五洋食品産業 五洋食品産業の概要

五洋食品産業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 23:59 UTC 版)

五洋食品産業株式会社
GOYO foods Industry Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報
東証PRO 2230
2012年5月28日 - 2022年3月4日
略称 五洋食品
本社所在地 日本
819-1134
福岡県糸島市多久819番地2
設立 1975年5月27日
業種 食料品
法人番号 3290001013226
事業内容 フローズンスイーツ(冷凍洋菓子)の製造販売
代表者 舛田圭良(代表取締役社長)
資本金 1億3960万円(2017年5月現在)
発行済株式総数 1807172株
売上高 21億58百万円
(2021年5月期)
営業利益 1億19百万円
(2021年5月期)
純利益 1億4094万2000円
(2023年3月期)[1]
純資産 8億7002万1000円
(2023年3月期)[1]
総資産 24億5505万6000円
(2023年3月期)[1]
従業員数 70名(2017年5月現在 兼務役員含、パートアルバイト除)
決算期 5月31日
主要株主 三井物産 87.04%[2]
舛田 圭良 12.96%[2](2021年12月現在)
外部リンク http://www.goyofoods.co.jp/
https://www.sweets-stock.com/
https://www.sweets-pro.com/
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会社概要

当初はピザ用ナチュラルチーズの加工、ピザ・グラタンなどの製造を行っていた。

2000年11月に商品の回収事故を起こしたことに伴う前代表の病倒や全社員の離脱などが重なった結果、事業継続が困難となり、事実上破綻状態となった。

現在の組織は舛田圭良、及び残ったアルバイトやパートたち(のちに社員)の第2創業によるものであり、舛田は実質的な創業者である。その後、11月1日は「品質の日」として全社内教育の日となっている。

赤字債務超過で数度に渡り存続の危機に遭遇したが、舛田や社員に加え、仕入先各社及び知人、ベンチャーキャピタル(VC)などの第三者割当増資により救われている。直接金融からの資金調達に積極的で、VC出資のほか、日本政策金融公庫として国内初のハイブリッドファイナンス(劣後ローン新株予約権付融資の組み合わせ)、自社による公募社債の発行など中小企業では希有なファイナンスによる調達を行っているのが特徴。

現在取り扱う商品はフローズンスイーツ(冷凍洋菓子)のみで、第2創業後にビジネスモデルを転換集約した。主に業務用(ホテル、レストランなど飲食店向け)、全国の生活協同組合(単協、連合、日本生活協同組合連合会など)向けに供給する裏方のメーカーであった。

2008年に主力商品「ベイクドチーズケーキ」のモンドセレクション金賞受賞した後、冷凍本来の特性を一般消費者にも広めるためのジャンル名「Sweets Stock!(スイーツストック)」を創設し、量販店での市場開拓を開始した。2010年4月には総工費7億5千万円を投じ、福岡県糸島市の西九州自動車道に隣接する前原IC南産業団地内にHACCP対応工場を竣工。2011年1月、福岡ベンチャーマーケット(通称:FVM。福岡県産業・科学技術振興財団主催)「FVM大賞2011」において大賞を受賞。

2012年5月28日TOKYO AIM取引所に株式を上場し、取引開始直後に初値2,000円(分割前株価)をつけた。その後TOKYO AIM取引所は東京証券取引所に吸収合併され、2012年7月1日に東京証券取引所内部のTOKYO PRO Market市場として新たに発足。これに伴い、五洋食品産業の株式は東京証券取引所 TOKYO PRO Market市場への新規上場銘柄(移行)となった。福岡証券取引所(以下福証)主催の「九州IPO挑戦隊」加入企業であり、同組織からは初の上場企業となった(福証への上場ではなかったためか、同社の上場実績は取り上げられていない)。

投資ファンドによる社長解任劇

詳細は福岡の調査会社データ・マックス社(以下DM社)による追跡レポート「突然の代表交代 五洋食品産業に何が起きているのか(全11回)[3]」に記載がある。

かねてより出口戦略について、筆頭株主であるファンド(イノベーションエンジン、フレンドリーパートナーズ)と、代表取締役の舛田との間で意見が相違していたとされる。

2021年8月27日に開催された定時株主総会における取締役選任決議の際、ファンドにより代表取締役社長である舛田を解任し、新たにファンド側が用意した外部人材(弁護士)の選任を求める修正動議が提出された。舛田のほか出席株主がコロナ禍にあっても過去最高売上・最高益の実績を上げているにも関わらず未経験人材に変更投入する合理的な説明を求めるも、ファンド側は明確な回答を拒否。ファンド2社により議決権52.07%の過半数を占められていたため、この動議により取締役メンバーから創業者である舛田及び上場以降海外展開の牽引役であった藤永晋也の2名が半ば強引に排除されることが採択され、実態として解任されることとなった。

その後の体制として、用意された外部人材の弁護士が社長になるとみられていたが、実際には当時の営業部長が新社長に昇格する不可解な体制となった。のちのDM社インタビューの中で新社長自ら、舛田をよそにファンドとの直接接触があったことを仄めかし、かつ自ら社長に立候補したことを述べている。このため、ファンドがクーデターに見えるようにこの新社長を使ったと解釈される向きもあった。


脚注

  1. ^ 本件公開買付けは、2021年12月2日に成立した旨、三井物産より公表された[5]

出典

  1. ^ a b c 五洋食品産業株式会社 第48期決算公告
  2. ^ a b 五洋食品産業 会社概要(2023年1月18日閲覧)
  3. ^ 突然の代表交代 五洋食品産業に何が起きているのか(Net IB-News)(2021-9-9)
  4. ^ a b 五洋食品産業株式会社株券(証券コード2230)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ三井物産 2021年10月15日開示)2023年1月18日閲覧
  5. ^ 五洋食品産業株式会社株券(証券コード2230)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ三井物産 2021年12月3日公表) 2023年1月18日閲覧
  6. ^ TOKYO PRO Market における当社株式の上場廃止申請、株式併合、単元株式数の定めの廃止、定款の一部変更等に係る承認決議並びに代表取締役の異動に関するお知らせ五洋食品産業 2022年2月2日
  7. ^ 新企画商品「ジャンニの麻布チーズケーキ」販売開始について(株式経済新聞)(2014-4-14)
  8. ^ 日経ニュース (2013-08-20). 2013年8月20日閲覧。
  9. ^ 冷凍ケーキをタイで販売へ 西日本新聞 (2014-05-29).
  10. ^ 五洋食品 香港の食品商社と業務提携 M&A Times(2014-11-17).
  11. ^ TOKYO PRO Market 上場会社情報 (2012-07-01). 2012年7月1日閲覧。
  12. ^ I.GRECOとの商品企画開発プロモーション締結について (2013-07-10). 2013年7月10日閲覧。(PDF)
  13. ^ 1:4の株式分割を実施(ロイター) (2013-09-13)
  14. ^ 五洋食品産業が第三者割当増資(西日本新聞)(2015-07-25)
  15. ^ 九州地方のはばたく中小企業・小規模事業者(中小企業庁)(2016-05-26)
  16. ^ 五洋食品に3億円投資(日本経済新聞)(2017-05-18)
  17. ^ ふるさと企業大賞(総務大臣賞)受賞者の決定について(地域総合整備財団)(2017-10-17)


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