儒教
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制度・習慣
礼儀
子曰く、「詩に興り、礼に立ち、楽に成る。」孔子曰く、「礼に非ざれば視ること勿かれ、礼に非ざれば聴くこと勿かれ、礼に非ざれば言うこと勿かれ、礼に非ざれば動くこと勿かれ。」周礼は五礼て、つまり吉礼、凶礼、賓礼、軍礼、嘉礼です。吉礼によって国家の天神、祖霊、地神を祭り、凶礼によって国家の苦難を哀憚し、救う。賓礼によって周王室と他国あるいは国家間を友好親善たらしめ、軍礼によって国家同士を協調させ、嘉礼によって万民を互いに和合する[7]。五礼のうち、とくに吉礼(祭祀)、凶礼(喪葬)、嘉礼(冠婚)などを中心として取り上げ、殷周信仰や古来の習俗。
周礼 | 解説 | 名系 |
---|---|---|
吉礼 | 天地鬼神の祭祀(邦国の鬼神につかえる) | 郊祀、大雩、朝日、夕月、祓禊 |
凶礼 | 葬儀・災害救済(邦国の憂いを哀れむ) | 既夕礼、士虞礼 |
賓礼 | 外交(邦国に親しむ) | 士相見礼、燕礼、公食大夫礼、覲礼 |
軍礼 | 出陣・凱旋(邦国を同じくする) | 大射、大儺 |
嘉礼 | 冠婚・饗宴・祝賀(万民に親しむ) | 飲食之礼、婚冠之礼、賓射之礼、饗燕之礼、脤膰之礼、賀慶之礼 |
冠服制度
『論語』に「顔淵、邦を為めんことを問う。子曰く、夏の時を行ない、殷の輅に乗り、周の冕を服し、~(顔淵は国の治め方について聞いた。孔子は言った、夏王朝の暦を使い、殷の輅と呼ばれる車に乗り、周の冕という衣装を着て、~)」という記述がある[8]。孔子が、周の冕(祭礼用の服)を模範としているのだ。また、同じ論語の泰伯篇には、普段の衣服を質素にする代わりに祭礼用の衣服(黻冕)を豪華にした禹王を褒めている[9][出典無効]。易経に、「黄帝堯舜衣裳を垂れて天下治まるは、蓋し諸を乾坤に取る(黄帝と堯と舜が天下を治めた時は、その衣装のデザインを天地の色に倣った)」[10] とある。乾とは天、坤とは地の事であるから、乾坤とは天地を意味している。では天地とは何色であるのだろうか。『周易』坤卦に「天は玄にして地は黄」とある。つまり、天の色は赤黒(玄)く、地の色は黄色いとされていたのだ。ゆえに、祭礼用の衣装である冕服(袞衣)の衣(上半身)は赤黒く、裳(下半身)は黄色くされていたのである。また、『書経』には虞皇の衣服についても書かれている。日 月 星辰 山 龍 華虫 宗彝 藻 火 粉米 黼 黻の十二である。それが『輿服制(車に乗る時用の衣服)』の始まりである。この冠服制度は“礼制”に取り入れられ、儀礼の表現形式として中国の衣冠服制度は更に複雑化していく。衛宏『漢旧儀』や応劭『漢官儀』をはじめとして、『白虎通義』衣裳篇や『釈名』釈衣服、『独断』巻下、『孔子家語』冠頌、『続漢書』輿服志などの中に、漢代の衣服一般に関する制度が記録されているが、それらはもっぱら公卿・百官の車駕や冠冕を中心としたものである。『儀礼』士冠礼・喪服や、『周礼』天宮司裳・春宮司服など、また『礼記』冠儀・昏儀などの各篇は、周代の服装に関する制度である。
孔子廟
中国では現在においても、孔子を崇敬する人は多い。中国の各地に孔子を祭る廟がある。これを文廟といい、孔子廟・孔廟・夫子廟ともいう(特に魯の故地の孔子の旧居跡に作られた孔廟が有名)。中国国内の孔子廟の多くは文化大革命時に破壊されたり損傷を受けている。
日本でも、江戸時代に、幕府が儒教(特に朱子学)を学問の中心と位置付けたため、儒教(朱子学)を講義した幕府や各藩の学校では孔子を祀る廟が建てられ崇敬された。湯島聖堂が、その代表である。
注釈
出典
- ^ 『礼記・中庸』
- ^ 荘子天運篇
- ^ 朱子・語類巻14より。これは即ち、四書の読み順まで記している。(儒教の世界観においては)天から与えられた至徳を明らかにする事、知を致し物に格る。中こそは天下の大本であり、和こそは天下の達道である。中と和を極致に達せしめた時、天地の秩序は定まり、万物は生成発展する。儒教の目的とその目的達成への目標が掲げられたのが「三綱領」・「八条目」であり、朱熹は道統論を唱え自らの「学」の正当性を主張した。堯舜孔孟に「御目にはかかわらずとも、あの道理が心へ来れば道統、朱子の理与心と云はるるが大切の事なり。孟子の後あとの賑かな漢の経術に斯く云は見て取たるに極まる。偖、文章は下卑たこと。孟子と文選幷べたときに、文の上では腕押しなり(=孟子を文選の上位に置く事は愚かしき事)。韓氏が見て、孟子の後道を得たもの無し、と。そこで程子のみ来て、非是蹈襲前人云々なり。道統は中庸の心法、それは大学の事。其致知がすま子ば道統は得られぬ。」
