星空のメモリア -Wish upon a shooting star- 概要

星空のメモリア -Wish upon a shooting star-

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/29 09:50 UTC 版)

概要

星空のメモリア -Wish upon a shooting star-

学園の天体観測サークルを主舞台に、主人公とヒロイン達の交流、過去の記憶や思い出、星に掛ける願いなどを描いたファンタジーストーリーである。共通ルートで登場するこももの入部届の日付けから、作中の年代が2012年であることが分かる。

ディレクターの水間ホシひとによれば、作品制作は2007年10月に発売された『はっぴぃ☆マーガレット!』とほぼ同時期から行われていた。もともとSFや星が好きだったというキャラクターデザイン・原画担当の司田カズヒロとのやり取りの中で、“死神”メアのキャラクターが生まれ、そこから物語が固まったという[1]

星空のメモリア Eternal Heart

本編発売後にユーザーから多くの要望が届いたこと、制作スタッフの間でも本編の世界観をより掘り下げたい欲求があったことから、2009年春頃よりファンディスクが企画された。ユーザーの要望にあった「好きなヒロインとのアフターストーリー」を充実させるため、バラエティ系のファンディスクではなく、メアと夢の2人のアフターストーリーを本編と同等のボリュームで制作した[2]。また、メア・夢以外の5人のヒロインのショートストーリも用意されている。

萌えゲーアワード2010にて、ファンディスク賞部門の金賞を受賞した[3]

あらすじ

星空のメモリア -Wish upon a shooting star-

(出典:[4]

2012年7月4日。小河坂洋は、妹の千波と共に、生まれ故郷の雲雀ヶ崎(ひばりがさき)へ7年ぶりに戻って来た。洋の中には、かつてこの街を離れる直前、街外れの展望台で一緒に遊んだ幼なじみの少女との大切な思い出があった。雲雀ヶ崎に戻って真っ先に展望台を訪れると、思い出の彼女とそっくりだが異様な身なりの「人の悪夢を刈る死神」メアと出会う。懐かしい彼女に会いたい洋は毎日のように展望台に通うが、彼女と再会の約束をしていた七夕の日、―――

星空のメモリア Eternal Heart

本編のメアルート・夢ルートのアフターストーリー、その他のヒロインのショートストーリーが収録されている。

登場人物

(出典:[5][6]

主人公

小河坂 洋(こがさか よう)
声:皇帝 (ドラマCDのみ)
175cm 12月2日(いて座) AB型 好きなもの:平穏な生活 嫌いなもの:マヨネーズ
本作品の主人公。雲雀ヶ崎学園(ヒバリ校)2年A組。幼少期の一人称は僕だが、現在の一人称は俺。幼少期に雲雀ヶ崎から引っ越したが、7年ぶりに帰ってきた。理性的で落ち着いた性格で、学校の成績も良い。元々母子家庭だったが母親が亡くなったため、雲雀ヶ崎に住む叔母の詩乃の家に、妹の千波と共に引き取られた。以前から母親の家事を手伝っていたため、料理などはそこそこできる。いつもトラブルを起こす千波に対して冷たい態度を取っているが、内心は大好き。そのため、千波がとある事件に巻き込まれて昏睡状態になった際はつきっきりで看病したり、見舞いに来たこももとこさめに、犯人を許せないと言っている。
幼い頃に出会った”展望台の彼女”に大きな影響を受け、それまで頭でっかちで人付き合いが悪かったが、その後は友達を作るようになり、星のことも勉強するようになった。雲雀ヶ崎に戻ってすぐに展望台へ向かったものの、そこで彼女に似た姿だが異様な身なりの「死神」メアと出会う。転入したヒバリ校では、明日歩からの誘いにより、部員不足で存続危機にあった「天体観測愛好サークル」(天クル)に入部(こももルートでは生徒会にも加入)し、他のメンバー達とも交流を持つようになる。

