ローゼンメイデン
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用語・世界観
薔薇乙女・アリスゲーム関連
- ローゼンメイデン(薔薇乙女、Rozen Maiden)
- 人形師・ローゼンによって究極の少女・アリスを目指すべく作られた、不思議な力を持つ7体のアンティークドール・球体関節人形の総称。ローゼンが生涯をかけた作品で、「生きた人形」とも呼ばれる最高傑作シリーズとされる。制作年代が数百年単位でバラバラともいう、伝説上の存在であり、世間的には実在を疑問視する声も大きい。
- 普通のドールではなく、「ローザミスティカ」「ゼンマイ」「マスターとの契約」によって動き出す、錬金術で創られたオカルト人形である。アリスを決めるために時代を越え、人間と契約を結び姉妹たちと戦う使命を帯びる。
- 全部で7体の姉妹。大腿部の内側には、ローゼンの直筆サインとナンバーが刻印されている。
- 並行世界に1体しか存在しないという特性がある。世界を去るとあらゆる痕跡が消え、出会った人の記憶のみに残る。ジュンへの「まきます・まきません」の選択を機に、まかなかった世界ではローゼンメイデンが(過去に遡って)存在しないことになっている。2部のレプリカ真紅は抜け道で、2人の真紅(ローザミスティカ5+レプリカボディ/ローザミスティカ6+真のボディ)がいる状態だと、レプリカが偽物判定され消滅する。
- 初期アニメ1期1話副題『薔薇乙女』、独語サブ「Fräulein Rose」(カナにするとフロイライン・ロゼ)。
- アリス
- ローゼンが理想とする完璧かつ至高の少女。アリスになるためには「アリスゲーム」に勝ち、7個の「ローザミスティカ」を全て集めなければならない。
- ビジュアルイメージとして「翼ある白いシルエットの少女」として描かれることがある。
- 初期アニメ2期12話副題『少女』、サブ「Alice」(欧州の女性人名「アリス」)。
- アリスゲーム
- ローゼンメイデン達が戦い、互いのローザミスティカを奪い合うゲームであり、彼女達に与えられた宿命とされている。これに勝ち、ローザミスティカを得た勝者はアリスに一歩近づき、逆に失った敗者はただの動かぬ人形となる。厳格なルールは明言されておらず、複数のドールが手を結ぶことも、人間を巻き込んでも良いようである。
- 7体全員に異なる思惑がある。真紅は奪い取ることを良しとせず、「私のやり方でアリスゲームを制する」とルールに抗い、雪華綺晶はローザミスティカという大前提を無視し、全く異なる手段でゲームをかく乱する。
- 鞄(かばん)
- ローゼンメイデンが眠る時に入るトランクケース。高級そうな造りで、革張りの表面に金色の薔薇の彫金が施されている。真紅は規則正しく午後9時から午前7時まで鞄で眠る。雪華綺晶は非実体のため鞄をもたない。ドール毎による見た目の違いは無い。一時期、鞄の中で眠れなくなった水銀燈が明らかに疲弊していたため、ドールにとって必要不可欠なものであることが伺える。
- 翠星石は鞄に乗って飛行する。『ゼロ』の翠星石は鞄を紛失している。加えて、初期アニメ版では蒼星石と真紅も鞄で飛ぶ[注 3]。
- 契約者(マスター)
- ローゼンメイデンと契約を結んだ人間のこと。ドールと契約者の上下関係はドール毎に異なる。例えば、真紅にとっては下僕(しもべ)、蒼星石にとっては忠誠を尽くす主人、水銀燈(初期)にとってはただの糧であり媒介、雪華綺晶にとっては苗床。
- 基本的に、ねじを巻いた者と契約する。ドールが活動するための力の供給源であり、ドールに近い素養がある者を人工精霊が選ぶ。さらに「無意識の海」を介して心が繋がり、相互の精神に影響し、お互いの成長を促す面がある。
- 媒介(ばいかい)とも呼ばれる。非契約で一方的に力を吸うだけなら、マスターではなく媒介である(初期の水銀燈)。初期アニメでは契約しても媒介(ミーディアム)と呼称され、マスターとは呼ばれない。
- 契約の指輪
- 契約者がドールと契約を交わした際に、左手薬指に現れる指輪。これによりドールに力を供給することが出来、ドールが力を使うと発光発熱する。「無意識の海」を介して契約者の力をもらうため、消耗は疲労や気だるさとなって現れる。一つの時代に一ドールが一つだけ持つ。
