五洋食品産業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 23:59 UTC 版)
三井物産による株式公開買付(TOB)
このまま、創業者である舛田を排除した新体制で進むかとみられていたが、2021年10月中旬、突如として三井物産が登場し、舛田と共同での議決権行使を伴う買収(株式公開買付(TOB))を発表。また、舛田を復帰させ、スクイーズアウトにより株主を三井物産及び舛田のみとし上場廃止を伴うことも盛り込まれた。
DM社の調査によれば、ファンドの用意した出口戦略において、その売却先との交渉が結局不調に終わり断念し、その筋書き上不都合であった舛田を解任するほどの大立ち回りをしたにもかかわらず、結局最終的にファンドは三井物産・舛田連合への株式の売り渡しに合意した(つまり事実上の敵対的買収の失敗と解釈)とあり、水面下で舛田が三井物産にホワイトナイトとして協力を得たものと結論付けられている。
実際、三井物産発表による「五洋食品産業株式会社株券に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」の中で、舛田との協議開始は2021年5月(つまり株主総会の3か月前)とあり、この時からかかる件について株主総会直前まで協議を重ねてきた経緯の記載もあるため、その後の2021年8月の株主総会での解任劇も十分想定の上でTOB及びその後の筋書きを描いていたとみられる。
2021年10月15日、三井物産が当社株式の公開買付けを実施し、連結子会社化することを公表[4][注 1]。当社経営陣も当該TOBに賛同した[4]。
2022年2月2日、TOKYO PRO Market上場廃止を申請し、同年3月4日に上場を廃止した[6]。
舛田はTOB発表資料記載の通り2022年2月に代表取締役社長として復帰し、同時にこの間に新社長となっていた前営業部長はその後の人事体制発表資料から名前は消えている。このことからもファンドが体よく営業部長を利用したのではないかといわれる所以でもある。結局舛田不在の体制は5か月であった。それ以外の従前取締役は執行役員として残り、社長として復帰した舛田の脇を三井物産の部長職が取締役として固める新たな人事組織体制となり、一連の解任劇に終止符を打った。
脚注
出典
- ^ a b c 五洋食品産業株式会社 第48期決算公告
- ^ a b 五洋食品産業 会社概要(2023年1月18日閲覧)
- ^ 突然の代表交代 五洋食品産業に何が起きているのか(Net IB-News)(2021-9-9)
- ^ a b 五洋食品産業株式会社株券(証券コード2230)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ(三井物産 2021年10月15日開示)2023年1月18日閲覧
- ^ 五洋食品産業株式会社株券(証券コード2230)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ(三井物産 2021年12月3日公表) 2023年1月18日閲覧
- ^ TOKYO PRO Market における当社株式の上場廃止申請、株式併合、単元株式数の定めの廃止、定款の一部変更等に係る承認決議並びに代表取締役の異動に関するお知らせ五洋食品産業 2022年2月2日
- ^ 新企画商品「ジャンニの麻布チーズケーキ」販売開始について(株式経済新聞)(2014-4-14)
- ^ 日経ニュース (2013-08-20). 2013年8月20日閲覧。
- ^ 冷凍ケーキをタイで販売へ 西日本新聞 (2014-05-29).
- ^ 五洋食品 香港の食品商社と業務提携 M&A Times(2014-11-17).
- ^ TOKYO PRO Market 上場会社情報 (2012-07-01). 2012年7月1日閲覧。
- ^ I.GRECOとの商品企画開発プロモーション締結について (2013-07-10). 2013年7月10日閲覧。(PDF)
- ^ 1:4の株式分割を実施(ロイター) (2013-09-13)
- ^ 五洋食品産業が第三者割当増資(西日本新聞)(2015-07-25)
- ^ 九州地方のはばたく中小企業・小規模事業者(中小企業庁)(2016-05-26)
- ^ 五洋食品に3億円投資(日本経済新聞)(2017-05-18)
- ^ ふるさと企業大賞(総務大臣賞)受賞者の決定について(地域総合整備財団)(2017-10-17)
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