日本語対応バージョンは v4.1.4Jと v4.1.6 v4.1.7、v5.0.2となる。
なお2010年8月からは、一部機能を絞ってはいるがライセンスフリーで日本語でも利用が可能なBlackBerry Enterprise Server Express version 5.0.2の提供が開始されている。
日本語版動作確認環境 | ||
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項目 | 要件 | 対応バージョン |
BlackBerry Enterprise Server | OS | Microsoft Windows Server 2003 SP2(日本語版) |
Microsoft Exchange | OS | Microsoft Windows Server 2003 SP2(日本語版) |
グループウェア | * Microsoft Exchange Server2003(日本語版) * Microsoft Exchange Server2007(日本語版) | |
Lotus Notes | OS | Microsoft Windows Server 2003 SP2(日本語版) |
グループウェア | * IBM Lotus Domino 7.0.1(日本語パック) * IBM Lotus Domino 7.0.3(日本語パック) |
BlackBerry Internet Service(BIS)
主に、個人や中小企業を対象としたサービス。BESとは違い、通常のPOPメールやIMAPメール、GmailやHotmail、Yahoo!メール、livedoorメールなどのWebメールが簡易にBlackBerry端末で送受信が出来る。
2010年12月にはspモードに対応し、@docomo.ne.jpのメールアドレスも利用可能となる。
Eメールは、iモードメールのように、メールサーバにメールが着信すると、PUSHでBlackBerry端末に着信する。BlackBerry端末が、各メールサーバへアクセスしているのではなく、BBISといわれるBIS用のサーバーが設定したメールサーバーを巡回し、新着のメッセージがあると、各端末にメールを配信する。BlackBerry Internet Serviceを利用すると通常のPOPメールやWebメールの他に、BlackBerry用のメールアカウント(xxx.blackberry.com)が付与されるため、パソコンを持っていない人でも利用する事も可能となる。その他の機能として、メッセンジャー機能やWebブラウジングなどが出来、更に様々なアプリを利用することが出来る。特に、Googleとの連携が強く、GmailやGoogle Talk、Googleカレンダ、Google Mapsなどとのリモート連携が図れる。メールの設定と署名の設定は、BlackBerry端末上で設定する事が可能であるが、ユーザー名を作っておくことにより、パソコンからBlackBerry設定サイトにアクセスし、メール設定と署名の編集の他に、フィルタの設定を行うことができる。
BlackBerry Dual Service(BDS)
1つのBlackBerry端末でBlackBerry Enterprise Service(BES)とBlackBerry Internet Service(BIS)ができるサービス[15]。2008年9月より日本ではNTTドコモよりサービスが開始となった。BES用のメールは統合メールアイコンで実施し、BIS用のメールはアカウント毎にメールのアイコンができる。統合メールでもBISメール統合され送受信ができる。ブラウザはBlackBerryブラウザとInternetブラウザとアイコンが2個でき、BlackBerryブラウザはBESにアクセスし、InternetブラウザはBISにアクセスする。ただしBESのITポリシーでBISを使わせないといった設定をしている端末がBlackBerry Dual Serviceを利用しても、BISは利用することはできない。
公衆無線LANオプション
NTTドコモのBlackBerry Bold用の公衆無線LANオプションで、月額利用料315円。NTTドコモが提供している公衆無線LANサービスであるdocomo Wi-Fiのエリアで無線LANが利用できる。2011年10月以降は無料で利用可能となる。
spモードへの対応
iモード用のメールアドレスをスマートフォンで利用するためのISPサービスである、spモードが2010年9月1日より開始された。当初の対応OSはAndroidとWindows Mobile 6.5のみであったが、2010年12月1日よりBlackBerryでも利用が可能となった。ただしBlackBerryでのspモードはメールサービスとWebフィルタのみで、アプリケーションのコンテンツ決済には対応しておらず、spモードを利用した場合でも通常のBlackBerry用のメールと同様、絵文字の送信は可能であるがデコメ絵文字の送信はできない(受信は可)。
BlackBerryでspモードを使う場合でもBlackBerry Internet ServiceかBlackBerry Dual Serviceの契約が必要となる。ただしspモードの対応した2010年12月1日よりBlackBerry Internet ServiceやBlackBerry Dual Serviceは大幅に値下げされたことと、ISPセット割がBlackBerry Internet Serviceに適用されたため、実質料金がそれ以前に比べ高くなるといったことはない。