- ジュンは真紅と翠星石2体のマスターであり、2人目と契約したことで薔薇の指輪は形を変え大きくなった。3部TALE49で、ジュンの指輪は指貫に変わる。
- 漫画と初期アニメではデザインが異なる。初期アニメではドールにも契約の指輪がある。漫画も設定が変わり、2部からドール側にも指輪があるようになった。
- 初期アニメ2期4話副題『契約』、独語サブ「Vereinbarung」。初期アニメ1期次回予告〆の定型文は「誓いなさい、この薔薇の指輪に」。
- ローザミスティカ
- ローゼンメイデンの心臓部。外観は幾重もの光輪を伴った結晶体。動き出すために必要なもので、失うと物言わぬ人形に戻る。ドールズの間では、7つのローザミスティカを全て集めるとアリスになれると信じられている。
- ローゼンが錬金術で生成したものと伝わる。当初は1つであったが、ローゼンがこれを7つに割って7人の娘に分け与えた。その正体は、ローゼンの砕けてしまった心の欠片である。
- 奪い取ったときと与えられたときでは、効果が異なる。前者は拒絶反応を起こす劇薬となる。
- 初期アニメ版では独自の設定がある。他者のローザミスティカを取り込むと、元の持ち主の能力を使うことができるようになる。さらに、水銀燈はローザミスティカが無い状態で動き出している。薔薇水晶は非ローゼン製ドールであり、ローザミスティカ無しに動いている。また、6つのローザミスティカのパワーに耐えきれなかったことが描かれている。
- 人工精霊(じんこうせいれい)
- ローゼンメイデンをサポートする、浮遊する発光体。姉妹達が個々に所有、それぞれ色が異なっており、主に戦闘のサポートや新しい契約者を探したり、回復させたりする等の役目を持つ。それぞれのドールの人工精霊の名前は、水銀燈はメイメイ、金糸雀はピチカート、翠星石はスィドリーム、蒼星石はレンピカ、真紅はホーリエ、雛苺はベリーベルである。ローゼンメイデンとは意志の疎通ができるほか、離れての行動も可能。物体を透過することはできない。性能や性格はそれぞれ異なる(例えば雛苺のベリーベルは臆病)。
- ドールがアリスゲームに敗れると、ローザミスティカに連動して他のドールの許へと移動する。
- 初期アニメ版設定では、ドールの特殊能力は人工精霊に宿っている。1期では水銀燈が双子の人工精霊を奪って夢の力を得る。
- ジャンク(壊れた子)
- 完璧を求めるローゼンメイデンにとっては最大の侮辱語。水銀燈が多用し、自分が言われると激怒する。
- 初期アニメ版では、水銀燈の設定改変に伴い、ニュアンスが少し異なるものとなっている。
現実世界
- 桜田家
- 庭付きの一戸建て。本来の住人は両親と子供2人だが、古物商をやっている両親は不在となっており、ドール達がやって来ている。ジュンの部屋は二階で、ドール達が来てから、窓ガラスがよく割れるようになった。物置には年代物の姿見鏡があり、真紅たちがnのフィールドへの出入口として使用する。
- 結菱邸(薔薇屋敷)
- 元華族・結菱家のお屋敷。高台に建つ洋館。薔薇屋敷の異称で呼ばれるが、薔薇庭園は荒れて久しい。
- 『ゼロ』では大正時代の結菱邸が登場する。地理的には浅草近郊に設定され、菊が女中として仕えている。蒼星石はこの庭園を「薔薇が咲き乱れる」と予言する。
- 有栖川大学病院(ありすがわ だいがくびょういん)
- 316号室にめぐが入院している。3部ではめぐが退院し、入れ替わりにジュンが入院する。さらに雪華綺晶のまやかしに浸食されて、雪華綺晶のフィールドに接続する。最終決戦にてジュンがローゼンを継ぎめぐが死んだことで、現実ではずっと入院していためぐが病死したことになる。
- 近くに礼拝堂がある。新旧礼拝堂の2つ。旧礼拝堂は水銀燈の宿。
- 遥雲閣(よううんかく)
- 浅草にそびえ立つ、帝都東京を見渡せる高塔。華が昇降機ガールをしている。最上階十二階だが、ときに昇降機が幻の十三階につながる。
- 凌雲閣(浅草十二階)に相当する建造物。華がnのフィールド内で見た断片的な光景では、壊れている。これは第ゼロドールの夢が消えたときに起こる「何か」を示唆する。
- まいた世界
- 1・3部の舞台。ジュンが「まきますか まきませんか」の問いに「まきます」を選んだ世界。ローゼンメイデンが存在する世界はここである。
