植木鉢 植木鉢のサイズの例

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植木鉢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 07:13 UTC 版)

植木鉢のサイズの例

号数に3をかけるとセンチメートル単位とほぼ同等になる。
一号
3cm
三号
9cm
八号
24cm
十二号
36cm
十五号
45cm

となる。

使用法

培養土を用いて植物を鉢に植え込み、適当な管理を行う。用土や管理の方法は、当然ながら植物によって大いに異なるが、おおよそ共通するのは以下のような点である。

鉢の選択

多湿を好む植物は乾きにくく排水や水分蒸散が過剰でないもの、乾燥を好む植物はその逆など、植物の水分要求度によって使い分けることがある程度必要で、現実にこのような植物に特化した植木鉢もよく見られるが、培養土の吟味、灌水や栽培場の環境などでかなり調節はできる。むしろ、地下部の形状や大きさによる容量に注意する必要がある。たとえばシャクヤクフクジュソウなど長いひげ根を持つ植物には大きめの鉢、地下茎で横に繁殖しやすい植物には深さよりも広さのある鉢、ゴボウ状の直根を持つものには深鉢が必要である。一方、着生植物の一部や食虫植物など地下部のあまり発達しない植物では、重心や美的バランスを考慮しなければ小さな鉢でも良い場合もある。またティランジアのように植木鉢をあえて必要としない着生植物もある。

植え込み

  • 植える植物を取り上げ、根本を掃除して、枯葉や腐った根を取り除く。
  • 鉢の底の穴にふたをする。鉢底のふた専用の陶器製などのものもあるが、用土に含まれる大きめの小石や瓦のかけら、あるいは壊れた植木鉢の破片などがよく使われる。
  • 底から用土を詰める。やや大きめの粒子から入れてゆく。適当に土が入ったら、植物の根を鉢の中に広げ、改めて用土を入れる。根のすき間にうまく用土が入るように、へらなど使うこともよく行われる。用土は詰め込まないように柔らかく入れる。成長途中の苗が倒れないよう、あるいはつる性植物のため、支柱を立てることも多い。

仕上げ

  • 鉢表面まで用土を入れる。表面に飾りの砂を入れる場合もある。
  • しっかり水を含ませる。場合によっては、鉢を水に沈ませて引き上げる。
  • 根が落ち着くまでは、やや日陰で水をしっかりやって管理する。

植え替え

鉢の用土が悪くなったり、植物が大きく育ったりすると、植え替えをする。鉢から植物を用土のまま抜き出し、古い用土を捨て、根本の掃除をして、新しい鉢に植えなおす。植え替えの時期は、大抵は植物の活動が鈍っている時期である。このときに株分けを行うのもよくあることである。

展示、鑑賞

鉢植えをより美しく演出するため、古来から展示方法もさまざまに工夫されて来た。しかし、場合によっては鉢を隠す演出も見られる。

室内等で鑑賞する場合、排水孔から流れ出る余剰な水を受けるための受皿を併用することが多い。欧米では、排水孔のある植木鉢には普通同じ材質、デザインの受皿がセットで製造、販売されることが多い。その場合、受皿の口径は原則として植木鉢の口径に等しい。更に受皿の下に、受け布を敷くこともある。ある程度まとまった数の植木鉢を陳列する時は、数鉢分が収まる大きな金属製の受皿を使うこともある。

培養土の表面には、化粧砂が施されることもある。多くは植物名や品種名を記した名札、ネームプレートが鉢の縁に設置される。これらは現代ではプラスチック製が多いが、凝ったものでは漆塗りや陶磁器のものがある。

駄温鉢やビニールポットの場合は鉢カバーを使うこともある。また欧米では鑑賞鉢にすっぽりと収めて飾ることも多い。

欧米の大型鑑賞鉢は、単独で床に直接設置する場合は、椅子の生活スタイルから、高さ数十センチメートルのスタンドが使われる。これも植木鉢と同質、同柄でセットになっていることが多いが、木等で別に作られるものもある。また鉢とスタンドが一体化して作られているものもある。センターピースとして卓上に飾るものは、脚付きの台が付属していることがある。

盆栽では、室内では多くの場合入念に装飾が施された紫檀などの唐木で作られた台を設置し、その上に置くことが多い。台は多く植木鉢の形に合わせたものが用いられる。

古典菊では、屋外に「花壇」と呼ばれる横長の長方形の展示場を設営する。三方をよしずで囲い、屋根を設け、背景には障子を配することもある。植木鉢は三列から五列に並べ、地面を掘るか土を盛り上げて埋め込み、地面から植物が生えているように見せることもある。肥後花菖蒲肥後朝顔では室内に毛氈を敷き、一列に鉢を並べ、背後には屏風を立てる。オモト等では、一鉢ずつ木製の台に載せることが多い。サクラソウでは、屋外に「花壇」と呼ばれる屋根付き展示台を作る。菊花壇に類似するが五段の棚を持ち、33鉢から36鉢を陳列する。

イギリスのオーリキュラなどは18世紀から展示台に多数の鉢植えを陳列した。これを舞台に見立てて、「シアター」または「ステージ」と呼び、豪華な装飾を施し、実際の劇場のようにオペラカーテンを備えたり、ランプを備え付けて照明するものもあり、背景には風景画を描いたり、を貼って後ろ側も見えるようにしたり、黒のヴェルヴットで覆い花を浮き立たせたりするなどの試みが行なわれた。

この他園芸の進展に合わせ、ヴィクトリア時代には特に金属製の洒落た植木鉢スタンドが流行し、多くは数段からなる角形や円形、半円形などのさまざまなものが市販されていた。また、水槽や鳥籠、噴水、彫刻などとセットになったものもあった。

イベント的な花の展示会では統一感の演出のため、多くの鉢植えを樹皮チップ等ですっかり覆い、同一の地面から生えているように見せかける手法もよく採られる。

なお、工芸品として、それのみで鑑賞に値する植木鉢も少なくないが、全体的に見て植木鉢は日用品扱いされ、一般に陶芸の世界では植木鉢は重視されていないことが多い。


注釈

  1. ^ 植木鉢無しの状態、つまり植物の根に土がついただけの状態のものを例えばコンクリートやタイル張りの場所に置いても、水をやるたびに土壌が流れていってしまい、やがて根がむき出しになってしまう。また植木鉢無しでは、植物の角度(姿勢)が安定しない。

出典

  1. ^ 『栽培法及び作業法』, 職業訓練教材研究会 (2005年2月10日),ISBN 978-4786310218


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