ヒロイン

メア=S=エフェメラル (Mare=S=Ephemeral)
声:杏子御津
141cm 71/50/73 7月7日(かに座) 血液型不明 好きなもの:雲雀ヶ崎の星空 嫌いなもの:初対面の相手
自称「人の悪夢を刈る死神」の謎の少女。見た目は幼いが、洋より年上らしい。人見知りで言動も気まぐれで、なかなか本心がわからない。言動には若干ツンデレな一面が顕れている。洋が7年ぶりに訪れた展望台で出会い、その後も星が見える夜にはよく展望台に出没する。7年前に離れ離れになった幼なじみとそっくりだが、身なりは全くの別物で、手には大きな鎌のようなものをもっている。主人公の呼び名は「洋くん」。どこからともなく現れたり、消えたりする能力と、魂の代わりに人の悪夢を狩る能力を持つ。
名前の「S=Ephemeral」の詳細は明かされていない(ただし、作中である人物が「春の儚い命」などを意味する Spring Ephemeral を口にしている)。
南星 明日歩(みなほし あすほ)
声:佐本二厘
155cm 81/56/82 4月17日(おひつじ座) O型 好きなもの:星座の神話 嫌いなもの:生徒会
ヒバリ校2年A組のクラス委員。天クルの副部長で星が大好き。明るく元気なムードメーカーで、人と話す時に相手に顔を近づける癖がある。喜怒哀楽がよく顔に表れ、洋には「犬」と比喩されている。また、雨が降りそうになると耳鳴りを起こすので完璧に予知できる。洋とは小学校時代にも同級生だった。家業は喫茶「ミルキーウェイ」で、放課後や休日はエプロンドレスを着てウェイトレスとして手伝っている(そのため洋からは当初店がメイド喫茶であると誤認された)。星座の神話にちなんだ店のメニュー名も彼女が付けたもの。主人公の呼び名は「洋ちゃん」。実はとある障害を抱えており、それを洋たちに隠している。
姫榊 こもも(ひさかき こもも)
声:宮沢ゆあな
161cm 87/57/86 6月9日(ふたご座) A型 好きなもの:妹のこさめ 嫌いなもの:星にまつわること全部
ヒバリ校2年B組。こさめの双子の姉。いわゆるツンデレで、言葉がキツいあまのじゃくだが、生真面目で気遣いな性格。下の名前「こもも」で呼ばれるのを嫌う。生徒会の役員で、学園の風紀維持のために熱心に働いている。昔から星が嫌いで、天クルを廃部にしようと画策しており、明日歩と始終対立している。こさめに(性的に)絡まれている姿や、水着姿を後述の温人や飛鳥に激写されそうになるたびに、証拠隠滅と八つ当たりで携帯やデジカメを破壊するため、洋からは密かに“クラッシャー”の称号を与えられている。総破壊数は各4台。家は隣町の神社「星天宮」で、妹のこさめと共に巫女を務める。主人公の呼び名は「小河坂くん」もしくは「コガヨウ」[7]
姫榊 こさめ(ひさかき こさめ)
声:楠鈴音
161cm 87/57/86 6月9日(ふたご座) A型 好きなもの:姉のこもも 嫌いなもの:むやみに詮索されること
