魔法少女ララベル
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東映魔女っ子シリーズ | ||
前作[1] | 花の子ルンルン | 1979年2月 - 1980年2月 |
今作[1] | 魔法少女ララベル | 1980年2月 - 1981年2月 |
魔法少女ララベル | |
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アニメ | |
原作 | 藤原栄子 |
脚本 | 辻真先、曽田博久、城山昇、金春智子、安藤豊弘 |
音楽 | いずみたく |
アニメーション制作 | 東映動画 |
製作 | テレビ朝日、旭通信社、東映 |
放送局 | テレビ朝日系列 |
放送期間 | 1980年2月15日 - 1981年2月27日 |
話数 | 全49話 |
その他 | テレビ朝日広報資料付記の作品英名: LALABEL,THE MAGIC GIRL |
映画:魔法少女ララベル 海が呼ぶ夏休み | |
監督 | 佐々木章 |
制作 | 東映アニメーション |
封切日 | 1980年7月12日 |
上映時間 | 15分 |
その他 | 東映まんが祭り併映の1本 |
テンプレート - ノート |
概要
従来の東映動画魔女少女アニメでは、日本を舞台としたものでも、比較的無国籍な要素を持っていたものが多いが、本作は日本の下町を舞台としており、より日本らしさを打ち出しているのが特徴。[2]ことわざや格言をストーリーに織り込んで展開しているのもその一つで、ほとんどの回で作造おじいさんが取り上げたことわざや格言を語って話を締めくくる体裁を採っている。これは前作「花の子ルンルン」での花言葉からの引き継ぎでもある。
本作はアニメオリジナル作品であり、藤原栄子はキャラクター原案としての参加である。小学館の学年別学習雑誌での連載漫画はいわゆる原作ではなく漫画版である。当初は藤原のヒット作『うわさの姫子』をアニメ化したいと打診があったが、同作はシンエイ動画でアニメ企画が進行中だったため、藤原がキャラクターを担当する魔法ものになったというのが企画経緯である[3]。
番組タイトルや作品設定は脚本の辻真先によるもの。カネボウが「ベル」に関する名称を多数商標登録していたため、タイトルを決めるまでには苦労があったという[4]。諸般の事情により辻は第一話の脚本のみ担当し[4][5]、以降の話は曽田博久、城山昇、金春智子、安藤豊弘ら4名がローテーションを組み脚本を担当した。
後番組『ハロー!サンディベル』は、魔法少女路線の作品ではなくなった。これは、「昔と違い強くなった現代の女の子たちにとって、魔法があこがれの存在ではなくなった」との制作者サイドの判断によるものである[2]。それを示すように、最終回は魔法少女である主人公が魔法を失い、ごく普通の人間に変わるという結末を迎えた。
ストーリー
魔法の世界で修行に励んでいたララベルは、ある日魔法の道具が入った魔法のカバンを盗み出したビスカスを見かける。魔法のカバンを取り返そうとするが、ビスカスの使ったフラフープのような魔法の道具により、ともに人間の世界に落ちてしまう。二つあった魔法のカバンは、それぞれの手の中にあった。
魔法界の常識は通用せず、魔法界に帰ることもかなわず、行き場を失うララベルだったが、情に厚い親切な立花老夫婦に助けられ、立花家に居候することとなる。老夫婦の孫で、親元に戻ったテル子ことテコ、その親友のトコ(松宮トシコ)とも仲良くなり、人間界で様々な経験を積み、次第に人間界を好きになっていた。
一方のビスカスは、詐欺師まがいの男、落葉を仲間に引き入れ、盗み出した魔法道具も使って、人間界で小賢しい悪事を次々と働く。しかしどこか詰めが甘く、ララベルの活躍もあってそれらは失敗に終わる[注釈 1]。当然彼らへの世間からの風当たりは強くなり、ビスカスの人間嫌いはますますひどくなっていく。
ララベルが人間界にやってきて一年たち、この日を誕生日代わりに祝ってもらっていたその時に、ビスカスがララベルの持つ魔法のカバンを奪おうと画策する。ギャング映画に感化されたのではあるが、ビスカスは咲花町の裏世界のボスを目指し、カバンを奪いライバルに勝利しようとしたのだ。ララベルの「人間と仲良くしたら」との説得も聞かず、「どんなに仲良くなっても魔法使いは人間にはなれない」と毒づく。そして立花老夫婦を誘拐し、魔法のカバンを要求する始末。
立花老夫婦をだまし、首尾よくカバンを奪い取ったビスカス。作戦により魔法でコウモリの姿にかえた落葉のことなど忘れてしまう。元に戻れず困った落葉はララベルに助けを求め、ララベルは落葉に案内されて雪山の隠れ家を突き止めた。そして再びカバンを奪い返し、二人は魔法合戦を繰り広げる。やがて日も暮れ、お互いの魔法のカバンの中の魔法道具がすべて尽きてしまい「道具が尽きれば魔法は消える」とのメモを見つけ唖然とする。二人は魔法の使えない、ただの人間になってしまっていたのだ。
