前立腺癌 治療

前立腺癌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 10:22 UTC 版)

治療

前立腺癌は発見時における状態(リスク分類)を基にして治療法を選択する。前立腺癌は治療の選択肢が非常に多く、また選択する際は生存期間や性機能温存の問題など肉体的にも精神的にも患者本人の考え方が非常に重視される[43]

生活・精神的選択
患者本人が完治を望むが、長期間にわたる治療は仕事に支障が出るという場合には、放射線治療より前立腺全摘除術を選ぶ。患者本人がどうしても性機能を温存したいならば、前立腺全摘除術ではなく放射線治療を選ぶ[43](とはいえ、放射線治療でも性機能に障害をきたすことはある)。
年齢的選択
前立腺癌は高齢者に発症が多いため、年齢によってはつらい治療はせず薬などでホルモンを遮断して癌を押さえる内分泌療法にする。80歳を過ぎている場合は適応条件が合えば待機療法にする[43]

監視療法 (active surveillance)

過剰治療とその有害事象を回避するため、二次治療として根治治療を想定して、根治の時機を逸しないように監視する積極的治療と位置づけられている。従来は「PSA監視療法」と呼ばれていたが、実際にはPSAのみでなく病理組織などの他の要素も監視することになるため、前立腺癌診療ガイドライン2016年版では「監視療法」と名付けられている。単なる経過観察とは峻別される(便宜上手術や放射線治療と同列に論じたが、同列の治療ではない。遅延治療の一時治療として位置づけられる。)。主として、低リスクの早期癌に対して行なわれる。[44]

待機療法

腫瘍マーカーの普及のため、近年では前立腺癌が早期発見されることが多い。そのため早期に発見された初期癌なら直ちに治療して根治するべき、と考えるであろうが、実はこれは早計である。前立腺癌は前述しているが進行が非常に遅く、早期に発見された場合なら無症状のまま経過して前立腺癌そのものが死亡原因にならないケースが多い(潜伏癌)。そのため、あえて治療をしないで当面は経過を観察していき、遠隔転移が出現した際に内分泌療法を開始するという治療方法があり、これを待機療法という。根治治療を見越した「監視療法」とは区別されるものの、監視療法中の患者が高齢となり根治治療ではなく内分泌療法を施行することになることがあり、両者はシームレスな関係といえる。待機療法では不要な過剰治療を避け、合併症のリスクを回避するのを目的としている[45]

待機療法とあるため、何も治療しないことだと誤解されがちだが、これは定期的にPSA値を計るなどして徹底した監視下のもとで行われるれっきとした治療法である[46]。待機療法の有効性は高く、待機療法の臨床試験(厚生労働省研究班の調査)において前立腺癌の患者で待機療法が適切と判断された118人のうち、84人が治療不要と判断され続け、大半は5年以上がたっても無治療のまま経過観察を続けている状況にあるとされている[45]

待機療法を適用される前立腺癌の患者はこの癌は潜伏癌であると考えてよい。

手術療法

前立腺全摘除術

PSA検査で前立腺癌の早期発見が可能となっているため、前立腺癌が前立腺内に留まっている場合は根治を目指して前立腺全摘除術を行うことで癌をすべて取り除くことが可能となっている。手術で切除するのは前立腺、精嚢、精管の一部、膀胱頸部の一部などで、それらに関連したリンパ節(所属リンパ節)も対象となる(リンパ節郭清)[47]。しかし、リンパ節郭清に関しては、所属リンパ節をすべて切除するのではなく、閉鎖リンパ節だけ郭清するという術式が採用されることもある。

前立腺全摘除術には恥骨後式、会陰式の2つがあるが、恥骨後式が最も一般的に行われている。

恥骨後式
全身麻酔と硬膜外麻酔を併用する。硬膜外麻酔を使用するのは術後の痛みを緩和する効果があるためで、下腹部を縦に切開して手術する。前立腺摘出後、尿道に管(カテーテル)を留置したまま切開した手術創を閉じる[47]
会陰式
陰嚢の裏側と肛門の間の部分を切開し、前立腺と直腸の間をはがして前立腺を摘出する[47]

これらの手術は共通して約3時間から4時間ほどで終わり、その後10日から2週間ほどの入院になる。術後1週間ほどで尿道カテーテルが抜かれる[47]。ただしこの手術で起こりやすい合併症として尿漏れと性機能不全がある。尿漏れについては、術後はこの症状に悩まされやすいため看護師のケアや指導により自分で対処できるようになってから退院する例が多い[47]。退院後は骨盤底筋体操を毎日行う習慣づけをして尿漏れを防ぐようにすれば、平均して1か月ほどで、長くても1年ほどで尿漏れは改善される。また、前立腺床を刺激しないように1か月は自転車や乗馬などは避ける注意が必要である[47]

