人格主義 戦後の衰退

人格主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 22:48 UTC 版)

戦後の衰退

戦後は価値観の多様化、科学主義の隆盛、マルクス主義の隆盛(ソビエト連邦の崩壊まで)などにより、西洋、日本ともに人格主義は勢いをなくし、マイナーな勢力になった。しかし、人格主義は過去の思想、ということで処理してしまってよいのか、という問題は残る。

日本での代表的主張者

脚注

参考文献

  • エマニュエル・ムーニエ『人格主義』文庫クセジュ、1953年
  • 小倉貞秀『マックス・シェーラー――人とその思想』塙新書、1969年
  • 三嶋唯義『人格主義の思想』紀伊國屋書店、1969年
  • 三嶋唯義『人格主義』文化書房博聞文社、1990年
    • (改訂版は『人格主義の原理』行路社、1996年)
  • 佐古純一郎『近代日本思想史における人格観念の成立』朝文社、1995年
  • 高多彬臣『エマニュエル・ムーニエ、生涯と思想――人格主義的・共同体的社会に向かって』青弓社、2005年
  • 行安茂『近代日本の思想家とイギリス理想主義』北樹出版、2007年
  • 塩尻公明会編『塩尻公明・民主主義の道徳哲学(講義ノート)』北樹出版、2010年
  • 青木育志『河合栄治郎の社会思想体系』春風社、2011年
  • 青木育志『教養主義者・河合栄治郎』春風社、2012年

関連項目


  1. ^ 松永澄夫. “人格主義 じんかくしゅぎ”. コトバンク. 日本大百科全書(ニッポニカ). 2020年1月21日閲覧。
  2. ^ 不断の努力による向上が人格主義の特徴であるとともに、そこに非難も集中する。どこまでも向上を目指すことの意味への疑問や目指すことの漠然としていることへの疑問など。人格向上は文明人として大前提になることであり、取り立てて説とすることもない、といった批判もある。人格主義者と言われる人の中にも、これを積極的には主張しない人もいる。例えば、フランス系の人格主義者。
  3. ^ ①現にある人格(現状の人格と進行中の人格)、②あるべき人格(目標としての人格)の二つとする考えもある。その場合、前者と後者の言葉を変える手法が採られる。例えば、前者は人格(person, Person)、後者は人格性(personality, Persönlichkeit)。
  4. ^ 人格主義の成立にキリスト教が大きく貢献したことは事実である。ただ、神を前提とすることが人格主義と相容れるかは議論のあるところである。
  5. ^ マックス・シェーラーは当初新カント派であったが、その後エドムント・フッサール現象学の影響を受け、新カント主義を離脱したと言われる。しかし『倫理学における形式主義と実質的価値倫理学』の第2部においては、カントの人格主義の精神は受け継がれている。
  6. ^ その他、フランス系の人格主義者と擬せられる者としては、メーヌ・ド・ビランドニ・ド・ルージュモン、ガブリエル・マルセルなどがいる。
  7. ^ 明治時代における学的な人格主義研究の経緯を詳細に研究したものに、佐古純一郎『近代日本思想における人格観念の成立』(朝文社、1995年)がある。主としてイギリス理想主義から日本人学者への影響を追求したものに、行安茂『近代日本の思想家とイギリス理想主義』(北樹出版、2007年)がある。
  8. ^ 新渡戸は第一高等学校校長として、人格主義、理想主義を鼓吹し、多くの卒業生に影響を与えた。新渡戸の人格主義は教育学的人格主義と言える。各種新渡戸伝参照。
  9. ^ 阿部の人格主義はリップス『倫理学概論』(1899年)によっている。
  10. ^ 河合の人格主義はカントとグリーンによるところが大きい。河合は『トーマス・ヒル・グリーンの思想体系』(1930年)を書いたし、カントについてはほぼ全著作を原著で解読し、まとめる寸前に病死した。


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