経口避妊薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 09:07 UTC 版)
緊急避妊薬(EC)
膣内射精前に低用量経口避妊薬(OC)を常用していなくても事後早期に服用すれば避妊回避効果を発揮するピルは緊急避妊薬(Emergency Contraceptive:EC)、緊急避妊ピル、アフターピル、モーニングアフターピルと呼ばれている[37]。ただし、OCに比べると避妊効果・費用とも継続使用には向いておらず、OC服用していた場合ほどは避妊効果はないため、あくまで緊急的な最後の手段と捉えて、緊急避妊薬服用する事態を経験後はOCでの避妊選択が推奨されている[4]。
緊急避妊薬を薬局で入手可能な国は86か国あるが、日本では処方箋が必要な処方箋医薬品であり、診療報酬が適用されない自由診療である。薬局での販売を解禁する一般用医薬品にするかに関しても、専門家や医療系学会からは「先にコンドームの着用することの常識化」「性病はピルでは回避出来ないことの周知など性教育を充実させてから解禁するべき」との意見から、2017年(平成29年)には議論の結果、薬局での販売が見送られた[38][39]。
しかし、2020年(令和2年)10月に内閣総理大臣菅義偉が、処方箋無しでの販売解禁する方針を打ち出した。しかし、アフターピルの薬局販売解禁を評価する声と共に「女性は(アフター)ピルの重大さを分かっているけど、男性側が理解してないと意味がない」との上記のような意見も懸念も出ている[40][41]。
男性経口避妊薬
2023年2月、ネイチャーではアメリカで「TDI-11861」と呼ばれるピルは「精子を泳がせる」スイッチになっている可溶性アデニリルシクラーゼ(sAC)と呼ばれる細胞内シグナル伝達タンパク質を阻害またはブロックする働きがあり、マウスの実験で交尾の前と最中と後を通して、精子を動かなくすることに成功している記事を掲載した[42]。
脚注
注釈
- ^ 「ピル」は錠剤一般を示す英語であり、"the pill"と固有名詞で表現される場合は経口避妊薬(the contraceptive pill)を指す。
- ^ ただし、子宮筋腫や糖尿病への影響が確認されたのは現在ではほとんど用いられない旧来の高用量ピルであり、避妊用の低用量ピルではほぼ無影響とされる。
- 低用量ピルと筋腫の関係について知ろう! 子宮筋腫・内膜症体験者の会たんぽぽ
- ピルと糖尿病
- 糖尿病と妊娠に関するQ&A-Q03 日本糖尿病・妊娠学会
出典
- ^ “排卵と妊娠のしくみ”. あすか製薬株式会社. 2022年2月2日閲覧。
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- ^ 女性活躍万年「ビリ」組も当然?「ピル」後進国ニッポン - 日経ビジネス
- ^ 緊急避妊薬、薬局で購入可能に 来年にも、望まない妊娠防ぐ - 共同通信
- ^ “舛添要一氏が緊急避妊薬の市販化方針を評価「世界と同じ流れになる」”. ライブドアニュース. 2020年10月8日閲覧。
- ^ ミシェル・ロバーツ (2023年2月15日). “男性用の経口避妊薬に期待 実験で精子の泳ぎ一時停止”. BBC. 2023年2月27日閲覧。
- 1 経口避妊薬とは
- 2 経口避妊薬の概要
- 3 概要
- 4 服用禁忌対象
- 5 緊急避妊薬(EC)
- 6 関連項目
経口避妊薬と同じ種類の言葉
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