前立腺全摘除術の適用範囲は、限局癌(癌が前立腺内に留まっている。すなわち早期発見された場合)であること、期待余命が10年以上であること、低リスクであること(PSA10ng/mlまで、グリソンスコア6以下、T1かT2a、この3項目を全て満たす場合)、中リスクであること(PSA20ng/mlまで、グリソンスコア7以下、T2b以下である場合)である[48]

前立腺全摘除術は簡単なように言われているが、前立腺は身体の深部にあり周囲をさまざまな臓器に囲まれているため、また前立腺の前面には静脈が密集している部分があるため、開腹による前立腺全摘除術は大量の出血を起こしやすい難しい手術である。このため、事前に自らの血液を採血して保存しておき、自己輸血できるようにする場合もある。大体の場合、1週間から10日間隔で2回から3回、400mlずつ採血して保存する[48]

腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術

腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術とは腹腔鏡という内視鏡(カメラ)を使って行う手術である。腹腔鏡(内視鏡)を患者の体内に挿入するため、腹部に5mmから12mmの穴を複数個(通常は5個)開け、ここから内視鏡や手術器具を挿入する。また、手術する空間を確保するため、腹部に二酸化炭素を送り込んで膨らませる気腹を行う。実際の作業はカメラの画像をモニターで見ながら行い、患部をよく観察しながら体外から手術器具を操作して前立腺や精嚢を摘出する[49]

腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術のメリット
内視鏡前立腺全摘除術のメリットとして、開腹手術と較べて手術創が小さいために痛みも出血も少なく、術者の目となる内視鏡が腹部に入るために奥まって見えにくいところもよく見え、同時にモニターで拡大しているため、開腹による全摘除術より細かい部分もよく見える(前立腺は恥骨の裏側にあり、骨盤の奥に位置するためこれが大きなメリットといえる)。手術後は尿道にカテーテルを留置するが、3日ほどで抜くことができるので通常5日から1週間程度と退院できるまでの期間が開腹手術より早く、仕事が忙しくて長期間の入院ができない場合にメリットがある[49]
腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術のデメリット
狭い範囲で臓器の摘出や縫合作業を行うために、手術時間は通常3時間から6時間と開腹手術より長く、そのぶん患者に負担がかかることになる。また手術を行う医師にも熟練した経験と技術が不可欠となる[49]。また、開腹手術は腹腔を開かずに行うが、腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術では腹腔に穴を開けるため、術後にまれであるが腸の癒着が起こるリスクもある。また、熟練した医師の手技が求められるので、保険の対象とするには、この手術の経験が10例以上あるなどの、厳しい基準を満たした認定病院で手術を受ける必要がある[50]。過去には施術に失敗し、出血多量で死亡する事案も発生している(慈恵医大青戸病院事件)。
腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術は、2006年4月に健康保険の適用が認められている[50]
前立腺全摘除術と腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術の変わらない点
腹腔鏡下(内視鏡)前立腺全摘除術の適用範囲は前立腺全摘除術とほとんど同じである(中リスクである場合のみ適用から外れる)[49]。治療成績は通常の恥骨後式、会陰式手術と変わらない[50]

da Vinci手術 (医療ロボット手術)

2012年4月に保険収載された[1][2]。腹腔鏡手術はモニターを見て手術をするため二次元の映像を見ての手術となるが、da Vinciは3次元立体画像を表示でき術者はそれをみて手術を行える。さらに腹腔鏡手術で使う鉗子と違い多関節の鉗子であるため、細かい作業が可能となり、また手振れ防止機能も搭載されている。

放射線療法

近年、前立腺癌の放射線療法には新しい方法が次々と登場し、それだけに治療の選択も広がっているため、個々の特徴を見極めて自分に合った選択をする必要がある[51][52]

外照射

外照射としては現在では強度変調放射線治療 (IMRT) による放射線治療が増加している。この治療法で治療した場合、直腸出血などの有害事象を減ずることができるため、照射する線量を増加させることが可能になり、局所制御率の向上につながっている。Alicikusらは、IMRTで81Gy照射し、10年PSA制御率が、低/中/高リスクで81%/78%/62%と報告している[53]。また、画像誘導放射線治療の臨床応用も進んでいるほか、陽子線・重粒子線を用いた粒子線治療や体幹部定位放射線治療も行なわれている[52]

外照射の治療適応はほぼ全ての病期に対してであり、癌が精嚢以外の他臓器浸潤がなく(T3bまで)、遠隔転移がないなら根治が期待できる。ただし前立腺の被膜を越えているなどの局所進行癌では内分泌療法との併用が勧められ、通常半年程度内分泌療法を先行させた後、外照射を行なう[54]

