伝書鳩 関連項目

伝書鳩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/30 19:27 UTC 版)

伝書鳩(でんしょばと、英語:homing pigeon、carrier pigeon)または伝書バトとは、の仲間であるカワラバト帰巣本能を利用し遠隔地にメッセージを送る通信手段として使用するため、方向感覚に優れ、長距離の飛行に耐えるように品種改良された飼い鳩のことをいう[1]第2次世界大戦直後までは軍事上の通信に多用されたため軍用鳩とも呼ばれていたが、その後の有線および無線による通信技術の発達などにより次第に実用上の役割を失っていった[2][1]。新聞社による写真フィルムの運搬や、家畜の人工授精のための精液の輸送などに最後まで利用されたが、共に1960年代半ばには廃止されている[3][4]。現在では主に愛好家による競技用のレース鳩(英語:racing pigeon)として飼育されている[2]


注釈

  1. ^ 共同通信社が1959年、朝日新聞東京本社が1961年、大阪本社が1966年、読売新聞東京本社は1954年に鳩便を廃止して1965年には鳩舎を閉鎖、毎日新聞東京本社も1965年に鳩便を廃した[8]

出典

  1. ^ a b 竹下信雄. "伝書鳩". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2023年8月30日閲覧
  2. ^ a b "伝書バト(伝書鳩)". 平凡社 世界大百科事典 第2版. コトバンクより2023年8月30日閲覧
  3. ^ 黒岩 2000, p. 150-153.
  4. ^ 黒岩 2000, p. 168-173.
  5. ^ a b c d フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 5』講談社、2004年。ISBN 4-06-352710-7 
  6. ^ 『傳書鳩の飼い方』東京農業大学傳書鳩研究会編(実用百科選書)金園社,1956年5月,全国書誌番号:56008508
  7. ^ a b 高槻泰郎. “近世日本における相場情報の伝達〜米飛脚・旗振り通信〜(郵政資料館研究紀要第2号(2011))”. 2021年1月4日閲覧。
  8. ^ 黒岩 2000, p. 151-152.
  9. ^ 2010 伝書鳩による実験 - ウェイバックマシン(2013年9月26日アーカイブ分)
  10. ^ ハトの方向感覚狂う? - ウェイバックマシン(2008年6月15日アーカイブ分)
  11. ^ 知らなかった……鳩ってゆうパックで送れるらしいです:まじで!”. ねとらぼ (2013年4月19日). 2021年8月16日閲覧。
  12. ^ 生きた動物をゆうパックで送れますか?”. 日本郵便. 2022年11月27日閲覧。
  13. ^ 迷い鳩”. 社団法人日本伝書鳩協会. 2022年11月27日閲覧。
  14. ^ 黒岩 2000, pp. 30–31.
  15. ^ 黒岩 2000, pp. 28–29.
  16. ^ 黒岩 2000, pp. 49–52.


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