正座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/08 07:57 UTC 版)
各地での正座
沖縄
沖縄方言では、この座り方を「ひざまんちゅー」と呼び、これをヤマトグチ化して「ひざまづき」と言う。また沖縄で「正座」という言葉を使う場合は、椅子や地面に腰を下ろしたままで姿勢を正すことを意味する。
富山
富山県の方言では正座することを「ちんちんかく」という。(「ちんちん」が正座を意味し、「かく」が状態、動作を意味する。丁寧な命令調ならば「おちんちんをかきなさい」となる)これを標準語で解釈すると、まったく別の意味に捉えられるため、富山の方言を紹介する際の笑い話として使われることが多い。
中国
中国では、春秋戦国や秦漢の時代に正座が正式な座り方だったことがある[8][9]。椅子に座る習慣が広まるのは2世紀後漢末ごろである。
朝鮮半島
朝鮮半島では正座でお辞儀をするのが最上級の感謝の挨拶とされている。これは葬式や結婚式など特別の場で行われる作法とされているので、日常生活で正座をする人は少数である。
その他
東西を問わず、児童が床に直接座る際にしばしば自然にこの座法が用いられる。柔らかい絨毯が敷かれた部屋でテレビを鑑賞する際に多く見られる[注釈 3]。
インディアンの移動用住居ティピー内では女子は正座をするのが望ましい作法とされる。
身体への影響
正座は脚を痺れさせ[10]一時的に血流が低下する[11]などの研究がある。日本以外の国では「自分の体重で足を押さえつける不健康な座り方」と紹介されることもあった。長時間の正座ができるように、指物の一つに「合曳(正座椅子)」と呼ばれる椅子がある。これは座面(座布団を模したものが多い)の下に脛がはいる程度の高さの椅子である。
- ^ 「座」は『同音の漢字による書きかえ』に示されている「坐」の代用字である。以下同じ。
- ^ 『永平清規』など、曹洞宗の清規には足を組んで姿勢を正して座るという意味で「正座(しょうざ)」という語が使われている[4][5]。
- ^ 北米のウェブタレント、The Angry Video Game Nerdがしばしばこの座法でテレビゲームに興じている。
- ^ 入澤『日本人の坐り方に就いて』国会図書館 近代デジタルライブラリ(初出は『史学雑誌』第31編第8号 1920年)出版克誠堂書店 1921年)24ページ
- ^ 入澤『日本人の坐り方に就いて』 国会図書館 近代デジタルライブラリ 24ページ
- ^ 正座の源流 Origin of Seiza:Sitting-Up Straight in Japan 川本利恵、中村 充一
- ^ 道元 『清規・戒法・嗣書』 小阪機融ほか訳註 春秋社 <原文対照現代語訳 道元禅師全集> 第15巻 2013年、ISBN 978-4-393-15035-1 p.57,237.
- ^ 多田孝正『お位牌はどこから来たのか:日本仏教儀礼の解明』 興山舎 2008年 ISBN 978-4-904139-10-3
- ^ 田中小三郎『小学女子容儀詳説. 上編』 国会図書館 近代デジタルライブラリ p.12
- ^ 熊倉功夫『文化としてのマナー』岩波書店、1999年、ISBN 4000263161、pp.136-147.
- ^ 《史記·項羽本紀》:項王卽日因畱沛公與飮。項王、項伯東向坐,亞父南向坐。 ……沛公北向坐,張良西向侍。 ……噲遂󠄂入,披帷西向立,瞋目視󠄁項王,頭髮上指,目眥盡裂。項王按劍而跽曰:「客何爲者?」
- ^ 《史記·張耳陳餘列傳》:漢󠄁七年,高祖󠄁從平城過󠄁趙,趙王朝夕袒韛蔽,自上食,禮甚卑,有子婿禮。高祖󠄁箕踞詈,甚慢易之。
- ^ 正座における下肢の皮膚感覚の一時的消失過程 Temporal disappearance of the cutaneous sensation in lower limbs due to the sitting on the knees
- ^ 健康人の正座によるしびれ感と末梢血流状態に関係
- 1 正座とは
- 2 正座の概要
- 3 日本文化における正座
- 4 各地での正座
- 5 参考文献
正座と同じ種類の言葉
品詞の分類
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