小線源治療

小線源治療といって、前立腺癌組織に直接放射線の出る粒(小線源)を刺入し、前立腺癌を治すという治療法がある。これには、一生小線源を留置したままの125I 治療(永久挿入密封小線源治療)と、一時的に線源を留置する治療(高線量率組織内照射)とがあり、双方とも優れた臨床成績が報告されている。

非密封小線源治療

前立腺癌は進行すると骨転移をきたし、それによる疼痛に苦しむこともある。箇所が少なければ、外照射により疼痛の軽減を図れるが、多発骨転移である場合には外照射で対応することが困難な場合がある。一定の要件を満たす患者に対しては、89Sr(メタストロン)を血管内投与することにより、疼痛の軽減が図る治療がかつては行われていた。しかし、2019年2月、製造原料である88Srの入手が困難になり製造販売が終了した[55]ために現在は行われていない。現在行われている非密封小線源治療としては、223Ra(製品名ゾーフィゴ)[56]の血管内投与がある。ゾーフィゴは疼痛緩和だけでなく生命予後の改善効果もあることが知られており、今後の普及が期待される。

内分泌療法

内分泌療法はホルモン療法とも言われる。前立腺癌は男性ホルモン(アンドロゲン)が刺激になって癌が分化・増殖する(ホルモン依存性)。このため男性ホルモンの分泌や作用を抑えて癌細胞の増殖を防ぐというのが内分泌療法の機序である。内分泌療法には外科的去勢術(両側精巣摘除術)LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストによる薬物療法の2つがある。また、薬の使い方を工夫した併用療法としてMAB(CAB)療法があり、この療法も多く取り入れられるようになっているほか、抗アンドロゲン薬を単独で使用する場合もある[57]。ただしこれらの療法には副作用や問題点も存在している[57]。具体的には、女性の更年期障害で起こるホットフラッシュといった症状を認めることがあり、患者の生活の質を下げうる。

内分泌療法は癌が前立腺の被膜を越えていたり、周辺臓器にまで広がっている局所浸潤癌の場合(T3からT4)、所属リンパ節や離れた臓器に転移のある進行癌(N1、M1)、体力的に前立腺全摘除術、放射線療法などの根治療法を受けることが難しい高齢者[58][59]、持病があって根治療法を受けられない人に適用されることが多い[60]

外科的去勢術(両側精巣摘除術)

外科的去勢術(両側精巣摘除術)とは簡単に言うと男性の両側の精巣すなわち睾丸を摘出する手術である。これは最も古くから行われている方法であり、精巣から分泌される男性ホルモンをなくすことを目的としている[61]

外科的去勢術(両側精巣摘除術)のメリット
この手術のメリットとして挙げられるのは手術自体が約30分と短く済むこと、身体の負担が少ないことであり、また言葉だけ見ると袋すなわち陰嚢ごと切除すると誤解されがちだが、実際は袋の中にある精巣だけを取り出すので外見上はそれほど違和感はなく、治療費も比較的安価で行えることである[61]
外科的去勢術(両側精巣摘除術)のデメリット
男性のシンボルである精巣を取り去ることは、仮に子供を作る予定がない人、あるいはその年齢をすでに大幅に過ぎている人でも心理的ダメージや抵抗感があり、これがデメリットと言える[61]。現在ではLH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストにより同じ効果が得られるため、外科的去勢術(両側精巣摘除術)は減少する傾向にある[61]

LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニスト

LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストとは、脳の下垂体に作用してLH(黄体化ホルモン)およびテストステロンという男性ホルモンの分泌を抑えて癌の進行を阻害する薬剤のことである。通常、脳の視床下部で作られるLH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)とは、下垂体にLHを作るように指令を出しており、LHは精巣にテストステロンを作るように働きかけるので、それにより前立腺癌の細胞が増殖することになる[61]。LH-RHアゴニストはLH-RHと構造が似ている薬で、継続的に用いると下垂体が常に刺激された状態になりLHを放出し続ける。そのため、治療開始後から約4日間はLHの分泌量が一時的に増加し、テストステロンの分泌量も増加する(フレアアップ現象)。だが、その後はLHが枯渇したような状態になり、精巣が刺激されなくなり、結果として精巣でのテストステロン生成が止まり、癌細胞の増殖が抑えられる[62]

LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストのメリット
外科的去勢術(両側精巣摘除術)と違って心理的ダメージを受けることがなく、手術のように痛みを伴わず、外来治療のみで簡単なことがメリットで、近年はこの治療方法が選択されることが多い[62]
LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストのデメリット
外来治療のため定期的な通院が必要であり、さらにそれに伴う経済的負担も大きいことがデメリットである[62]。治療効果としても外科的去勢術(両側精巣摘除術)とLH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストは同等であり、経済的、心理的、肉体的負担など多方面からどちらを選択するか慎重に検討することが必要である[61]。薬剤の副作用により高血糖が生じ糖尿病と糖尿病に伴う糖尿病性神経障害の発症例が報告されている[63]

