全国花火競技大会 概要

全国花火競技大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 05:18 UTC 版)

概要

打ち上げ終了後に観客と花火師達の間で行われる「エールの交換」(2018年)

日本煙火協会が後援し、かつ内閣総理大臣賞が与えられる花火大会は全国で当大会(2000年平成12年)〜)と土浦全国花火競技大会茨城県土浦市、2000年(平成12年)〜)の2大会のみであり、当大会が日本国内では最も権威のある競技大会である。会場対岸には姫神山、福伝山などがあり、それらの山に反射する音と花火観覧の邪魔になる光がないこともこの大会の自慢の1つである。1910年明治43年)に奥羽六県煙火共進会として始まり、第二次世界大戦などによる中断を経て2018年(平成30年)で92回目の開催となった。

競技は、17時頃に開始される昼花火の部と、19時頃から開始される夜花火の部からなる。規模は夜花火の部のほうが大きい。昼花火の部は5早打ち5発、割物または煙竜。夜花火の部は10号玉の部と創造花火の部で競われる。10号玉の部では10号玉2発が打ち上げられる。1発目は三重芯以上の芯入割物で、座り(最高点に達したときに開いているかどうか)、盆(真円であるかどうか)、肩(満遍なく放射状に広がっているかどうか)、消え口(星が一斉に消えるかどうか)、配色などの基準で審査される。2発目の自由玉は、1発目の芯入割物と重複しないことが条件となっている。創造花火は「花火は丸い」という概念を破り創造性を追求する。したがって、形は従来の丸型にこだわることなく三角でも四角でもよい。最近、他の花火大会でも笑顔やアニメキャラクターやヒマワリ、麦わら帽子、サングラス、時間差花火がお馴染みのものになったが、このような創作花火はこの全国花火競技大会が発祥とされている。テーマをもうけて2分30秒以内で形態、色彩、リズム感、立体感などの創造性を審査する。主流は速射連発(スターマイン)だが、8号玉早打ちでも良い。総合優勝者には内閣総理大臣賞、創造花火の部優勝に経済産業大臣賞、10号割物の部優勝には中小企業庁長官賞、昼花火の部優勝に大会会長賞が与えられる。また特別賞で文部科学大臣奨励賞がある。2010年(平成22年)には100周年を記念して100周年記念花火が打ち上げられた。また、第85回大会(2011年)から、前年の大会で内閣総理大臣賞を受賞した花火師による「エキシビジョン花火」が打ち上げられている。さらに夜花火の部では、各プログラムの合間に、協賛企業による「仕掛け花火」や「特別提供番組」などのプログラムが実施される。

競技会の合間にテーマに合わせて打上げられる、ワイドスターマイン「大会提供花火」は毎年大変な人気で、各回ごとに異なるテーマを掲げて大曲花火協同組合青年部が1年かけて製作する。「大会提供花火」は幅500〜900メートルに及ぶワイドスターマイン。1セットのスターマインではなく一列に並んで何カ所も打ち上げられ、音楽に合わせて約5〜7分にわたり壮大な打ち上げを行う。フィナーレの速射連発、数カ所からシンクロで上がるトラの尾、一斉に上がる銀冠・錦冠は圧巻。ドイツハンガリー台湾韓国など、海外でも「大会提供花火」の名で打ち上げられた。そのほか、夜の部オープニングの500メートル(2017年から700メートルに拡幅された)ナイアガラ付スターマイン、打ち上げ終了後に観客がライトを振って花火師に感謝を伝える「エールの交換」などが名物となっている。【ちなみに、競技玉は作った本人が打ち上げなければならない。また安全面から花火の火の粉が消えずに地面に触れたら減点などの細かな基準があり、このことからもこの大会が日本のトップクラスの競技会であるといえる。】


  1. ^ a b c “<大曲の花火>8月22日開催 有料席抽選へ”. 河北新報. (2015年7月4日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201507/20150704_45005.html 2015年11月27日閲覧。 
  2. ^ 全国花火競技大会「大曲の花火」オフィシャルサイト|大曲商工会議所”. 大曲商工会議所. 2015年11月28日閲覧。
  3. ^ “第63回伊勢神宮奉納全国花火大会 全国の花火師入魂の花火、秋の夜空に”. 伊勢志摩経済新聞. (2015年9月13日). http://iseshima.keizai.biz/headline/2404/ 2016年3月6日閲覧。 
  4. ^ “大曲工「花火打線」で逆転 秋田県勢9年ぶり勝利”. 日刊スポーツ. (2015年3月25日). https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1451560.html 2015年11月28日閲覧。 
  5. ^ a b 大曲の花火 遠来の車「高速1000円」で交通量過去最高河北新報 2009年平成21年)10月21日
  6. ^ 2011年平成23年)3月31日ハイビジョン専門チャンネルの放送を終了し、BS12の完全デジタル一本化へ移行のため。
  7. ^ ラジオを携帯して...大仙市より
  8. ^ 2010年(平成22年)現在、抽選制であり、そのような行為による抽選権は認められない。
  9. ^ 3.携帯・ラジオ情報を活用してアクセス 大曲花火アクセスnavi
  10. ^ 注意事項 〜会場にお越しの際は必ずお読みください。〜 全国花火競技大会「大曲の花火」オフィシャルサイト
  11. ^ 観客以外でも運営やその他の移動などの総動員を見積もると1日の短時間には100万人程度になるともいわれ、これは秋田県の総人口を上回る。
  12. ^ 秋田魁2008年7月29日付より
  13. ^ 当日は8:55から17:55までのローカル枠(通常は東京や仙台からの放送)がすべて秋田放送局からの駐車場の空き情報、JARTIC秋田センター発の交通情報と秋田県の天気予報に差し替えられる。
  14. ^ 2010年代の前半までは日中は駐車場の空き情報を随時放送し、大会の終了後はオールナイトニッポンの1部の時間まで秋田自動車道国道13号国道105号の渋滞情報をCMフィラーや音楽のコーナーに随時放送していたが、現在は廃止されている。放送していた当時はABSの自社告知や魁新報などで放送時間の告知を行っていた。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「全国花火競技大会」の関連用語

全国花火競技大会のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



全国花火競技大会のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの全国花火競技大会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS