円積問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/25 15:22 UTC 版)
近代の近似作図法
円積問題の作図は不可能だが、π にごく近い数を構成することで、与えられた円の面積を任意の精度で近似する正方形を作図することは可能になる。与えられた有理数の長さを持つ線分を作図するのには初等的な原理しか必要としない一方、このような方法による作図は得られる近似精度に比べて効率の悪い煩雑なものになりがちである。
円積問題の作図が不可能だと証明された後にも、円の正方形化の美しい近似法(つまり、同程度の精度の近似法のうちで特に単純なもの)を見つけることに精力を傾ける数学者がいた。
近代の近似作図法として、アーネスト・ウィリアム・ホブソンが1913年に考案したものが挙げられる。これは比較的正確な作図法で、π の近似値として3.14164079….(小数点以下4桁まで正確である)を用いるものである。
小数点以下6桁まで正確な次の近似値を用いた作図が、1913年にインドの数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャン、1963年にC・D・オールズ、1966年にマーティン・ガードナー、1982年にはB・ボールドによって、それぞれなされている:
シュリニヴァーサ・ラマヌジャンは、1914年、小数点8桁まで正確な近似値
を用いた作図を見出した。
ロバート・ディクソンは、1991年、小数点以下4桁の精度にすぎないがコハニスキの近似といわれる次の近似を用いて作図した[3]:
注釈
- ^ 円周率を256/81=3.160493…とした場合に相当する。
出典
- ^ O'Connor, John J. and Robertson, Edmund F. (2000). The Indian Sulbasutras, MacTutor History of Mathematics archive, St Andrews University.
- ^ Heath, Thomas (1981). History of Greek Mathematics. Courier Dover Publications. 日本語訳はT・L・ヒース 『ギリシア数学史』平田寛・大沼正則・菊池俊彦訳(復刻版)、共立出版、1998年5月。ISBN 4-320-01588-6。
- ^ Kochanski's Approximation -- from Wolfram MathWorld
- ^ square the circle weblio
- 1 円積問題とは
- 2 円積問題の概要
- 3 近代の近似作図法
- 4 喩えとしての用法
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