炭素繊維
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 07:19 UTC 版)
炭素繊維(たんそせんい、英: carbon fiber、中: 碳纤维)は、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して作った繊維。日本工業規格(JIS)では「有機繊維のプレカーサーを加熱炭素化処理して得られる、質量比で90%以上が炭素で構成される繊維。」と規定されている[1]。アクリル繊維を使った炭素繊維はPAN系(英: polyacrylonitrile)、ピッチを使った炭素繊維はピッチ系(英: pitch)と区分される[2]。炭素繊維を単独の材料として利用することは少なく、合成樹脂などの母材と組み合わせた複合材料として用いることが主である。炭素繊維を用いた複合材料としては炭素繊維強化プラスチック、炭素繊維強化炭素複合材料などがある。
- ^ JIS L 0204-2 繊維用語(原料部門)-第2部:化学繊維
- ^ a b c 三菱化学グループのプラスチック、トピックス「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)-PAN系とピッチ系-」2010年10月19日掲載(2011年10月17日閲覧)
- ^ 炭素繊維とは そもそも炭素繊維って?TORAYCA(2011年10月18日閲覧)
- ^ a b 「カーボンファイバーってなんでこんなに高価なの?」ギズモード・ジャパン(2011年10月1日掲載)2011年10月18日閲覧
- ^ 「炭素繊維リサイクル最前線」『毎日新聞』朝刊2022年10月25日(2022年10月30日閲覧)
- ^ 志村幸雄『誰が本当の発明者か 発明をめぐる栄光と挫折の物語』講談社〈ブルーバックス(B-1525)〉、2006年8月。ISBN 4062575256。
- ^ 立林 康巨「PAN系炭素繊維の現状と将来」炭素繊維協会第23回複合材料セミナー資料 (PDF) (2010年6月29日掲載)2011年10月17日閲覧
- ^ 「PAN系各社の炭素繊維開発の歴史」 (PDF) 炭素繊維協会(2010年6月29日掲載)2011年10月18日閲覧
- ^ a b 深川 敏弘「ピッチ系炭素繊維の現状と将来」 (PDF) 炭素繊維協会第24回複合材料セミナー資料(2011年8月21日掲載)2011年10月18日閲覧
- ^ a b 「航空機材料としての炭素繊維適用の動向について」 (PDF) 、(財)航空機国際共同開発基金:航空機等に関する解説概要、2007年度掲載(2011年10月18日閲覧)
- ^ FAQ 炭素繊維協会(2011年10月18日閲覧)
- ^ 河村 雅彦「PAN系炭素繊維の現状と将来」 (PDF) 炭素繊維協会第24回複合材料セミナー資料(2011年8月21日掲載)2011年10月18日閲覧
- ^ 炭素繊維事業「炭素繊維とは」東邦テナックス(2011年10月17日閲覧)
- ^ 村上 陽太郎「炭素繊維の製法、構造及び性質 (PDF) 」(財)大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター『NMCニュース』2005年4月号 No.37(2011年10月18日閲覧)
- ^ よくある質問FAQ 東邦テナックス 炭素繊維事業(2011年10月18日閲覧)
- ^ 基発0331第26号 平成28年3月31日「労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき厚生労働大臣が定める化学物質による健康障害を防止するための指針」について 厚生労働省労働基準局長(2022年10月30日閲覧)
- ^ ○ナノマテリアルに対するばく露防止等のための予防的対応について(平成21年3月31日)(基発第0331013号)(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)2022年10月30日閲覧
炭素繊維と同じ種類の言葉
- 炭素繊維のページへのリンク