ヒバリ校2年A組。こももの双子の妹。姉のこももと同じく星天宮の巫女。のんびりほのぼのした性格で、言葉遣いはいつも丁寧だが、なぜか人から詮索されることを極度に嫌っている。天クルに所属していて、明日歩と仲がいい。天クルを廃部にしたいこももとは板挟みになる立場だが、どちらにも付かず中立に接している。図書委員も務めており、当番の時は図書館で洋の調べ物を手伝ったりする。主人公の呼び名は「小河坂さん」。レズマゾの気があるらしく、性的な意味でこももに絡んだり、その後の「お仕置き」を楽しみにして、恍惚とした表情を浮かべることが多々ある。自身についてとある秘密を隠している。
蒼 衣鈴(あおい いすず)
声:東かりん
149cm 77/53/78 11月21日(さそり座) B型 好きなもの:タロットカード 嫌いなもの:友達を作ること
ヒバリ校1年C組で千波と同級。洋・千波の家の向かいに住む。口数が少なく他人を拒絶していて、隣人の洋に対してもいつも素っ気ない態度で毒舌を吐くが、妹の鈴葉にだけは弱い。朝に弱く、毎朝鈴葉に起こされては、朝食抜きで遅刻ギリギリに登校している。タロットカードでよく占いをしていて、学校にいつもカードを持ち込んでは持ち物検査でこももを困らせる。南天(南半球)の星空に強い思い入れがある。主人公の呼び名は「先輩」もしくは「洋先輩」。
小河坂 千波(こがさか ちなみ)
声:みなづき蓮藤森ゆき奈(Eternal Heart)[8]
153cm 79/55/80 2月19日(みずがめ座) B型 好きなもの:お兄ちゃんのお世話 嫌いなもの:お兄ちゃんのぐりぐり
ヒバリ校1年C組。洋の妹。元気でマイペースにしゃべりまくり、人懐っこく誰とでもすぐ仲良くなれる。兄が大好きで、洋のためにあれこれ頑張ろうとするが、不器用なためいつも空回りしてしまう。彼女の手にかかると料理が必ず黒焦げになるので、洋は千波に絶対料理をさせない。食べ物の好みはマヨラー。都会にいた頃は思春期につき物の反抗期で洋や母親に反抗したりもしていた。朝寝坊で登校前に洋をいつも玄関で待たせているが、置いて行かれてしまうこともある。自身の出生に関する事情から洋や母に強い負い目を抱えており、都会にいた頃に自作したオルゴールを大事にしており、朝起きた時にそのオルゴールの音色を聴くのを日課にしていることが自身のルートで明かされる。主人公の呼び名は「お兄ちゃん」。
乙津 夢(おとつ ゆめ)
声:遠野そよぎ
157cm 83/56/80 9月3日(おとめ座) AB型
隣町の病院に入院している少女。こもも・こさめの父が担当医。患者とは思えないくらいお転婆でマイペースな性格。入院生活に退屈してよくこっそり外へ出ていたが、監視が厳しくなって出られなくなってしまった。洋より1つ年上であり、お姉さんぶる傾向がある。
洋にとって大切な思い出の人である。主人公の呼び名は「洋くん」。以前は洋の引っ越し先だった、政令指定都市もしくは東京23区の病院に入院していた[9]が、こもも曰く七月に雲雀ヶ崎の病院に転院して来た。幼少期は雲雀ヶ崎に住んでいたが、自身のルートで洋と再会した時にはその事を隠していた。