- ^ 土田健次郎『儒教入門』(新)東京大学出版会、2011年12月19日、29頁。ISBN 978-4-13-013150-6。
- ^ 孔祥林『図説孔子』(新)科学出版社〈国書刊行会〉、2014年12月22日、113頁。ISBN 978-4-336-05848-5。
- ^ 高畑常信『中国思想の理想と現実』(新)木耳社、2014年10月6日、31頁。ISBN 978-4-8393-7187-6。
- ^ 『周礼・春官宗伯』
- ^ 論語 衛霊公第十五 10
- ^ 『論語』の泰伯篇
- ^ 『易経 下繫辭傳』 Archived 2012年3月13日, at the Wayback Machine.
- ^ 胡適論文「説儒」(1924年)
- ^ 白川「孔子伝」
- ^ 『史記』孔子世家
- ^ a b 『世界哲学史2』(ちくま新書、2020年)119-121ページ
- ^ a b 『世界哲学史2』121-123ページ
- ^ 湯浅邦弘『概説中国思想史』(新)ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ書房〉、2010年、87頁。ISBN 978-4-623-05820-4。
- ^ 吾妻重二『宋代思想の研究』(新)関西大学出版部〈遊文舎〉、2009年3月18日、72頁。ISBN 978-4-87354-468-7。
- ^ 湯浅邦弘『概説中国思想史』(新)ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ書房〉、2010年10月25日、116頁。ISBN 978-4-623-05820-4。
- ^ 湯浅邦弘『概説中国思想史』(新)ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ書房〉、2010年10月25日、264頁。ISBN 978-4-623-05820-4。
- ^ 園田茂人 『不平等国家 中国--自己否定した社会主義のゆくえ』 中央公論新社、2008年5月25日、177-178頁。ISBN 9784121019509
- ^ What can we learn from Confucianism? Daniel A Bell guardian.co.uk, Sunday 26 July 2009]。 2006年の記事
- ^ 黄俊傑; 阮金山 (2009). “〈越南儒學資料簡介〉” (中国語). 《台灣東亞文明研究學刊》 12: 221-226. オリジナルの2014-10-21時点におけるアーカイブ。 2019年3月3日閲覧。.
- ^ 朱子学の伝統は現代社会の危機を救える | ハフポスト LIFE
- ^ 子安室邦 1993「儒教にとっての近代J 『季刊 日本思想史』 41号
- ^ 奥谷 浩一「丸山眞男の日本思想史論の問題点」『札幌学院大学総合研究所紀要』p.63
- ^ 永井 和「戦後マルクス主義のアジア認識」
- ^ 吉本隆明の183講演 - ほぼ日刊イトイ新聞 〈アジア的〉ということ
- ^ a b c 大橋松行「東アジアにおける近代化と儒教倫理」『佛教大学総合研究所紀要』第6号、佛教大学総合研究所、1999年3月、79-89頁、ISSN 1340-5942、NAID 120007022442。
- ^ 「中世ジャップランド」と「ヘル朝鮮」──SMAPとJYJで繋がった日韓のネットスラングの共通性(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
- ^ 湯浅赳男『面白いほどよくわかる 世界の哲学・思想のすべて』日本文芸社、平成17年2月1日改訂第1版、ISBN 4-537-11501-7、p72
- ^ 加地伸行 『沈黙の宗教-儒教』 筑摩書房〈ちくまライブラリー〉/ 改訂版・ちくま学芸文庫、2011年
- ^ 孔子まつる那覇の施設 使用料免除は憲法違反 最高裁大法廷 | 憲法 | NHKニュース
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