- まかなかった世界
- 2部の舞台。ジュンが「まきますか まきませんか」の問いに「まきません」を選んだ世界。枝分かれしたパラレルワールドである。時間の流れが異なり、ジュンが大学生になっている。枝分かれ前に遡って、ローゼンメイデンが存在しないことになっている。
- 大正時代の帝都
- 『ゼロ』の舞台。時系列としては、1・2・3部の過去。ただしパラレルワールドが絡んでおり、単純に100年前とはならない。
- 凌雲閣の代わりに遥雲閣がある。ゼロドールの夢に侵食されつつあり、放っておくと崩壊するので、防がねばというストーリーとなっている。防げないと、地震が起きて街が壊れる。だが防ぐと、地震が起きないので歴史が変わる。
精神世界
精神や心の領域。人の心が、「世界樹」や「無意識の海」で繋がっている。個人が「心の樹」と「フィールド(夢世界)」を持っている。夢庭師は心や夢に干渉する。
- 夢
- 眠りの中の心の世界。
- 初期アニメ1期6話副題『夢』、独語サブ「Träume」。初期アニメ2期シリーズ副題「トロイメント」(träumend。動詞träumen(夢を見る)の現在分詞)で、「その旋律は夢見るように」のフレーズは次回予告〆の定型文。
- nのフィールド
- 現実世界と表裏一体をなす空間。無数の世界で構成され、「扉」がそれを繋いでいる。通常は鏡面や水面など、光を映し出す面から出入りする。夢庭師の翠星石と蒼星石は夢を経由して出入りできる(閉じた瞳は夢を「映す」)。そして扉は気まぐれに開く。個々のフィールドには数字が振られている。
- 初期は「思念で構成された現実世界の裏側」という非常に曖昧なイメージだったが、夢庭師双子の登場以降、「個人の精神の世界」という意味合いが強くなった。自分の持つイメージが曖昧だと、人型を保つこともできなくなる。人間の精神体が出てこれなくなると、現実の肉体は眠ったままの昏睡状態に陥る。姿を消したローゼンはnのフィールドのどこかにいると言われる。
- 初期アニメ版では始めから「個人の精神(≒夢)の世界」の意味合いの方が強く、ジュンも真紅も雛苺も水銀燈も、自分のフィールドを持っている。
- 天蓋の大時計
- ローゼンの箱庭の天を覆う、人工の天蓋。時間が曖昧なnのフィールドから、ローゼンはこれにより現実世界に干渉していた、らしい。
- 雪華綺晶の城には、天蓋の大時計のレプリカがある。ローゼン=箱庭の大時計、雪華綺晶の大時計=鳥海皆人。最後のアリスゲームの裏で、ジュンは、皆人の大時計を組み替えて、ローゼンに出逢い、お父様を継承し、新ローゼンになる。
- 第0世界
- nのフィールドに近い異空間世界。現実世界を裏側から見た場所。自分がはっきりしていなければ迷子になる。「パラレルワールド内のどの世界の」「誰の視点か」によって、見え方が異なる。
- ジュンの第0世界(≒ジュン視点での、まいた世界)は、ビジュアルがない無数の文字の世界に見えるが、これは彼が文字への依存度が強いため。
- 大ジュンの第0世界(≒大ジュン視点での、まかなかった世界)も、基本的に同様である。だが、TALE17にて一気に精神的成長を果たして、別物へと変わる。世界は目に見えない選択肢に満ちている・自分の手で世界を選び取れることに気づいたことで、文字と暗闇の第0世界は砕けて、白く明るい第0世界となる。
- 無意識の海:あらゆる人間の心の集合が海になっている。個人のエリアがあるが、境界は曖昧。ドールはマスターから力をもらい、心も近くなる。たまに心がお互いに流れ込む。浸かると悪い記憶が思い出される。アリスゲームの敗者の魂は、迷子になってここを漂うと言われている。
- 9秒前の白:無意識の海の底にある、真っ白い世界。Phase28でジュンが蒼星石の魂や、泣く水銀燈(夢の精神体)と邂逅する
- 雪華綺晶のフィールド(第42951世界):中心部には巨大な水晶の城がそびえ、周囲にはいら草と水晶でできた樹木が生い茂る。雪華綺晶の力で生み出されたあらゆる物が侵入者を阻む。そびえ立って見える城も幻影で、通常の方法では入ることすらできない。城の中枢は機械仕掛けで、お父様の箱庭を模し、天蓋の大時計のレプリカがある。3部のラストダンジョン。
- 雛苺のフィールド(第82633世界):柏葉巴の部屋を模しており、お菓子や人形で溢れている。
