瑕疵ある意思表示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/23 21:41 UTC 版)
瑕疵ある意思表示(かしあるいしひょうじ)とは、民法上の法律用語で、表示された効果意思に対応する内心的効果意思は存在するが[注 1]、その内心的効果意思を形成する段階で、他人から干渉があり、完全で自由な判断ができなかった意思表示を言う[1]。典型的には民法における詐欺や強迫[注 2]による意思表示を言う。
注釈
- ^ この点で表示に対応した効果意思の存在を欠く意思の欠缺(意思の不存在)と区別される。
- ^ 刑法上の脅迫とは異なる。
- ^ ただし動機の錯誤は、厳密な理論上では瑕疵ある意思表示の一類型であるが、広い意味で内心と表示が食い違うということで錯誤(民法95条)の一類型として処理されるので、その効果は無効(ただし取消的無効)である。現在の日本の民法の解釈学の主流が、意思の欠缺と瑕疵ある意思表示とを厳密に峻別し異なる取り扱いを定めた当時の立法者の意思とは乖離していることの現れの一つといえる。
- ^ 民法には条文で示されない非典型のもの(例:非典型契約、非典型担保)があるため、詐欺・強迫の場合に該当せずとも意思表示に瑕疵があれば非典型な瑕疵ある意思表示となることがある。
出典
- ^ 尾崎哲夫 『コンパクト法律用語辞典』(第六版)自由国民社、2011年。 p.15
- 1 瑕疵ある意思表示とは
- 2 瑕疵ある意思表示の概要
- 瑕疵ある意思表示のページへのリンク