交響曲第3番 (シューマン) 交響曲第3番 (シューマン)の概要

交響曲第3番 (シューマン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/06 08:08 UTC 版)

音楽・音声外部リンク
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Schumann:3. Sinfonie (»Rheinische«) - マレク・ヤノフスキ指揮hr交響楽団による演奏。hr交響楽団公式YouTube。
Schumann:Sinfonie Nr.3 - クリストフ・エッシェンバッハ指揮NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団による演奏。NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団公式YouTube。
Robert Schumann:Derde symfonie in Es-groot, op.97, 'Rheinische' - フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮オランダ放送室内フィルハーモニーによる演奏。AVROTROS Klassiek公式YouTube。

日本初演は1927年9月25日日本青年館にて近衛秀麿新交響楽団によって行われた。シューマンの交響曲の中で最も早く日本で演奏された。

作曲の経緯など

ローレライ
ケルン大聖堂(1850年代)
1850年頃のシューマン《ダゲレオタイプにて写真撮影》
  • 1847年5月に長男を失い、11月、盟友であったフェリックス・メンデルスゾーンの死によって、シューマンは打撃を受けた。しかし、フェルディナント・ヒラーの後任としてドレスデンの男声合唱団の指揮をすることになり、シューマンはこれを混声合唱団に拡大するなどして力を注いだ。
  • 1849年5月にドレスデンで革命蜂起ドレスデン五月蜂起)が起こると、シューマンは心情的には自由主義の立場にあったが、精神障害や家族の安全のこともあってマクセンに避難する。この間、革命的な音楽や行進曲を作曲している。さらに、8月のゲーテ生誕100年記念祭に向けて、『ゲーテのファウストからの情景』の作曲をすすめ、ピアノ曲集『森の情景』を完成させた。
  • 1850年、再びヒラーの後任としてデュッセルドルフの管弦楽団・合唱団の音楽監督に招かれる。9月に同地に到着したシューマン夫妻は盛大な歓迎を受けた。シューマンはライン川沿岸を好んで散歩し、9月と11月にはライン川上流に位置するケルンにも足を延ばした。壮麗なケルン大聖堂に感銘を受け、折しもこの時期に挙行されたケルン大司教ヨハネス・フォン・ガイセル枢機卿就任式の報に接し、交響曲の霊感を得たという。シューマンは同11月にチェロ協奏曲を完成させると、ただちに交響曲の作曲に取りかかって、12月には完成している。「ライン」の副題は、シューマン自身が付けたものではないとしても、シューマンがライン川の川下りやそれを取り巻く環境に大いに触発され、その音楽もまた関連が深いことは間違いなく、第1楽章(ローレライ)、第2楽章(コブレンツからボン)、第3楽章(ボンからケルン)、第4楽章(ケルンの大聖堂)、第5楽章(デュッセルドルフカーニヴァル)と関係が深くなっている。

楽器編成

フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ヴァルヴホルン2、ナチュラルホルン2、トランペット2、トロンボーン3(アルト・テナー・バス各1)、ティンパニ弦五部


注釈

  1. ^ マーラーは4曲すべてを編曲しているが、ブライトコプフのWebカタログ上でマーラー版が掲載されているのは交響曲第3番のみ(2010年2月6日確認)。

出典

  1. ^ ホルントロンボーンによるコラールは演奏が困難として有名。第1トロンボーンにアルト・トロンボーンが指定(当時は一般的であった)されているせいもあるが、その最高音は変ホ音である。これはラヴェルの『ボレロ』のトロンボーンのソロで使われている音域よりもさらに高く、しかも、いきなり4度上昇して変ホ音に達するため、20世紀以降の普通のオーケストラで使用されているテナー・トロンボーンではしばしば吹き損ねることで知られる(参考文献:近衛秀麿著『オーケストラを聞く人へ』改訂版、音楽之友社、1970年8月)。なお後述するマーラー版は演奏家に配慮した修正が見られるが、この部分は変更していない。
  2. ^ hire material arranged by Gustav Mahler”. www.breitkopf.com. www.breitkopf.com. 2022年1月24日閲覧。


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