- 夢の世界:nのフィールドの一部。個人の精神世界で、基本的には直接行けるのは当人だけ。間接的に行くとなると、まずnのフィールドへ入り、無数の扉の中から目的の扉を探す必要がある。夢庭師の双子は本人のそばに行けば、夢の扉(波紋状の空間のゆがみ)を作って直接入れる。
- 箱庭:ローゼンの庭。ローゼンメイデンの故郷。天蓋の大時計が、人工の太陽と月と星で時間を刻む。
- ローゼンのアトリエ:ローゼンがローゼンメイデンを作った場所。箱庭の奥にある(が、ローゼン以外は入れない)。
- 暗闇:nのフィールドの最果て。ゼロドールがいる。
- 鏡面の結菱邸:坊ちゃんが、逆さ双眼鏡で出入りする空間。黒衣の真紅がいる。誰にも見つからない、盲点のような場所。
注釈
- ^ PhaseとTALEが、愛蔵版にてepisodeとして通算カウントされる。幾つかの話は番外扱い。
- ^ 雑誌TV Bros、ゴスロリバイブルなどでもそのような形で本作が紹介されている。
- ^ 真紅はバーズ版単行本3巻収録の番外コラボギャグ短編でも鞄で飛行している。漫画で真紅が鞄で飛ぶシーンはこれのみである。
- ^ Mercury=水銀だが、この表現は英語寄り。ドイツ語だとMerkur(メルクール)となり、さらにQuecksilber(クヴェクズィルバー。英語ならクイックシルバー)と言う方が常用的。
- ^ ラピスラズリの綴りは基本的にドイツ語でも「Lapislazuli」である。誤植か意図的であるかの真偽は不明。
- ^ 「トロイメント」とは、動詞träumen(夢を見る)の現在分詞である。
- ^ 「Rosenkristall」(ローズクォーツ。バラ水晶)+「Rozen Maiden」の造語。
- ^ 副題は序曲の意。ドイツ語での正しい発音は「ウヴェルテューレ」だが、ドイツ語圏にも地方によって発音の違いがあり、オーベルテューレといった解釈も完全な間違いではない。2007年2月21日にDVD発売。
- ^ 後にMellowHeadレーベルは親会社のランティスの1レーベルとなる。
- ^ 同様の企画が後述の「水銀燈ファン決起集会」でも実施され、2005年年末のコミックマーケット69のTBSブースでそれらが展示された。
- ^ 『オーヴェルちゃん、新解釈ぅ〜』など。
出典
- ^ 『ローゼンメイデン STARTER BOOK』(デジタル無料試し読み版。2016年)。
- ^ a b 『月刊ヤングジャンプ』2009年1月号、集英社、2008年12月11日、144頁。
- ^ 『ゴシック&ロリータバイブル』vol49 54ページ。
- ^ a b “「ローゼンメイデン」20周年で愛蔵版が全7巻で登場!カバーは描き下ろし”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年5月10日) 2022年7月19日閲覧。
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- ^ “『Alice Closet(アリスクローゼット)』×「ローゼンメイデン」コラボ衣装第2弾がプレミアムダイヤガチャに登場!さらにミュージアムにて期間限定カテゴリーも開催中!”. PR TIMES (2021年4月20日). 2021年6月11日閲覧。
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- ^ 伝説の“描かないマンガ家”は復活できるのか? 山本夜羽音がマンガ家復帰支援ファンドに登場|おたぽる
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- ^ “ローゼンメイデン愛蔵版/5|PEACH-PIT|愛蔵版コミックス|”. 2022年7月19日閲覧。
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- ^ “ローゼンメイデン愛蔵版/7|PEACH-PIT|愛蔵版コミックス|”. 2022年8月19日閲覧。
固有名詞の分類
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