MAB(CAB)療法

MAB(CAB)療法とは、Maximum/Combined Androgen Blockade、マキシム/コンバインド・アンドロゲン・ブロッケイド)療法のことである[64]。わかりやすく言えば、精巣と副腎からの男性ホルモンをブロックする療法で、LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストと抗アンドロゲン薬を併用する。

去勢抵抗性前立腺癌に対する内分泌療法[65]

上述のMAB(CAB)療法に抵抗性(去勢抵抗性前立腺癌)となった場合に、エンザルタミドアビラテロンの有効性がそれぞれ確認されている。エンザルタミドの有害事象には疲労感、食欲不振、脱力感、血小板減少、痙攣など(後二者はまれ)がある。アビラテロンの有害事象には肝機能障害、体液貯留、心血管障害などがある。どちらを優先して使用すべきかについては明確な答えがなく、患者の状態に合わせて使用される。

アパルタミド、ダロルタミドも認可されている。

化学療法[65]

化学療法とは抗がん剤治療のことである。上述のエンザルタミドやアビラテロンと並んで延命を目的に使用されることになる[66]。従来、化学療法だけは効果がないといわれていたが、2004年にアメリカで承認されたドセタキセルタキソテール)が2008年8月から日本でも使えるようになった。これは前立腺癌で初めて立証された抗がん剤である。通常、ドセタキセルにステロイド剤を併用する。従来はエストラムスチン(エストラサイト)が使用される場合が多かったが[66]、心血管系の有害事象が多いという問題があったため、近年ではTAX327試験の結果からプレドニゾロンを併用するのが標準となっている。

ドセタキセル抵抗性となった場合の化学療法として、TROPIC試験の結果からカバジタキセルが認可されている。ドセタキセルと同様、プレドニゾロンを併用する。発熱性好中球減少症の頻度が高いため、患者の状態によってG-CSFの一次予防が推奨されている。

抗がん剤のメリット
抗がん剤、すなわち化学療法では一定期間の延命や痛みの緩和は期待できる[67]
抗がん剤の副作用に関して
化学療法の場合、副作用の例が多い。高齢者には特につらく、このような場合は我慢せず自発的に主治医に相談することが必要となる。代表的な副作用として白血球と血小板の減少(骨髄抑制)で感染や出血しやすくなる。他に発疹などのアレルギー反応、吐気、口内炎下痢、味覚変化、筋肉関節の痛み、脱毛、痺れ、浮腫み、倦怠感、疲労感、食欲低下、乳房の膨大、静脈血栓塞栓症などがある[68][67]
抗がん剤のデメリット
抗がん剤は副作用が多いため、投与するのは初回のみで入院して副作用の出方を見る場合が多い。抗がん剤の点滴を終えると数日は体調不良になり、骨髄抑制による感染症予防のために外出なども制限しなければならず、体調が落ち着いてから次の投与となる[68]。また投与期間の間隔を開けたり投与を休む配慮が必要である[67]。抗がん剤は誰にでも効果が現れるわけではなく、約4割に効果が現れ、残りには効果が現れないといわれる。また効いても長い場合での延命期間は2年以上、通常では3か月ほどといわれる[67]。また80歳代後半の患者には副作用のある化学療法は避ける選択肢がある[69]

再発性前立腺癌の治療

最初の治療が前立腺全摘除術(手術)で、前立腺癌が再発した場合は放射線療法、内分泌療法、化学療法の3つの選択肢がある[70]。初回治療が放射線療法であった場合の再発では内分泌療法、化学療法の選択肢がある[70]

超音波治療器(HIFU)での治療

米国英国で前立腺肥大症に不適応とされたHIFU治療器が承認を受けずに臨床で使用されているのを受けFDAはFOCALサージェリー社に警告書を出した。同社は前立腺がんに対する治療もホームページで宣伝している。同機は日本国内で「前立腺肥大症」について薬事承認、「前立腺がん」について先進医療の承認を受けている。

再燃性前立腺癌の治療

最初の治療が内分泌療法の場合、前立腺癌が再燃すると根治療法は行わず化学療法を適用する[70]


注釈

  1. ^ 日本でPSA検査が普及し始めたのは、1990年ごろからであり、それ以前は前立腺酸ホスファターゼ (prostate acid phosphatase、略称:PAP) が用いられていたものの、感度は圧倒的に低かった。
  2. ^ びまん性に造骨性の骨転移を認め、PSA値も高値であり、臨床的には前立腺癌と考えられるが、種々の検査によっても、原発巣の悪性細胞を証明できない場合など。

出典

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