郡上おどり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 16:24 UTC 版)
踊りの概要
郡上節を演奏する囃子の一団が乗る屋形を中心に、自由に輪を作り時計回り(曲によっては反時計回り)に周回しながら踊る。会場が街路の場合もあるので、輪は円形とは限らない。踊りには曲ごとに定型がある。振り付けの基本は簡素なので、初心者や観光客でも見様見真似で踊ることができるようになる。装束は男女とも浴衣に下駄履きが標準的だが強制ではない。踊りへの参加は完全に自由で、飛び入りや離脱に規制はない。通常、見物人よりも踊り手の方が圧倒的に多数である。
郡上節
郡上おどりの際に演奏される囃子を総称して郡上節と言う。
- 「かわさき」「春駒」「三百」「ヤッチク」「古調かわさき」「げんげんばらばら」「猫の子」「さわぎ」「甚句」「まつさか」の10曲。対応する踊りは、それぞれ異なる。
- 踊る曲の順番は日によって違う。ただし、「まつさか」は必ず最後に踊る曲になっている。これは、「まつさか」は拍子木と歌のみを伴奏にして踊る曲で終わった後は拍子木を懐に入れて帰って行くことができ、片付けの手間がないために「まつさか」が最後に踊る曲となっている。なお、三味線等は「まつさか」の前の曲が終了した時点で片付けの準備に入る。
- 囃子の構成は三味線・太鼓・笛の伴奏に唄囃子・返し言葉・掛け声。伴奏がない曲もある。
- 郡上節が演奏される屋形は可動式の木造2層寺社風構造であり、永年使用される。開催日毎に会場に移動し、適所に設置される。開催期間以外は八幡町内の専用倉庫に保管し、開催期間中はカバーを掛けて道路の片隅に留め置くことが多い。
文化財指定
- 1955年(昭和30年)2月10日に八幡町の町指定無形文化財となった。指定番号は1。指定名称は「古調郡上踊」。
- 1958年(昭和33年)4月23日に岐阜県の県指定無形文化財となった。指定番号は4。指定名称は「郡上踊」、所属団体名は「郡上踊保存会」
- 1973年(昭和48年)11月5日に国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に選択された。官報告示の名称は「古調郡上踊」、所属団体は「古調郡上踊保存会」。
- 1996年(平成8年)12月20日に国から重要無形民俗文化財に指定された。指定名称は「郡上踊」、保護団体は「郡上踊り保存会」。
外務省は、2020年に文化審議会が国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に郡上おどりを含めた日本国内の「風流踊」を無形文化遺産の提案を選定したことに基づき[7][8]、無形文化遺産の提案書をユネスコに提出した[9][10]。
関連施設
- 郡上おどり開催時期以外にも、通年踊りの実演を見学することができる。郡上おどりの歴史などの展示も常設されている。
- 郡上八幡旧庁舎記念館
- 郡上踊り保存会による踊り体験講習が通年開催されている。完全予約制である。通常は団体しか受け付けないが、郡上おどり開催期間中に限って個人参加も可能な講習も設定される。
- ^ “日本3大盆踊りの一つ、岐阜の「郡上おどり」始まる”. 毎日新聞 (2019年7月13日). 2019年12月22日閲覧。
- ^ 祖師野八幡宮のこと(現・下呂市金山町祖師野)
- ^ “終戦の夜、郡上おどり決行 心つなぐ輪市民に勇気”. 岐阜新聞 (岐阜新聞社). (2020年8月15日) 2020年8月22日閲覧。
- ^ “郡上おどり、今夏も中止 踊りのまち「コロナ落ち着き、秋に1日でも開催できれば」”. 岐阜新聞. (2021年6月11日) 2021年6月14日閲覧。
- ^ 郡上おどり in 京都
- ^ 郡上おどり、笑顔の輪 京都市役所前でイベント[リンク切れ] 京都新聞 2014年6月7日。
- ^ 『令和元年度におけるユネスコ無形文化遺産への提案候補の選定について』(プレスリリース)文化庁、2020年2月19日 。2020年5月10日閲覧。
- ^ “「風流踊」ユネスコ申請へ 無形遺産、文化審選定”. 日本経済新聞. (2020年2月19日) 2020年5月10日閲覧。
- ^ 『「風流踊」のユネスコ無形文化遺産代表一覧表への提案』(プレスリリース)外務省、2020年3月11日 。2020年5月10日閲覧。
- ^ “「風流踊」の申請決定 盆踊りや念仏踊り 無形遺産に登録目指す”. (2020年3月11日) 2020年5月10日閲覧。
- 1 郡上おどりとは
- 2 郡上おどりの概要
- 3 踊りの概要
- 4 参考文献
郡上おどりと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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