真部一男 人物

真部一男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/09 14:27 UTC 版)

人物

  • 若き日には端麗な容姿も手伝って「将棋界のプリンス」と呼ばれ、テレビ時代劇「銭形平次」第521話「平次一番勝負」(1976年)に幕末の名棋士・天野宗歩役でゲスト出演するなどマスコミにもしばしば取り挙げられた。
  • 将棋番組に本人が登場すると視聴率が数パーセント跳ね上がると言われている[8]
  • 1981-1983年に日本将棋連盟理事を務める。
  • 将棋界有数の囲碁の強豪としても有名であった。A級になかなか上がれなかった頃、昼は碁会所で7時間打ち、夜は朝まで酒を飲むといった状態が4年続いたという[9]
  • 文筆の分野での活躍も目立ち、日本将棋連盟の月刊誌「将棋世界」に「将棋論考」を10年以上連載した。この連載によって1998年度(第10回)将棋ペンクラブ大賞の「一般部門」で大賞を獲得している。連載は第111回と第112回の間、筆者の肺炎・胸膜炎のため、初めて穴が開いてしまった(同じ理由で、棋士になって以来初の不戦敗も記録)。なお、「111」は、奇しくも真部の棋士番号と同じであり、第112回(2006年7月号)の文章の冒頭で、そのことに触れている。また、「将棋論考」から升田幸三について論じた文をあつめた著書『升田将棋の世界』で、2006年度に第18回・将棋ペンクラブ大賞の著作部門大賞に選ばれている。
  • 煙草は国産のハイライト、酒はウイスキー党であった[10]。真部は1日にタバコを2箱吸うヘビースモーカーであったが、病気と喫煙との因果関係を担当医師に指摘された経緯については、真部自身が前述の連載再開後に記している。対局時でもタバコを離さなかった。NHK杯戦や早指し将棋選手権といったテレビ対局でも、喫煙しながら指す真部の姿が放映された。
  • 師匠・加藤治郎の著書「昭和のコマおと」(1980年出版)によると、少年期から偏食が著しく、きゅうり以外口にしようとしなかった時期もあった。
  • 1980年代半ばに首が回らなくなるという奇病を患って以来、プロ棋士としての成績はやや低迷した。
  • 草柳文惠と結婚するも、のちに離婚。
  • 振り駒の公平性(歩の裏表が出る確率は1/2より偏っているのではないか)に疑問を抱いたことから、2005年5月の棋士総会で振り駒の統計を取ることを提案。提案は受理され、日本将棋連盟は2005年7月12日から2006年7月11日までの1年間にわたって、全公式戦のうち先後があらかじめ決められていない1541局の結果を集計。結果は、「歩」が多く出たのが776局(50.36%)、「と」が多く出たのが765局(49.64%)であった。この件については、将棋世界2006年9月号の「将棋論考」の冒頭で触れている。
  • NHK杯に解説役として登場した際、王手金取りがかかった局面で、「こういうのを(俗に)何て言うんでしたっけ」とのボケを発言し、当時の司会・聞き手の谷川治恵(1991-1993年度担当)を笑わせた。
  • 山田道美九段から研究会に誘われたが1回顔を出しただけで、主として芹沢博文九段の研究会に顔を出していた[11]
  • 奨励会時代、『将棋世界』誌上で将来有望な若手奨励会員[注 2]とA級棋士の駒落ち戦が企画され、当時A級棋士だった花村元司飛香落ちで対局する。花村が飛車と香車を駒袋にしまおうとしたところ、真部は「なんだ、平手じゃないのか」と呟き、花村は「何をいうか、こしゃくな小僧め!さすがに私もムッときた」というが、結果は真部の完勝。この時のことを花村は「怒りながらも、将来名人になろうかという男は違うわい、と感心したのを覚えている」と結んでいる[12]

注釈

  1. ^ 後手側は以下△9二香△9一飛による9筋端攻めの狙いがあり、先手側が9筋を補強するための銀冠組替も△4二角の睨みによって阻止している。
  2. ^ 真部の他は青野照市、佐藤義則

出典

  1. ^ 真部一男八段 休場のお知らせ
  2. ^ <訃報>真部一男八段が逝去/平成19年11月24日付で九段を追贈 日本将棋連盟お知らせ
  3. ^ 将棋世界』2008年2月号50-51ページ、小林宏による追悼文より。
  4. ^ a b c 真部九段が指さなかった「幻の△4二角」。お通夜の日に奇跡の再現が・・・【師匠との思い出・小林宏七段インタビュー vol.4】” (2017年3月10日). 2017年3月10日閲覧。
  5. ^ 『将棋世界』2008年3月号42ページ「プレイバック2007 ベスト10 棋譜解説」による豊島自身の解説。本項の図面も同ページから引用。
  6. ^ 『将棋世界』2008年2月号96-100ページ、先崎学「千駄ヶ谷市場」より。長考後の35手目は8九銀。
  7. ^ 『将棋世界』2008年6月号152-155ページ「第35回将棋大賞選考会」より。
  8. ^ バックギャモンブック 記事前の写真の説明。
  9. ^ 『将棋世界』2000年1月号付録
  10. ^ "棋界のプリンス"真部一男九段のちょっとしたエピソード。突然の電話呼び出し、その理由は?”. 日本将棋連盟 (2017年3月6日). 2017年7月19日閲覧。
  11. ^ 河口俊彦『最後の握手』株式会社マイナビ、2013年、221頁。ISBN 9784839949990 
  12. ^ 『鬼の花村・将棋指南』日本将棋連盟、2012年7月30日、28-29頁。ISBN 9784839943295 


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