全日本空輸 運航機材

全日本空輸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/19 02:28 UTC 版)

運航機材

ボーディングミュージック(搭乗・降機時BGM)

2002年以降、ANAグループの便ではボーディングミュージック(搭乗・降機時BGM)は葉加瀬太郎の『Another Sky』を採用している。これはANA50周年に合わせ書き下ろされたイメージソングで、10年後の2012年には『Another Sky~ANA 60th Anniversary Version』が新たに制作され期間限定で使用された。現在使用されているバージョンは三代目(『Symphonic Another Sky』)で、2018年12月1日から使用されている[56]

国内線

2022年10月30日現在、エア・ドゥソラシドエアスターフライヤーアイベックスエアラインズオリエンタルエアブリッジ日本エアコミューター天草エアラインとコードシェア(共同運航)を実施している[57]

定期便就航地

ANAグループ全体[注釈 5]での就航地を記載。

季節運行便・コードシェア便も記載。※印はコードシェア便のみ就航する空港、〇印は季節運航便の就航空港。×印は貨物の取扱なし。

太字はANAグループの拠点空港(ハブ空港)。斜字は焦点空港。

座席

プレミアムクラス

プレミアムクラスシート(福岡空港における展示)。新型のシートで、順次導入・置換されている。
B787-8「ANA BUSINESS CRADLE」本来は国際線ビジネスクラスシートであるが、当該機材が国内線で使用されている場合もある。予約の際の表記は78Mである。

2008年4月に導入された国内線上位クラスで、同年3月までの『スーパーシートプレミアム』およびそれ以前に存在した『スーパーシート』と同等のクラスである。他社で言うところの、日本航空におけるクラスJの設定便数の多さとファーストクラスの上質とされるサービスを足し合わせたような内容である。設定座席数は各機種で異なっており、現在、DHC8-Q400を除くすべての国内線機材に設定されている。因みに国際線仕様のボーイング787-8、ボーイング767-300ER、エアバスA320neoが充当される便ではビジネスクラス座席がプレミアムクラスとして割り当てられることもある。

シートピッチは50インチ(ボーイング787-8の一部の機材は57インチ)である。座席の種類は、ボーイング767-300で使用されるもの、ボーイング777で使用されている先代のスーパーシートプレミアムと同様のもの(座席表地の色はほかのプレミアムクラスと同一)、ボーイング737で使用される座席にAC電源および読書灯が内蔵されているもの、ボーイング787で使用される暫定的に国際線ビジネスクラス用座席を装備するもの、2012年に受領したボーイング777-200ER新造機(国内線仕様)から導入された本革素材の新デザインのもの[58]の5種類がある。かつて運用されていたボーイング747-400D型機では、767-300型機と同タイプのシートを、シートピッチ45インチで配置していた。新デザインの座席は2013年11月現在、ボーイング787とボーイング737-800にも装備されており、他の機材についても順次更新をすることが発表されている[58]

各空港にあるANAラウンジを無料で利用でき、羽田・伊丹・新千歳・福岡の各空港には優先的に利用できる保安検査場が設定されている。また、機内預かりの荷物は40kgまで無料となっているほか、搭乗・返却時の取り扱いが(一般客に先んじて)優先的に案内される。

機内での喫食の提供については、時間帯や出発地[59]、または到着地[59]で調整された機内食、一部幹線路線、機材においてはホットミールも提供する。軽食は朝食メニューからスープ等の汁物を省いて、持ち帰り可能な茶菓子に代えられる。飛行時間が短い路線では茶菓子と飲み物のセットメニューを提供する。飲み物はソフトドリンクをはじめ、国際線ビジネスクラスで提供するような高価なアルコール飲料、ビールなどが無償でサービスされる。

運賃は『プレミアム運賃』と称した普通運賃より高めのものが設定されており、割引運賃として特割・旅割28のプレミアムクラス用設定の『プレミアム特割』『プレミアム旅割28』も存在する。また、普通席を予約している旅客においては2018年3月31日までは当日空席がある場合に限り、カウンター等で追加料金9,000円[60](2015年3月から。それ以前は8,250円、2014年3月まで8,000円、2012年9月搭乗分までは7,000円)を負担することでアップグレードが可能であった。

2018年4月1日からは、ANAマイレージクラブ会員のみ搭乗日の2日前からアップグレードの予約を受け付けるとともに、アップグレード料金が一律料金では無く路線ごとに料金が変り、東京-九州・沖縄路線や東京-新千歳、東京-大阪などの一部の遠距離・高需要路線は高く、そうでない路線は従来より低い金額が適用されるようになった[61]

