ASIC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/26 02:49 UTC 版)
用途
ASICの用途は非常に多岐に渡り、一部の例を以下に示す。家庭用・産業用・事務用といった多様な電気製品に使用されている。
通信分野
通信帯域の増加と通信量の増加から、高速処理を要求されるネットワーク通信機器などに特に利用されている。ルータ、L3~L7スイッチ、ファイアウォール、負荷分散(SLB/NLB)装置、パケット処理装置などで、ASICが良く利用されている。
画像処理
コンピュータ用の3DグラフィックスレンダリングエンジンとなるLSIなどにも利用されている。また、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどでの画像補正、画像圧縮の処理に専用ASICを開発しているメーカー(例:キヤノンのDIGICなど)もある。
高速なコピー機などの複合機でも、高速な画像処理が必要な装置では、画像処理専用ASICを搭載しているものもある。DVDレコーダーに代表される動画圧縮/再生処理も、専用のMPEGエンコーダ/デコーダ用ASICが開発されている。デジタル放送対応の大型FPDテレビには、上記MPEGデコーダASICが搭載されることもあるが、将来的な圧縮方式の規格変更に対応可能なように、FPGAで構成されているものもある。
コンピュータシステム全般
CPUやマイクロコントローラなどのプロセッサも、専用マスクを作成して生産するという点では広義のASICの定義に該当するが、これらは常に別分類として扱われる。各種CPU用のチップセットや、汎用標準バス制御(PCIバスブリッジなど)のLSIはASICといえる。
仮想通貨マイニング
仮想通貨の大規模なマイニングには専用ASICを利用したマイニング装置が利用されている[1]。一方で個人レベルでは効率は低いが、市販のCPUやGPUを利用したマイニングが行われている[1]。
- ^ a b “ASIC、マイニングとは?詳細を解説 - 【DMMビットコイン】暗号資産(仮想通貨)ならDMM Bitcoin” (日本語). DMM Bitcoin. 2022年1月19日閲覧。
- ^ 木村雅秀著 『ASICの微細化に急ブレーキ 45nm世代で壁に直面』 「日経エレクトロニクス 2009年3月9日号」 p.94-98
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