体操 体操の概要

体操

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 18:05 UTC 版)

体操の各種目
つり輪あん馬鉄棒
床運動平均台段違い平行棒
跳馬平行棒新体操

元来極めて広い概念であり、ギリシャ語のGymnastikは走・跳・投やレスリングパンクラチオンなどの運動の総称で、身体運動のほかに入浴、塗油、マッサージなども含めた身体の手入れの意味であった[1]

フィットネスウエルネスのような用語も、かなり広くとらえた概念で、ウエルネスは生活科学として運動を適宜日常生活に取り入れながら、健康的に日々の暮らしを送ろうと言う主旨で提唱された概念である。

体操の分野

国際体操連盟(Fédération Internationale de Gymnastique:略称FIG)は体操の以下の6分野の運営を行っている。

  • 一般体操(General Gymnastics:GG)競技をしないすべての体操を指す。
  • 体操競技(Artistic Gymnastics:男子はMen's Artistic Gymnastics(MAG)、女子はWomen's Artistic Gymnastics (WAG)と分けられている)
  • 新体操(Rhythmic Gymnastics:RG)
  • トランポリン(Trampolining:TRA)
  • スポーツアクロ体操(Sports Acrobatics:ACRO)
  • スポーツエアロビクス(Sports Aerobics:AER)

2018年からFIGは以下の分野も始める。

一般体操以外は全て順位を決める競技性のあるスポーツである。

日本の体操の国内競技連盟である財団法人日本体操協会(Japan Gymnastic Association:略称JGA)・一般体操委員会は日本体操祭を主催しているが、その出場団体の選考条件には

  • 一般体操の演技内容が、総合性、律動性、独創性、あるいはテーマや指導的な内容をもち、 社会的に評価される団体であること。
  • 特に、一般体操の独創的な工夫がみられる演技内容が少しでも認められる団体であること。
  • 体操競技、新体操、スポーツアクロ体操、エアロビクスなどの競技形式をとらない演技内容であること。
  • 日本体操協会の一般体操の考え方である「一般体操は、あらゆる年代に適し、健康を促進するための身体的、精神的、社会的、また、文化的な側面に貢献し、自主的に楽しく動く体操である。」の趣旨に相応しい活動をしている団体であること。

とあり、技術的な制約は全くない。技術的な制約がない運動を分野として取り込んでいることが、体操の大きな特徴であり、ユニークな点でもある。

体操の歴史

体操の先駆となる運動はすでに原始時代には存在したと考えられている[1]。遺跡の出土品や古代の壁画・彫刻などからアクロバティックな運動の姿を表現したものが各地に残されており、世界的に普遍的に軽業的運動は行われていた[1]。軽業的運動は一種の特殊技能で踊りや斗技などとともに権力者の前に披露される見世物となり軽業師として職業化した[1]

西洋ではエーゲ文明時代には軽業師がいたことが知られている[1]。また、古代ローマでは兵士や若者達によって木馬運動が行われ鞍馬と跳馬の起源となった[1]

一方、東洋ではインドでヨーガ経典に示された医療体操が仏道修行の過程として行われておりヨガとして知られるようになった。


  1. ^ a b c d e f 村山鉄次郎「体操とヤーンについて」『明治大学教養論集』第37号、明治大学教養論集刊行会、1967年、14-24頁、hdl:10291/93762019年6月8日閲覧 
  2. ^ a b c d e f 平凡社 編「体操」『大百科事典』 16巻、平凡社、1935年。全国書誌番号:47008399 
  3. ^ 松尾順一『ドイツ体操祭と国民統合 近代ドイツにおける全国体操祭に関する史的研究(1860〜1880)』創文企画、2010年9月。ISBN 978-4-86413-001-1 
  4. ^ ドイツ体操連盟 編『ドイツ体操祭 ドイツ体操運動の構築』吉中康子、今村悟 訳、晃洋書房、2003年4月。ISBN 4-7710-1438-8 
  5. ^ a b デンマーク体操の歴史”. アンセル(デンマーク体操愛好グループ). 2015年5月24日閲覧。
  6. ^ 木村吉次 編著「6章-[4]日本の近代学校体育の成立(大熊廣明)」『体育・スポーツ史概論』市村出版〈体育・スポーツ・健康科学テキストブックシリーズ〉、2001年11月。ISBN 4-9900743-4-3 
  7. ^ 村山鉄次郎「わが国の体操の歴史−特に昭和初期までの器械体操について−(その1)明治時代の体操の展開」『明治大学教養論集』第220号、1989年、1-16頁、hdl:10291/8890 
  8. ^ 大久保英哲「近代日本体育の形成における幕末フランス軍事顧問団の影」『体育学研究』第54巻第1号、日本体育学会、2009年、1-14頁、doi:10.5432/jjpehss.a540107 
  9. ^ 1882年6月、体操伝習所はリーランドの教授・実践をふまえ『新撰体操書』(坪井玄道訳述)および『新制体操法』の2書を刊行。


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