雪山で遭難しかかる二人。しかしコウモリの姿のままの落葉をはじめ、落葉から居場所を聞いた咲花町のみんなが一晩かけて探し出してくれた。皆と再会したところで、魔法のカバンやララベルの魔法のバトン、ビスカスのシルクハットが消え、魔法は完全に消える。
この一件ですっかり改心したビスカスは、元に戻った落葉とともに人間の修行をするために旅立った。ララベルもまた、普通の人間として友達らと暮らしていける喜びの中にいた。
注釈
- ^ もっとも、第27話のように「ララベルまでビスカスのとばっちりを食わされる」話や第33話のように「ララベルの方が騒動の種になってしまう」話も、僅かながら存在する。
- ^ 人間の単位だと身長150センチ、体重38キロ、年齢9歳となる。
- ^ 学校には当初は身元を証明できるものが何も無かったが故に通えなかったが、必要書類を魔法で調達することで転入した。
- ^ ナルトが重要であり、寧ろラーメンよりもナルトが好き。ナルトの入っていないラーメンは「ラーメンじゃない」と言い放って食べるのを拒否したり、香港で本場の拉麺にナルトが入っていないと知って文句を付けたほど。
- ^ 本人の感覚では市長や園長には興味があるが総理大臣は「ちょう」が付かないので無関心で、町内会長は「ちょう」が二つも付くから非常に魅力的らしい。
- ^ 第45話の親善使節の歓迎パーティでもララベル、テコ、つぼみが着物姿だったのに対してトコはタキシードを着て出席しており、親善使節の少女デイジーには男性に間違われてしまった。
- ^ 第5話で若い世代への交代のために辞任を考えていたが、後任として名乗り出たビスカスの悪辣さを目の当たりにし、自身が引き続き務めることを決めた。
- ^ ララベルも哲也に惚れてモーションを掛けたものの全て空回りに終わり、結局はつぼみに花を持たせる形に終わった。
- ^ ララベルは森夫目当てで、テコはテニスファッションに憧れて、トコはつぼみへの対抗意識からと、三人とも動機は不純だが以降も辞めずに続けている。
- ^ 本放送後の2000年 - 2001年頃、青森朝日放送にて日曜 6:30 - 6:45に再放送されている。
- ^ 東映アニメーションのプロデューサーで「ケツ犬」や「デジモンアドベンチャー tri.」をプロデュースした。
出典
- ^ a b 東映魔女っ子シリーズは書籍や商品展開によって作品の範囲が異なっており、公式サイトでも本作や前作が何作目に該当するかについての見解は特に示されていない。
- ^ a b 『魔女っ子アニメ大全集』:東映動画篇 (株)BANDAI、1993年8月20日、112頁。ISBN 4-89189-505-5
- ^ 大西祥平「『うわさの姫子』作者 藤原栄子先生ロング・インタビュー」『CONTINUE』Vol.30、2006年、p.126
- ^ a b 辻真先『TVアニメ青春記』実業之日本社、1996年、148頁。ISBN 4408101974
- ^ 辻真先『ぼくたちのアニメ史』岩波書店、2008年、92頁。ISBN 978-4005005871 第1話の台本を書いたあとは、番組終了後の打ち上げパーティまで誘いが来ることはなかったとのこと。
- ^ a b c d e 『魔女っ子マテリアル』、銀河出版、1999年、ISBN 4877770070
- ^ 『アニメージュ』 1981年4月号(徳間書店)全国放映リスト p.115。
- ^ 『アニメージュ』1980年8月号(徳間書店)全国放映リスト pp.93 - 94。
- ^ 1980年9月26日 信濃毎日新聞 テレビ欄
- ^ a b c d 「全国放映リスト」『アニメージュ』1980年4月号、徳間書店、64 - 65頁。
- ^ 『週刊TVガイド 東北版』1981年5月15日号、72ページ。
- ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1981年4月号、徳間書店、114頁。
- ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1980年7月号、徳間書店、124頁。
固有名詞の分類
映画作品 |
すき/ETERNITY 異人たちとの夏 魔法少女ララベル 瞳の中の訪問者 めぐり逢う朝 |
テレビ朝日系アニメ |
ピュンピュン丸 地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー 魔法少女ララベル 海賊王子 魔女っ子メグちゃん |
アニメ作品 ま |
魔境外伝レディウス 魔法少女隊アルス 魔法少女ララベル 魔法少女アイ 魔女っ子メグちゃん |
1980年のテレビアニメ |
宇宙戦士バルディオス スーキャット 魔法少女ララベル 森の陽気な小人たちベルフィーとリルビット 宇宙大帝ゴッドシグマ |
いずみたくの楽曲 |
魔法少女ララベル 手のひらを太陽に これが青春だ 炎の青春 QRソング |
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