通信自体はBlackBerry用のAPNへ接続し、メールサーバのみspモードを利用する形態となる。そのため従来のBlackBerryのISPメールと同様に他OSとは違い、WiFiでもメールの送受信が可能である。また、以前はISPメールと同様に数分の受信タイムラグが存在したが、2011年9月中旬にNTTドコモ側のシステムアップデートにより、タイムラグが解消され、iモードメールなどと同様、ほぼリアルタイムでの受信ができるようになっている。
BlackBerryでspモードを利用するためには、docomo service portalといわれるアプリケーションを、ドコモアプリケーションサイトからダウンロードし、そこでBlackBerryメール設定用のIDとパスワードを発行することにより、利用することが可能となる。またこのdocomo Service Portalはspモードの設定のほかに、My docomo IDの再発行や確認、変更なども可能となる。
対応機種はBlackBerry Bold 9700以降の機種が対象となるため、それ以前の機種でiモードメールを利用するためにはiモード.netモバイルモードを利用することにより、なんとかWebメールで利用は可能である。しかしこれはプッシュメールで受信しなかったり、ログインまでに時間がかかるといった不便さがある。[16]
しかし2011年4月26日よりBlackBerry BoldがOS5.0へのバージョンアップがNTTドコモより提供され、BlackBerry Boldでもspモードアプリが利用可能となった。
2011年9月19日から、SPモードメールの遅延問題は解消している(SPモードアドレスの再設定が必要)。[17]
BlackBerry Unified Endpoint Management(BlackBerry UEM)
グッド・テクノロジーの買収後、グループウェアのメール送受信、PIMとの同期部分は同社製品のGood ControlとGood Proxyからなる通信基盤であるGood Dynamicsに移行、さらにBlackBerry Dynamicsと改称。Mobile Device Management機能のみをBlackBerry Enterprise Serviceに残し、両者を統合してBlackBerry Unified Endpoint Managementと改称した。[18]
BlackBerry Enterprise Serviceはバージョン12の「BES12」からクラウド版のみとなり、社内ネットワークに導入するオンプレミス製品はBlackBerry Unified Endpoint Managementと役割分担されている。後者のバージョン番号は12.6から開始されている。[18]
従来オンプレミスのBlackBerry Enterprise ServiceとBlackBerry端末の通信を仲介していたネットワークオペレーションセンター(NOC)は、旧グッド・テクノロジー社の設備と統合され、社内ネットワークにあるBlackBerry Unified Endpoint Managementサーバはファイアウォールの外向きの通信のみでネットワークオペレーションセンター(NOC)を経由し、携帯端末と通信することができる。[19]
端末側のアプリケーションは旧グッド・テクノロジー社のGood WorkをBlackBerry Workと改称し、セキュリティを確保したメール送受信やPIM機能に対応している。セキュリティ機能が強化された独自のウェブブラウザは、やはり旧グッド・テクノロジー社のGood Accessを採用している。
- ^ “5G対応の新型BlackBerryは「幻」に。事業会社が廃業とプロジェクトの中止を正式に発表”. SIM太郎. 2022年5月21日閲覧。
- ^ 『できるポケット+ BlackBerry Bold 9900』インプレス、2012年、11頁
- ^ 世界第2位のスマートフォンシェアを誇る「BlackBerry」の歴史を振り返る (1) RIMの歴史は1984年にスタート | マイナビニュース
- ^ “comScore Reports September 2010 U.S. Mobile Subscriber Market Share” (2010年11月3日). 2022年1月6日閲覧。
- ^ TCLがBlackberry端末の製造・販売を終了へ、2020年8月に - ケータイ Watch
- ^ “BlackBerry、新たなライセンス先と物理キーボード搭載5Gスマートフォン開発”. ITmedia. (2020年8月20日) 2021年2月12日閲覧。
- ^ “米スタートアップが挑む「ブラックベリー」復活”. 日本経済新聞. (2021年2月11日) 2021年2月12日閲覧。
- ^ “ブラックベリー、旧モデル使用不可に サポート終了で”. AFP通信 (2022年1月5日). 2022年1月5日閲覧。
- ^ “2021年OnwardMobilityで復活予定だった元祖スマートフォン「BlackBerry」OnwardMobilityのサイトが更新!”. Saiga NAK (2022年1月10日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ BlackBerry Pearl Flip 8220を発表
