経口避妊薬 服用禁忌対象

経口避妊薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 09:07 UTC 版)

服用禁忌対象

一般に下記の症状がある女性(以下:人)が服用することは禁忌となっており、医療機関から処方もされない。

また糖尿病患者や耐糖能異常の人、年齢が40歳以上の人、心疾患の患者、乳癌の家族歴又は乳房に結節のある人、血栓症の家族歴喫煙者肥満、心臓弁膜症患者、てんかんの患者などは、慎重な投与をすることが求められている。

副作用・禁煙

ピルを服用する女性が喫煙をしていると心臓・循環器系への副作用が高まるため、ピルを服用する際は禁煙するのが望ましい。若年層の約10%の女性が喫煙しているが、喫煙は卵子の発育や卵巣からのホルモンの分泌が不妊症、流産や早産、子宮外妊娠を招きやすく、胎児の発育も悪くなる。さらに出産後も喫煙を続けた場合、子供の健康にまで悪影響を及ぼす[32]。ピルの主要な副作用として血栓症が挙げられるが、喫煙者が妊娠した場合の血栓症発症率はピル服用者の約2倍、産後12週目では約10倍で、非喫煙ピル服用者より喫煙者の妊娠の方がはるかに血栓症のリスクが高い。医学的理由で服用禁止と診断されていなければ閉経まで飲み続けても問題ない[33]医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、処方時には患者に血栓塞栓症のリスクについて説明するとともに、「患者携帯カード」を渡すよう求めている[要出典]

片頭痛、吐き気嘔吐、イライラ、性欲減退、むくみ膣炎などがあげられる。また、よくピルの服用による体重の増加が挙げられるが、それは誤りである。しかし食欲が増す事はある。このほか稀な例ではあるが、血栓症、長期服用による発癌性などの可能性が指摘されている。子宮筋腫、糖尿病を悪化させる可能性があるとも言われている[注釈 2]肝斑のきっかけとなることがある[34][35]

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP(LEP製剤)、Low dose Estrogen Progestin Combination)は、子宮内膜症および月経困難症向けに、エストロゲンの容量を規定値以下に収めたプロゲスチンとの配合薬。生理周期の安定、生理痛の軽減、経血量の減少など、月経に関する症状の治療目的で使用される。また、子宮内膜症の予防・病巣進行の停止、子宮体がん、卵巣癌のリスク軽減なども期待できる。

副作用でもある抗アンドロゲン(抗男性ホルモン)作用を利用したニキビ治療[27]、体毛が薄くなることが報告されている[27]

OCと同じくLEPも低用量ピルと呼ばれ、休薬期間7日のある21日ごとに服用する。なお、飲み忘れ防止の偽薬の7日分を含めた休薬期間の無い28日間ごとに服用するものもある[36]

また、よりエストロゲンの容量を低くした超低用量ピル、エストロゲンをほぼ廃したミニピルも開発されている。超低用量ピルの場合、錠中で有効成分が配合された錠の数に応じてヤーズ、ヤーズフレックスに分かれている。

日本においては2008年から国民健康保険適応対象となっている[4]。また、2020年代から上記症状者に向けた支援団体による、診療を経由した無料処方が実施されている。








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