中国山地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 21:01 UTC 版)
地勢
おおむね鳥取・岡山県境および島根・広島県境に沿って、中国山地の脊梁部が並んでいる。脊梁部を境として、北を山陰地方、南を山陽地方と区分する。脊梁部に高い山が集中しており、主要な山としては、扇ノ山 (1310 m)、氷ノ山 (1510 m)、那岐山 (1240 m)、道後山 (1268 m)、比婆山 (1264 m)、大佐山 (1069 m)、恐羅漢山 (1346 m)、安蔵寺山 (1263 m)、冠山 (1339 m)、寂地山 (1337 m)、青野山 (907 m) などが挙げられる。
脊梁部の北側は、冬季の降雪が多い日本海岸気候である。中国山地は季節風の影響を受ける地域であり、冬季は日本海を越えて来る季節風が、日本海で湿気を帯びて、中国山地に衝突して強制的に上昇気流が発生して、降雪する事が大きな要因である。これに対して、脊梁部南側は、年間通して温暖で、降水の少ない瀬戸内海式気候である。これは、瀬戸内海側は中国山地と四国山地などに挟まれた場所である事が大きな要因である。
脊梁部を挟んで南北に標高400 m前後の高原地形が広がっている。特に島根県西部の石見高原と、岡山県から広島県東部に至る吉備高原が、その代表である。この高原地帯は、大小河川による侵食が進行中の状態にあり、V字谷などが目立ち、平地部に乏しい。顕著な平地部は、津山盆地、三次盆地程度であり、それ以外は微少な盆地が見られるに過ぎない。
中国山地に発する最大の河川は江の川で、脊梁部を超えるほぼ唯一の河川であり、脊梁南部にも広い流域を持つ。江の川源流域は、平坦な準平原地形となっており、瀬戸内海側河川との河川争奪の痕跡が多数見られる。その他、中国山地に源流を持つ主な河川には、千代川、日野川、斐伊川、高津川、阿武川、吉井川、旭川、高梁川、沼田川、太田川、錦川、千種川、揖保川、矢田川、円山川、市川などが挙げられる。
- ^ 国土地理院 日本の主な山岳標高
- ^ 字室克彦君「第3回中国山脈縦断100キロウォーク大会」優勝
- ^ 高橋 順子・佐藤 秀明 『雨の名前』 p.27 小学館 2001年6月20日発行 ISBN 4-09-681431-8
- ^ a b c 中国新聞取材班『中国山地 過疎50年』(2016年、未来社)58 - 63ページ
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