小丸川発電所 歴史

小丸川発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/18 15:20 UTC 版)

歴史

九州において電気事業を営む九州電力は、戦後の電力会社再編成により日本発送電が分社化され発足した。九州の電力需要は経済発展とともに増大し、また間の格差が広がっていった。九州電力は増大する電力需要に対しては火力原子力発電所の増設によって、また昼夜間の電力需要の格差に対しては揚水発電によって対応してきた。

九州における揚水発電は1961年昭和36年)完成の諸塚(もろつか)発電所が初見である。日本の揚水発電所としては比較的初期のもので、その最大出力は5万キロワットであった。その10倍となる最大出力50万キロワットの大平(おおひら)発電所が1975年(昭和50年)に運転開始。1986年(昭和61年)には最大出力60万キロワットの天山(てんざん)発電所が運転開始した。これにより九州電力の全供給力のうち揚水発電が占める割合は5パーセントとなったが、同社が目標とする10パーセントには及ばない。同社は発電設備や送電線の事故など緊急時における電力系統の信頼性強化のため、次なる揚水発電所・小丸川発電所建設計画を推進。3か所の既設揚水発電所出力の合計115万キロワットを上回る、最大出力120万キロワットで計画された。

建設工事は1999年平成11年)2月に着工。設置を予定している水車発電機は4台で、そのうちの一台、4号機が先駆けて据え付けを完了。2007年(平成19年)7月10日より営業運転に入った。その後も水車発電機の据え付け工事は続けられ、2009年(平成21年)1月22日に3号機が[3]2010年(平成22年)7月2日に1号機が[4]2011年(平成23年)7月6日に2号機が運転を開始している[5]

これらと並行して、石河内ダムからの河川維持放流水を利用した水力発電所・尾鈴(おすず)発電所の建設も進められた。2006年(平成18年)12月に着工し、2009年3月12日に運転を開始。最大330キロワットの電力を発生できる同発電所は、九州電力所有ダムの河川維持放流発電所として大淀川第二発電所5号機(600キロワット)および塚原発電所5号機(490キロワット)に続いて3例目となり、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)の対象としても近く認定される見通しである。




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