性依存症 概要

性依存症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/29 02:41 UTC 版)

概要

頻繁に「セックス依存症」という呼称が用いられることもあるが、依存する対象は実際に相手のある性交渉だけでなく、自慰行為への過度な耽溺、強迫的な売買春乱交露出や覗き行為、性的ないたずら電話インターネットのアダルトチャットなど、全ての性的な活動が考えられる。ポルノグラフィ児童ポルノを含む)が依存の対象となる場合はポルノ依存症と呼ばれる。

性依存者は、それらによって得られる性的な興奮や刺激に溺れることが習慣化し、徐々に自己コントロールを失っていく。ギャンブル依存や買い物依存などと同じく「行動への依存」に分類される。性依存症は性別性自認性的志向を問わず存在する。

性依存症は1970年代から主にアメリカで研究されてきたが、1998年アメリカ大統領ビル・クリントン不倫スキャンダルが、性依存症に起因するという説が取り上げられて以来、一般での認知度が急激に高まった。ビル・クリントンのセクシュアルハラスメント・ケースに関わった専門家として、医学博士のパトリック・カーンズが挙げられる。

性的対象に依存している間は、脳内から快楽物質が放出されるため、不安から一時的に逃れられるメカニズムにより起こる。そのため必ずしも性欲が亢進しているわけではなくとも、強迫的に性的行動を繰り返してしまう場合もある。原因は様々で特定は難しいが、幼児期や成人への成長過程で肉親からの愛情が得られなかったり、また逆説的ではあるが、性的虐待児童虐待(特に児童性的虐待)の被害者が性依存症となることもある。

不倫行為や性犯罪が原因で家庭崩壊を招き、家族や友人を失うことも少なくない。社会的な信用や地位を失い、職を失ったり性風俗店に通いつめるなどした結果、経済的に困窮する場合もある。


  1. ^ International Classification of Diseases, version 2007.
  2. ^ 斉藤章佳 (2023). “性依存症および強迫的性行動症の地域トリートメント”. 精神科治療学 38 (増刊号): 305-309. 
  3. ^ 【眼光紙背】どうしてもセックスがやめられない人たち” (2008年5月28日). 2008年11月9日閲覧。
  4. ^ 米俳優D・ドゥカブニー、性依存症の治療施設に入所” (2008年8月29日). 2008年8月30日閲覧。
  5. ^ Joy横手(TechinsightJapan編集部) (2009年11月28日). “【イタすぎるセレブ達・番外編】タイガー・ウッズ、自宅近くで運転事故。不倫スキャンダル流出も原因か…!?”. Techinsight(テックインサイト). https://japan.techinsight.jp/2009/11/yokote2009112809210.html 2018年1月6日閲覧。 
  6. ^ a b 福田晃広(清談社) (2018年1月5日). “「性欲が強いだけ」「ただのセックス好き」? セックス依存症の実態を専門家に聞いた”. サイゾーウーマン(cyzo woman). https://www.cyzowoman.com/2018/01/post_168671_1.html 2018年1月6日閲覧. "全2頁構成(→2頁目)" 
  7. ^ 上塚真由 (2017年10月13日). “ハリウッドのセクハラ、米女優ら20人超が大物映画プロデューサーを告発”. 産経ニュース. https://www.sankei.com/article/20171013-Q2RXOBTTBZLN3DI3XOT43G7ZJQ/ 2018年1月6日閲覧. "全3頁構成(→2頁目3頁目)" 
  8. ^ “セックス依存症のリハビリ施設へ…渦中の米大物プロデューサー”. シネマトゥデイ. (2017年10月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0095228 2018年1月6日閲覧。 






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