関東平野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 16:58 UTC 版)
気候
関東平野の気候は温帯で、太平洋側気候である。冬は寒く、夏は暑い。内陸部に行くほど、1日の内の気温差、夏と冬の気温差が大きくなる傾向が見られる。北部を中心に日照時間が比較的多い。
沿岸部を流れる黒潮(暖流)の影響により、南部を中心に温暖な気候である。
夏は、モンスーンによる梅雨前線の影響で雨が多く、台風の影響も多く見られる。また昼前に北部から西部山岳部で発生した雷雲が昼過ぎに平野部に達し、夕立(雷雨)となる日が多い。オホーツク海高気圧が優勢の年は、この高気圧からの風が北東風となり、冷気が入り込むやませにより気温が上がらず、冷夏となることもある。
冬は、日本海からの季節風が三国山脈で遮られ、北側の山沿いにその水分を雪として降らせるが、その雪により水分を失った季節風は乾燥した空気を運ぶ強いからっ風として関東平野を吹き抜ける(群馬県の赤城颪の他には茨城県の筑波颪、栃木県の二荒颪などがある)。降雪は年々少なくなっているが、冬季に数回、概ね10 - 20センチメートル前後の積雪を記録する。
年間を通して関東平野全域、特に内陸部は晴天と北風により放射冷却の影響を受け易く、冬は日の出前の最低気温が氷点下5℃程度まで下がる日もある。明け方に気温が低下した日でも、晴天日は日中の気温が7 - 10℃程度まで上昇するが、乾燥した北風が強い日は実際の気温より体感温度が低くなる。
東京都心部はヒートアイランド現象により、周辺部と比べて最低気温が高い。また熊谷は内陸部にあることに加えて、上空の風が関東平野の北側や西側の山を越えたあと吹きおりてくるフェーン現象と東京都心を通ってくる間に暖められた海風が流れ込むので暑くなりやすい[4]。
2010年、東京都心部の東京都千代田区大手町での観測では最高気温37.2℃(8月17日)、最低気温氷点下0.4℃(2月4日)、日平均気温16.9℃、平均湿度61%、日照時間1987.0時間、降水量合計1679.5ミリメートル、最深積雪は1センチメートルである。また、内陸部の埼玉県熊谷市では2018年7月23日に41.1℃と、2020年8月17日に41.1℃を観測した静岡県浜松市と日本観測史上1位タイの最高気温を記録した(2020年9月22日現在)。
注釈
- ^ 可住地面積比率の都道府県順位はそれぞれ埼玉県が3位、千葉県が2位である(1位は大阪府)。可住地面積は、県の面積から林野と湖沼の面積を差し引いたもの[5]。
出典
- ^ 外国人にわかりやすい地図表現検討会 (2016年1月6日公表) (PDF). 地名の英語表記及び外国人にわかりやすい地図記号について. 国土地理院. p. 13
- ^ 中川低地の河畔砂丘群も参照。
- ^ 関東平野中央部加須低地における完新世の環境変遷史、地理学評論 72 (4), 253-266, 1999
- ^ 埼玉県の平野部が暑くなる理由.気象庁熊谷地方気象台 2020年9月22日閲覧。
- ^ 農林水産関係用語集,コトバンク版 2024年1月18日閲覧。
関東平野と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 関東平野のページへのリンク