白川 (熊本県) 白川 (熊本県)の概要

白川 (熊本県)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 23:15 UTC 版)

白川
白川 熊本市新代継橋から下流方
水系 一級水系 白川
種別 一級河川
延長 74 km
平均流量 25.39 m³/s
流域面積 480 km²
水源 根子岳(熊本県)
水源の標高 1,433 m
河口・合流先 有明海(熊本県)
流域 日本 熊本県

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地理

阿蘇山根子岳(標高1,433m)に発し、阿蘇山カルデラの南部「南郷谷」を西流[1]。立野(南阿蘇村)で、カルデラの北側「阿蘇谷」を流れる支流の黒川と合流する[1]。急流の多い上中流域を抜けると、熊本市市街部を南北に分けて貫流し、有明海に注ぐ[1]。河口部では加藤清正以来の干拓が行われる。

語源

『肥後国誌』等の古文献によると、「水が澄みきってきれいな川」と清らかな水の流れのイメージから命名された[2]

南阿蘇村湧水群

白川沿いには他にも多数の湧水があり、南阿蘇村湧水群として平成の名水百選に選定されている[3]。また南阿蘇村は水の郷百選水の生まれる里として選定されている[4]。2012年3月17日、南阿蘇鉄道南阿蘇白川水源駅が開業した。下記3つ以外にも数多くの湧水が存在する。

白川水源

白川水源

熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字白川にある湧水である。「白川吉見神社」境内から年間を通じて14℃、毎分60トンの水が湧き出ており1985年(昭和60年)名水百選に選定された[5]

竹崎水源

南阿蘇村両併にある湧水。毎分120トンの湧出がある。

池の川水源

南阿蘇村中松にある湧水。毎分5トンの湧出がある。

歴史

加藤清正による河川改修

最初に大規模な河川改修を行ったのは加藤清正であることがわかる。肥後入国後に自ら船に乗り、何度も白川を往復して検分したと伝えられている。流域全体に様々な治水対策が行われ、一部は現在も生かされている。

  • 治水工事
    • 鹿漬堰(しつけぜき)- 鹿漬堰(しつけぜき)- 黒川との合流地点に設けられた堰。白川の流速を速め、黒川の流速を遅くするために設けられた。
    • 石刎(いしばね)- 川岸から中央に向かって突き出した石堤。堤防を保護するために流速を下げることを狙ったもので、流域各所に設けられていた。
  • 城下町付近の流路変更 - 諸説あるが、かつての白川は現在の子飼橋〜代継橋付近で大きく蛇行し、現在の熊本市役所付近で坪井川が合流、それから現在の坪井川の流路を通り、現在の長六橋付近で現在の流路となっていた。清正は治水及び熊本城の防衛のために新たに河道を開削し、城下町の南端で合流するようにした。熊本城の防衛上の意味というのは、白川を外堀、坪井川を内堀に見立てるというものである。このため、熊本城には水堀が1つしかない。

6・26水害

1953年(昭和28年)6月26日、梅雨前線による集中豪雨で白川が氾濫し熊本市の広い範囲が床上浸水、またその2ヶ月前に阿蘇山が噴火していたことで大量の泥(火山灰)が市街地へ流入した。この白川流域の水害についてを「白川大水害」、または日付から「6・26水害」と呼ぶ。熊本のほか福岡・佐賀などでも大きな被害をもたらした。

平成24年7月九州北部豪雨による氾濫

流域の自治体

熊本県
阿蘇郡高森町南阿蘇村菊池郡大津町菊陽町熊本市右岸 : 北区 - 中央区 - 西区左岸 : 東区 - 中央区 - 南区 - 西区)

  1. ^ a b c 白川の概要”. 熊本河川国道事務所. 2020年11月6日閲覧。
  2. ^ 【白川】の概要/国土交通省九州地方整備局河川部”. www.qsr.mlit.go.jp. 2019年9月8日閲覧。
  3. ^ 南阿蘇村湧水群 - 平成の名水百選 - 南阿蘇村観光協会
  4. ^ 水の生まれる里 - 水の郷百選
  5. ^ 名水百選 白川水源 - 名水百選 - 環境省
  6. ^ 水力発電所データベース 黒川第一”. 電力土木技術協会 (2008年3月31日). 2016年4月18日閲覧。
  7. ^ 水力発電所データベース 黒川第二”. 電力土木技術協会 (2008年3月31日). 2016年4月18日閲覧。
  8. ^ 水力発電所データベース 黒川第三”. 電力土木技術協会 (2008年3月31日). 2016年4月18日閲覧。
  9. ^ 水力発電所データベース 白川”. 電力土木技術協会 (2008年3月31日). 2016年4月18日閲覧。
  10. ^ 『九州地方電気事業史』121 - 124、201 - 202、665 - 666、773ページ。
  11. ^ 『水力技術百年史』424ページ。
  12. ^ 『九州地方電気事業史』232ページ。
  13. ^ JNCの水力発電設備一覧”. JNC. 2016年4月18日閲覧。
  14. ^ 平成28年熊本地震・空から見た(航空写真判読による)土砂崩壊地分布図(地理院地図による閲覧)”. 国土地理院 (2016年4月16日). 2016年4月19日閲覧。
  15. ^ 熊本大地震 3日目を迎えた現地の様子をまとめました。(動画・音声あり)”. FNN (2016年4月17日). 2016年4月18日閲覧。
  16. ^ ナイフで切り裂かれたように亀裂が入っていた…上空から見た被災地、懸命の捜索活動が続く”. 産経ニュース (2016年4月18日). 2016年4月18日閲覧。
  17. ^ “九電、黒川第1発電所を復旧へ 熊本地震で損壊、26年度発電再開めざす”. 熊本日日新聞 (熊本日日新聞社). (2020年5月19日). https://kumanichi.com/news/1465527/ 2020年5月24日閲覧。 


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