偵察機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/09 03:59 UTC 版)
偵察機(ていさつき、英:reconnaissance aircraft)は、敵性地域などの状況を把握するために偵察など情報収集を行う軍用機(航空機)のひとつ。基本的に軍隊で軍用機として運用される事が大半だが、なかには情報機関や準軍事組織が運用するものもある。
注釈
- ^ 航空偵察と衛星偵察の比較においてはそれぞれに一長一短がある。偵察衛星は大気の抵抗の影響で最低でも高度約150㎞程度確保しなければならないのに対し、航空偵察ではU-2で高度21km、MQ-1プレデターで高度7.6kmで運用される。偵察衛星は軌道の高度が高く、被撃墜などの恐れがほぼなく安全性が高い。また画像偵察衛星とレーダー偵察衛星を併用すれば偵察対象上空の気象条件に左右されず、また夜間も運用できる。しかし偵察衛星は航空偵察よりもはるか上空で運用され偵察対象物との距離が遠いため画像の解像度がどうしても劣ってしまう。また滞空できないため連続監視ができない。また衛星打ち上げロケットや巨大な通信設備などが必要で、システム全体が大きく高価であることが欠点であり、運用できる国はおのずと限られる。衛星偵察、航空偵察に関わらずシステムが完全運用される以前に偵察対象国が擬装工作を行った施設をいったん完成させてしまうと、目標を発見することが非常に困難となる。しかし偵察システムがいったん機能し継続的に運用されれば、そのような偽造工作をしても土砂などのボタ山や工事車両の出入りなどの痕跡から施設の有無を特定することは可能である。現在の技術では衛星でも航空機でも直下だけでなく斜めからの撮影は可能である。航空偵察の利点は、連続して監視が可能な点、高解像度の画像の取得が容易な点に加え、衛星と比べはるかに大きなペイロードにより、大きく重い監視装置を搭載できる点にある。
- ^ 飛行機(軍用機)は戦車・潜水艦などとともに同大戦において本格的に運用された新兵器であった。
- ^ 東京帝大航空研究所の航研機操縦者として、1938年(昭和13年)に国際航空連盟公式認定の周回長距離飛行世界記録を樹立した。
- ^ なお、日本陸軍はほかに戦術偵察機として九九式軍偵察機や九八式直協偵察機を開発・運用している。
出典
- ^ “旧海軍偵察機、静かに歴史語る「彩雲」の垂直尾翼展示 三沢航空科学館”. 河北新報オンラインニュース (2017年11月15日). 2018年1月25日閲覧。
- ^ “レイテ沖“史上最大の海戦” 迫る無数の魚雷の影、沈みゆく艦に敬礼…“囮”重巡洋艦「最上」乗員の証言”. 産経WEST (2018年1月5日). 2018年1月25日閲覧。
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