- ^ BlackBerry「Jakarta」はインドネシアで起死回生できるか - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
- ^ a b U-mobile、物理キー搭載Androidスマホ『BlackBerry PRIV』を販売開始 - Engadget日本版
- ^ BlackBerry Secures Global Smart Phone Software and Brand Licensing Agreement with TCL Communication - MarketWired (英文)
- ^ BlackBerry、ソフトウェアおよびブランド・ライセンスでTCL Communicationと合意 - <2016年12月19日>エキサイトニュース
- ^ NTTドコモBIS報道発表
- ^ 「spモード」は年内対応:ITメディア2010年09月02日
- ^ BlackBerry® Boldのバージョンアップ情報 NTTドコモ
- ^ a b BlackBerry UEM: Securing Your Enterprise from a Single Console <2016年12月8日>BlackBerry
- ^ BlackBerry UEM Architecture and data flows BlackBerry
- ^ NTTドコモBlaciBerry開始プレスリリース
- ^ NTTドコモサイトブラックベリーインターネットサービス
- ^ ドコモUSAによる携帯電話取次販売サービス報道発表
- ^ BlackBerry向けに有料アプリケーションを提供開始(NTTドコモ報道発表資料)
- ^ 公衆無線LAN無料キャンペーンの実施について(NTTドコモ報道発表資料)
- ^ BalckBerry Bold 新色(白)発売開始
- ^ ドコモ スマートフォン BalckBerry Bold 9700
- ^ BlackBerry Enterprise Server Express を無償で入手しよう
- ^ 米国MDM大手が日本法人設立、NTTドコモが販売代理店に 日経ITPro
- ^ BLACKBERRY CLASSSIC | エックスモバイル株式会社
- ^ BlackBerry、過去の訴訟相手を買収へ 法人モバイル管理を強化 -<2015年9月7日>日経ITPro
- ^ Good Work - NTTドコモ法人向けサイト
- ^ BlackBerry、日本で法人向けソフトウェア事業を再始動 -<2016年7月27日>ビジネスネットワーク.jp
- ^ 「ブラックベリーサービス」の新規受付停止及びサービス終了について
- ^ 「Good Work」 ドコモの法人向けサイト docomo Business Online
- ^ “強固なセキュリティ機能を持ったBlackBerry最新デバイス「BlackBerry(R)KEYone」 純正アクセサリーと併せて、6月29日より販売開始! | FOX.INC”. foxinc.jp. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “BlackBerry最新端末「BlackBerry(R)KEY2」が今夏発売! 世界で唯一のバンド18対応の日本国内モデルとして、国内初の3大キャリアSIMの利用が可能に! | FOX.INC”. foxinc.jp. 2019年4月11日閲覧。
- ^ “「au +1 collection」からBlackBerry最新端末「BlackBerry® KEY2 Black」を9月7日より発売! | スマートフォン・携帯電話 | au”. www.au.com. 2019年4月11日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2018年8月31日). “au、物理キーボード搭載の「BlackBerry KEY2」をSIMフリーで発売”. ケータイ Watch. 2019年4月11日閲覧。
- ^ BlackBerryアプリ開発サポート
- ^ RIM,BlackBerry用アプリ販売/配布サイト「BlackBerry App World」をオープン |IT-Pro
- ^ BlackBerry Appworld
- ^ 日本版BlackBerry App World
- ^ 「BlackBerry App World 2.0」が登場、ID機能など追加(ケータイWatch)
- ^ ベリーストアβ版
- ^ デスクトップソフトウェアRIMサイト
- ^ デスクトップマネージャー対応オーガナイザー(Windows)
- ^ デスクトップマネージャー対応オーガナイザー(MAC)
- ^ BlackBerryセキュリティーに関するニュース記事
- ^ UAE、ブラックベリー使用禁止へ 「通信監視難しい」(毎日新聞社)
- 1 BlackBerryとは
- 2 BlackBerryの概要
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- 4 BlackBerry ネットワークサービス
- 5 日本での展開
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