普通席(国内線)

普通席(ボーイング737-800NG

国内線の普通席は2005年以降、ボーイング747-400、エアバスA320、ボーイング737-500(一部リース機は除く)およびターボプロップ機以外で従来より背もたれ部を薄くした座席に順次取り換えられている[62]。なお、ボーイング737-800で使用されるもののみ座席表地の色がほかの機材と異なっているほか、ヘッド部分のクッションがないという相違点がある[63]。これまで一般的に座席の下部にあったシートポケットを背面テーブルと同じ位置に移動させたため、従来の座席よりも足元の空間が広くなった。また、旧型座席にはかつて喫煙席を設定していた名残から肘掛けに灰皿を装備していたが、1999年に機内が禁煙となったため、新型座席には灰皿が設置されていない。なお、2011年に導入されたボーイング787-8の暫定国内線仕様機においてはシートモニターが標準装備されている。2012年以降に新規導入されるボーイング777-200ERより順次、従来より軽量の新型座席が導入[58]されており、ボーイング787-8国内線仕様機にも導入されている。

SKiPサービス

2023年の3月31日をもって終了した国内線搭乗サービス。 航空券の発行を省略した電子航空券によるチケットレス搭乗サービスであり、QRコードまたは、ANAマイレージクラブ会員の場合はIC付き会員カードかおサイフケータイ対応の携帯端末での利用が提供されていた。

機内サービス

2010年4月から「ANA My Choice」と銘打った有料での機内サービスを拡充し[64]、おつまみ付きアルコール飲料の販売、有料ではあるがより上質とされる飲料が販売されるほか、プレミアムクラス設定便では普通席でもプレミアムクラスの昼食・夕食を購入でき[注釈 6]、さらに沖縄便限定でサンドセットなども有料で提供している。また、カップうどん[注釈 7][注釈 8]の販売やハーゲンダッツアイスクリーム[注釈 8]の販売開始。一方で、2010年4月から普通席で無料で提供される飲料は水と日本茶(冷・温)のみに縮小されたが[64]、のちに格安航空会社への対抗から、無料の飲料メニューは追加され、アップルジュース、2012年6月からコーヒー(同時に、有料だったスターバックスコーヒーの販売は取りやめ[65])、2013年4月1日からビーフコンソメスープの無料提供を再開した。

他の航空会社に先立ち、普通席での新聞貸出は2010年1月4日に廃止されている[66]。また、全てのクラスにおいて、機内誌「翼の王国」は希望者のみにしか配布されなくなった[67][68]

2017年10月29日からヘッドホンがヘッドバンド型からインナーイヤー型に変更された。ヘッドバンド型は座席前の収納ポケットに置いてあったが、インナーイヤー型に変更後は、搭乗改札を通過後イヤホンが入っているカゴから取る又は機内で貰う。インナーイヤー型は持ち帰りができる。

Wi-Fi サービス

国内線のWi-Fi サービスは2016年1月25日より開始された[69]。システムは、米パナソニックアビオニクス製の航空機内インターネット接続サービス「eXConnect」と、航空機内衛星テレビサービス「eXTV」 を採用。「ビデオプログラム」、「電子書籍」、「オーディオプログラム」、「ANA SKY LIVE TVサービス」のエンタテイメントコンテンツは無料で提供され、機内インターネット接続サービスは、当初は有料で40分接続できる550円のプランと時間無制限の1050円のプランがあった[70]が、2018年4月から無料化された[71]

2018年度末までに、国内線機材約100機にWi-Fi機器を導入予定で、2017年末現在は約70機に導入済み。対象機種は、ボーイング777-300・787・エアバスA321・A320(32P)と一部のボーイング777-200・767・737-800。ただし、ボンバルディアDHC8-Q400ではインターネット接続やテレビ番組の視聴は出来ず、ビデオ番組とオーディオ番組、電子書籍サービスのみ利用できる。なお一部のボーイング777-200にはWi-Fi機器が導入されていない[72]