サブキャラクター

諏訪 雪菜(すわ せつな)
声:伊藤瞳子
163cm 84/57/86 O型
ヒバリ校3年。姫榊家の親戚。中性的な口調でクールにしゃべる。一応天クルに所属しているが、参加するのを見た人はあまりいない。星天宮の総本社から雲雀ヶ崎へ派遣されてきた巫女でもある。現在は姫榊の家に居候している状態であり、生活費などを援助されていることをこももに指摘されている。
小河坂 詩乃(こがさか しの)
声:石川乃奈
164cm O型
洋と千波の叔母(母の妹)。絵本作家で、締切が近づくと生活が不規則になり、部屋に篭もりきりになることが多い。母親を亡くして2人きりになった小河坂兄妹を、雲雀ヶ崎の自分の家に引き取った。2人には甘々で、わがままを一切しない洋に対してはもっと頼ってほしいと内心思っているが、それには自身に関するとある秘密が隠されていることが千波のルートで明らかになる。自宅のガレージには彼女の愛車と思われる赤い乗用車が停められており、本編で洋や友人の送迎にしばしば利用されている。
蒼 鈴葉(あおい すずは)
声:宇佐美みもえ
128cm 63/46/66 A型
小学校3年。衣鈴の妹。おとなしくて引っ込み思案だが、慣れると素直で礼儀正しい良い子で、衣鈴より物事に積極的。本作で一番の常識人とも言える。体が弱く、よく学校を休んでいる。
姫榊 万夜花(ひさかき まやか)
167cm B型
声:小友わかば
こももとこさめの母親。天津甕星(あまつみかぼし)を祀る星天宮の神主だが、元ヤンで大雑把な性格。8月始めに星天宮で行われる夏祭りでは、娘達と共に準備・運営を行う。スクータータイプの原付を愛用しているが、旧式のためよく故障している。
岡泉 温土(おかいずみ はると)
声:相沢ファミ
178cm A型
ヒバリ校3年で天クルの部長。眼鏡を掛けた優男風の男子生徒。学業では学年総代に選ばれるほど優秀だが、感情のアップダウンが激しい。躁状態になった時は知恵の輪を与えるとおとなしくなる。鬱な時は些細なことで傷つきやすい。部に対する愛が過ぎる故にこももが(性的に)こさめに絡まれているシーンを携帯で激写してそれをネタに部に便宜を図ろうとしては携帯をこももに破壊されている。時にもう一つのクールでワイルドな人格「凍土(とうど)」が出現する。その際の一人称は「俺様」(普段は「僕」)で、なぜか眼鏡を外してポケットに引っ掛けている。
南星 総一朗(みなほし そういちろう)
声:松涛エルザ
180cm O型
明日歩の父親。喫茶「ミルキーウェイ」の店主。メイド好きで、エプロンドレスを明日歩に着せて店を手伝わせている。実は元天文学者でかつてのヒバリ校天文部員だが、明日歩には辞めた理由を話していない。理由は不明だが、明日歩がかつて存在した天文クラブに参加するのを反対した過去がある。
飛鳥 未来(あすか みらい)
声:平井達矢
174cm B型
ヒバリ校2年A組で洋の同級生。UFOや超常現象が好きで、たった1人だけのオカルト研究部(オカ研)として活動している。同じくサークルに過ぎないにもかかわらず部室がある天クルとは何度か対立している。いつでもUFOを激写出来るように複数のデジカメを持っていたが、こももの下着姿やこさめに(性的に)絡まれているシーンを盗撮した結果、予備も含め全てこももに破壊された。
かささぎ
メアが展望台で出会った小さなドラゴン。身体を発光させて翼で空を舞う。洋が話した七夕伝説から、メアが「かささぎ」と名付けた。メアには「かーくん」、洋には「かー坊」と呼ばれている。メアに懐いてよく頭の上に乗っているが、洋には度々口から火を吐いて浴びせる。
レン
声:神村ひな
142cm 72/50/73
メアと同類の存在で、自称「見守る者」。”ダメ人間フェチ”で、口癖は「ダメ人間……クスクス……」。
三嶋 大河(みしま たいが)
声:谷俊介
ヒバリ校の教師で元天文部顧問。あがり症で人前でしゃべるのが苦手で、授業中はずっと黒板の方を向いている。元天文学者であり、かつては若くして市の推薦で、宇宙博物館の館長も務めていた。総一郎とは教え子と教師の関係にあたり、現在も仲が良い。元々は南日本の農家の出身で、全国のプラネタリウムを巡る旅の途中で歌澄に出会い、雲雀ヶ崎に引っ越して来た、
世良 千尋(せら ちひろ)
声:Lee
夢から「妖精さん」と呼ばれている謎の男性。よく病院に出没するが、夢にしか見えていない。実は小賀坂一家と深い繋がりを持つ人物。
小河坂 歌澄(こがさか かすみ)
声:伊藤硝子
洋と千波の母親。物語開始前に亡くなっている。洋の独白によれば、駆け落ち同然で雲雀ヶ崎を離れた過去があるが、親戚からは既にその事は水に流されているらしく、2人が詩乃に無事引き取られたのもそのためである。千波のルートでの詩乃の回想によれば生前はヒバリ校の吹奏楽部に所属していた。
飛鳥 伊麻(あすか いま)
声:姫原ゆう
星天宮の総本社から雲雀ヶ崎へ派遣されてきた巫女。自らの過去に関する記憶を失っている。
看護師
声:伊藤瞳子
隣町の病院に勤めている。夢の担当で、同僚の姫榊医師のファンらしい。
姫榊医師(ひさかき)
こももとこさめの父親。隣町の病院に勤務しており、夢の担当医。仕事熱心で看護師達に人気があるが、怒ると怖い。

  1. ^ 『司田カズヒロアートワークス 星空のメモリア with Eternal Heart』 pp.140-143.
  2. ^ PUSH!!(2010年1月号) pp.20-21.
  3. ^ 萌えゲーアワード2010 ファンディスク賞結果ページ
  4. ^ TECH GIAN(2008年12月号) pp.64-69.
  5. ^ DENGEKI HIME(2009年3月号) pp.34-38.
  6. ^ 『司田カズヒロアートワークス 星空のメモリア with Eternal Heart』 pp.76-79.
  7. ^ 洋はその呼び名を嫌っている
  8. ^ みなづき蓮が声優業を引退したため、『星空のメモリア Eternal Heart』では声優が藤森ゆき奈に交代した。
  9. ^ 洋とは違う区に住んでいたとされており、区が存在するのは政令指定都市か東京23区内のいずれかである。






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