交響曲第49番 (ハイドン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/11 05:33 UTC 版)
曲の構成
全4楽章、演奏時間は約20分。ハイドンの交響曲としては、緩徐楽章から始まる教会ソナタ風の構成を持つ最後の作品であり[1]、すべての楽章が同じヘ短調の調性を持つ[5]。
- 第2楽章 アレグロ・ディ・モルト
- ヘ短調、4分の4拍子、ソナタ形式。
- 提示部はヴァイオリンによる極端な跳躍音程の主題ではじまり、すぐに変イ長調に変わる。展開部は長調のまま開始する。曲の構造は比較的単純である。
- 第4楽章 フィナーレ:プレスト
- ヘ短調、2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ)、ソナタ形式。
- 弦楽器が主体で、管楽器は和音を伸ばすのがほとんどだが、再現部の手前でオーボエが8小節にわたって主題を演奏するのが目立つ。
参考文献
- 大宮真琴 『新版 ハイドン』音楽之友社〈大作曲家 人と作品〉、1981年。ISBN 4276220025。
- 『ハイドン 交響曲集IV(41-49番) OGT 1592』音楽之友社、1982年。(ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1967年のもの)
- Sisman, Elaine (1990). “Haydn's Theater Symphonies”. Journal of the American Musicological Society 43 (2): 292-352. JSTOR 831616.
外部リンク
- ^ a b デッカ・レコードのドラティによるハイドン交響曲全集、ランドンによる解説
- ^ 大宮(1981) p.176
- ^ Sisman (1990) pp.332-333 によれば、『陽気なクエーカー教徒』は当時のウィーンで人気のあった芝居で、またの名を『若いインディアン娘』ともいい、エステルハーザと関連の深いカール・ヴァール一座の出し物でもあった。もともとイギリスの教訓話をフランスのシャンフォール(Nicolas Chamfort)が戯曲化したもので、原作ではイギリス人のインクルが命の恩人であるインディアン娘のヤリコに恋をするが、後に彼女を奴隷に売り飛ばすという話であり、シャンフォールの劇ではハッピーエンドになっている。
- ^ デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第6巻のウェブスターによる解説、1994年
- ^ 緩徐楽章で開始するハイドンの交響曲では通常すべての楽章は同じ調を持つ(第34番を除く)。
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