国際線

就航路線

2024年4月1日現在。コードシェア便による就航路線は除外する。〇印は季節運航便または繁忙期限定便。
自社国際線路線を開設している国内の空港は東京国際空港(HND)・成田国際空港(NRT)・関西国際空港(KIX)の3空港である。
中部国際空港(NGO)でもかつては国際線を運航していたが、新型コロナウイルス感染症香港における民主化デモなどの煽りを受けて全ての路線が運休となり[74][75][76]、今後の再開に関してもも未定としている。2024年現在はコロナ禍から需要が急速に回復しているが、ANAはまず羽田空港路線の再開に主眼を置く方針を取っており、同時に不採算路線を削減することも検討している[77][78]
ANAは社歴的に中国大陸路線への依存度が高く[79]、関西国際空港で残る数少ない国際路線も中国大陸との路線である。
東京国際空港(羽田空港)発着の国際線は発着枠の拡大に伴い、2020年より第2ターミナルと第3ターミナル双方にに振り分けられた[80][81]が、新型コロナウイルス感染症の煽りを受けて第2ターミナル運用が一時休止され[82]、2023年7月より第2ターミナルの国際線運用を再開した[83]。ANAの羽田国際線は将来的には第2ターミナルに集約する見込みである[84]
2024年現在でも、新型コロナウイルス感染症及びロシアによるウクライナ侵攻の影響が残っており、ロシア路線を中心に多数の運航計画変更が発生している。

  日本
  2024年1月現在の就航地
韓国
台湾
中国
香港
フィリピン
 ベトナム
タイ
マレーシア
シンガポール
インドネシア
インド
トルコ
イギリス
フランス
ドイツ
ベルギー
 オーストリア
イタリア
 スウェーデン
アメリカ合衆国
カナダ
メキシコ
オーストラリア


  • 開設延期中の路線[86]
ロシア
アメリカ合衆国


  • 運航休止中の路線[86]
中国
香港
台湾
カンボジア
ミャンマー
インド
ドイツ
ロシア
アメリカ合衆国

機内クラス

ファーストクラス
国際線就航時から長距離便を中心に設定されており、新しいコンセプトのファーストクラスは、ボーイング777-200ERのCLUB ANA「スーパースタイル」と同時に導入され、炊き立てのご飯を提供するサービスや「ザ・快食」(好きなときに好きな食事をとれるア・ラ・カルトサービス)、フルフラットシートの導入が開始されたのもこの頃である。
2002年には「New Style, CLUB ANA」実施と同時に導入された「New First Class」が採用され、ボーイング747-400とボーイング777-300ERに装備され、全席ソロシート、フルフラットシートとなっている。大型の羽毛布団・ベッドパッドが用意され、快適な睡眠を行えるよう配慮されている。
2010年よりボーイング777-300ERの新造機に半個室型シートの「ANA FIRST SQUARE」が導入された。
2019年に導入されたエアバスA380には新シートを導入し、引き戸付きの個室に32インチの大型液晶ワイドスクリーンを導入した[87]
また、2019年投入のボーイング777-300ERにはドア付個室型シートに43インチ4K対応大型モニターを装備した「THE Suite」を導入した[88]
  • ANA ボーイング777-300ERファーストクラス
  • 国際線ファーストクラスの定員は8名
  • ビジネスクラス
    ビジネスクラス導入時には、他社がボーイング747-200で横7列、もしくは8列が標準であった中で、世界的にも数少ない横6列で運航を始めたが、1991年に導入した本格的なビジネスクラス「CLUB ANA」では、ボーイング747-200/-400で横7列と競合他社と同じものに戻した。同時に50インチのシートピッチや、AVOD(オーディオ・ビデオ・オン・デマンド)対応のシートテレビ、ビジネスコーナーの設置などサービス拡充を進めた。
    2002年には「New Style, CLUB ANA」を導入、電動ライフラットシートや一皿一皿サーブするコーススタイルの機内食を採用し、これを機に、機内食の食器を全て一新し、プラスチック製ではなくレストラン料亭でみられるような陶器とされた。
    詳細はCLUB ANAを参照。
    2010年以降よりボーイング777-300ER(新造機)、ボーイング767-300(新造機)、ボーイング787-8には新しい座席が導入された。現在、エアバスA380やボーイング777-300ER(一部を除く)、ボーイング787-10、ボーイング787-9、ボーイング787-8(長距離国際線仕様)はスタッガード配列のフルフラットシート「ANA BUSINESS STAGGERED」を導入、ボーイング767-300ERの新造機とボーイング787-8(中短距離国際線仕様)はクレードル式シート「ANA BUSINESS CRADLE」が導入されている[89]
    2019年導入のボーイング777-300ERからは、シートを刷新した「THE Room」を導入。ドア付き個室タイプの座席に24インチ4K対応大型モニターを装備した[88]
  • ANA ボーイング777-300ERビジネスクラス
  • 長距離路線のビジネスクラスは全席通路に面したスタッガード配列のフルフラットシート
  • ANA ビジネスクラス THE Room
  • THE Roomのシートモニター
  • プレミアムエコノミー
    2002年に「New Style」のサービスと同時に導入された。世界でもプレミアムエコノミーの導入例が少ない中での導入だった。2019年現在、ボーイング777-300ER、ボーイング787-8(一部)、ボーイング787-9、ボーイング787-10、エアバスA380型機に14 - 73席設置されている。主に、エコノミークラス普通運賃利用者や、マイレージ上級会員が対象となる。機内食はエコノミークラスと同様だが、空港では優先チェックインラウンジ利用、機内ではパソコン電源付きの大型シートやアメニティグッズのサービスが行われている。
    2010年にボーイング777-300ERの新造機に、可動型大型デバイダーなどを備えた新型プレミアムエコノミーシートを導入する予定[90]だったが撤回され、2012年より新デザインの新型プレミアムエコノミーシートがボーイング777-300ERの機材にも改修され導入が進んでいる。
  • 長距離路線従来タイプのプレミアムエコノミークラス。新座席への改修が進んでいる
  • エコノミークラス
    キャセイパシフィック航空シンガポール航空と同様に、1990年後半からエコノミークラスにもシートテレビを設置するようになった。2021年現在では、国際線機材には全席シートテレビが搭載されている。さらに2009年以降に新造機で受領したボーイング777-300ERやボーイング767-300ERにはシートテレビ(AVOD)だけでなく、パソコン電源・iPod接続端子・USB接続端子が全席・全クラスに設置されている。
  • 長距離路線のエコノミークラスは、3-4-2の変則配置で様々なグループに対応している。
  • ANA COUCHii(ANAカウチ)
    エアバスA380型機材にてANAが運航する成田=ホノルル線メインデッキのエコノミークラス最後方区画の71列目以降6列60席をANA便名航空券番号でエコノミークラス運賃への追加料金支払い205から始まる航空券で利用可能[91]、区画のシートピッチが32インチ(約81.2cm)と、エコノミークラスの通常席の34インチ(約86.4cm)より狭くなっている[92]。カウチシートの旅客機サービス自体は同じアライアンスのニュージーランド航空スカイカウチとして商標登録していて、今回の導入に協力をして貰っているニュージーランド航空のスカイカウチは基本エコノミー前方窓側で追加料金を徴収している[93]

    サービス

    Wi-Fi サービス

    Wi-Fi サービスは2014年3月よりOnAir社の機材を導入し「ANA Wi-Fi Service」という名称で開始[94]。サービス開始当初は5MBプラン(6米ドル)、10MBプラン(12米ドル)、20MBプラン(24米ドル)の3つの料金プランが用意されていたが、最大のプランでもデジカメの写真数枚送っただけで使い切ってしまうほど少なかった。特にOSのアップデートなどが始まってしまった場合、何もできないまま使い切ってしまうなど、評判は非常に悪く、2015年8月には料金体系を変更しフルフライトプラン(100MB)を追加[95]。 これと前後して、2015年5月からボーイング787新造機を皮切りに、パナソニック アビオニクス製の機材による「ANA Wi-Fi Service 2」が展開開始[96]され、時間制のサービスも行われるようになった。 2018年4月からは、国内線の機内Wi-Fiをすべて無料にしたこともあって[97]、国際線は2018年6月11日から、ファーストクラスについてだけは無料となった[98]


    注釈

    1. ^ 元々は2009年11月から機内サービスなどのプロダクト・サービスブランド「Inspiration of Japan」として使用されていたもので、2013年9月からタグラインとして設定された[8]
    2. ^ 当時使用していたベル47D-1の1機は現存し、訓練センターに保管されている[21]
    3. ^ 関空-ホノルル線は現在は撤退済み
    4. ^ 最後の「全日空 All Nippon Airways」ロゴマークはB747-481のJA8966であった。
    5. ^ 全日本空輸及びANAウイングス。
    6. ^ 事前の予約が必要。プレミアムクラスで予備で仕入れたものを、余裕がある場合に限り、数量限定という形で提供していた。プレミアムクラス設定便であっても取り扱ってないケースがある。
    7. ^ 普通席では安全を考慮し、客室乗務員が熱湯を注ぐことが禁じられたことから、乗客にお湯入りの水筒を手渡して、販売した。
    8. ^ a b 主に沖縄路線限定で販売していた。
    9. ^ ドジャース所属選手の内、大谷翔平は同業会社の日本航空との間でサポート契約を締結しているため、大谷個人で移動する場合は日本航空機を、ドジャースのチームとして移動する場合は全日空機を利用することになるとしている。

    出典

    1. ^ エア・ドゥとのコードシェアで乗り入れ。
    2. ^ スターフライヤーとのコードシェアで乗り入れ。
    3. ^ オリエンタルエアブリッジとのコードシェアで乗り入れ。
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