ラプラスの魔 (コンピュータゲーム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 20:22 UTC 版)
関連作品
小説版
- 『ラプラスの魔』イラスト:結城信輝(1988年、角川文庫)ISBN 978-4044601010
- 安田均が原案、山本弘が執筆。これが山本の長編デビュー作となる。基本的な設定はゲーム版に基づいているが、探索者として小説版オリジナルの登場人物たちが主人公となっており、後に出たコンシューマーゲーム版や『パラケルススの魔剣』では自作キャラクターの代わりに主人公となっている。また、クトゥルフ神話とリンクするシーンも多い。
- 『ゴーストハンター ラプラスの魔』 イラスト:弘司(2002年、角川スニーカー文庫)ISBN 978-4044601102
- 『ラプラスの魔』の新装版。あとがきによれば、修正は最小限にとどめたとのこと。
- 『ゴーストハンター ラプラスの魔 【完全版】』(2014年、KADOKAWA/富士見書房)ISBN 978-4040702452
- 下記の外伝『死のゲーム』を収録した再新装版。
- 『ラプラスの魔外伝 死のゲーム』LOGOUT ノベルスペシャル(1993年)
- ウェザートップ館で遊んでいた子供たちが惨殺・行方不明となった事件を描いた短編。当初は小説版のプロローグとして書かれたが、推敲の過程で削除された部分が外伝として発表された。雑誌掲載から21年後に発売された『【完全版】』が初の単行本収録となる。
小説版登場人物
- モーガン・ディラン
- 当時としては珍しい女性新聞記者(ジャーナリスト)。その職業にふさわしく、進歩的かつ行動的な女性。名前はペンネームであり、本名はジュリエッタ。
- アレックス・クイン
- 元警官の探偵。行方不明となった少女の父より依頼を受けて屋敷を訪れた。
- ビンセント・ホフマン
- 変わり者だが優秀な青年科学者。発明によって産まれた特許権などをメーカーに売り込んでおり、その収入で暮らしている。自作の発明品で幽霊騒動を検証するため館を訪れた。
- ジョアンナ・サリバン
- 黒髪の美女。本業はモデルだが霊能者であり、失踪した恋人を追い求めて、夢で霊視した館を訪れる。
- ラモント・ブラックウッド
- 神秘学研究家(ディレッタント)。学はあるが、女性を蔑視したり有色人種を差別視したりといった古い考え方に凝り固まった人物。
- ディック・オーガスト
- インチキ霊媒師。ハリー・フーディーニによって舞台上でインチキが暴かれ人気が急落。今回の事件を利用して人気を取り戻そうともくろむ。
- 草壁 健一郎
- 東洋人の魔術師。事件が起こるしばらく前にウェザートップ館を訪れたが、そのまま消息を絶っていた。
- ベネディクト・ウェザートップ
- ウェザートップ館の主で魔術師。自分の母親を生き返らせることを目的に、禁断の魔術に手を出し行方不明となる。
- ピエール=シモン・ラプラス
- 物語後半で登場する「もう一つの世界」の支配者。ナポレオンのヨーロッパ征服を助け、その死後に起こった後継者争いをうまく立ち回ることでフランス帝国の皇帝となる。
- 名前無きもの
- 「名状しがたきもの」とも呼ばれる。ラプラスによって遥か深遠の宇宙より召喚された超越的パワーを持つ魔物であり、クトゥルフ神話のハスター。現実に出現したラプラスの魔であり、「もう一つの世界」は彼が視ている夢であるため、この世界のラプラスはそれを通じて未来の出来事を予知することが出来る。
漫画版
1989年に発刊された、MEIMUによる漫画版。レーベルは角川書店のコンプコミックス。
ゲームブック版
1987年に発刊された、下村家惠子・作、安田均・監修によるゲームブック版。編集はアスキー出版局。
地図と本を組み合わせてプレイする形式で、ゲームシステムは安田均が考案した。テーブルトークRPGのソロシナリオ的な側面を持つ。巻末には切り取って使う「死者の間」(死亡したキャラクターシートの保管場所)が掲載されており、これがゲーム進行上、意味を持つ。
システムやストーリーは高度に練り込まれており完成度の高い作品ではあるが、マップと本の両方で誤記や段落ナンバーが脱落した箇所が多数に上り、まともにプレイすることは不可能な代物になってしまった。
他のバージョンに比べてホラーやグロテスクやオカルト色が強く、PC版ですら不気味な恐怖感に満ちていたがゲームブック版はそれ以上であり、総じて大人向けの雰囲気となっている。
テーブルトークRPG
本作の続編『パラケルススの魔剣』のに先駆けて、テーブルトークRPG専門誌『LOGOUT』(アスキー)誌上で、『パラケルススの魔剣』の小説、コンピュータゲーム、テーブルトークRPGによるメディアミックス企画がスタートし、1994年にはコンピュータゲーム版、ノベライズ版、テーブルトークRPG『ゴーストハンターRPG』が発売された。
- ^ a b c d e f g ginger (2015年10月29日). “東京レトロゲームショウ2015:第25回 ホラーRPGの名作「ラプラスの魔」で,名状しがたきものに立ち向かえ!” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2017年11月26日閲覧。
- ^ この『機械』なる装備品がなぜ精神戦闘を行えるのか?はPCゲーム作品中では判りにくいが、原作の小説版ではカサンドラ姫から託された「魔法を無効化する腕輪」を科学者が借りて分析しその結果、超伝導物質であることが分かった。科学者の憶測によれば「超伝導体は強い反磁性を持ち、磁界を打ち消すように反発する。確証は無いが魔法にも反発するのではないか?またリング状に形成すればその超伝導性により大量の電荷をためる事が出来、電気ショック[要曖昧さ回避]を与える武器も作れる。また、以前の経験から霊体が現れるときはイオンを帯びることが判っている。イオンは良伝導体であり通電させることにより中和出来る。」との事であり、この科学者はラプラス城決戦の際には強い力を持った霊体をこの自作型大容量蓄電器で撃退している。PCゲーム中ではここまで厳密では無いが霊体を始め精神的なダメージを与える道具として表現されている。
- ^ “「プロジェクトEGG」,ホラーRPG「ラプラスの魔(X68000版)」が本日配信” (日本語). 4Gamer.net. Aetas (2014年4月8日). 2019年5月18日閲覧。
- ^ “「ラプラスの魔(PC-9801版)」と「地獄の練習問題(PC-8801版・Windows10対応版)」がプロジェクトEGGで配信開始” (日本語). 4Gamer.net. Aetas (2016年7月26日). 2019年5月18日閲覧。
- ^ a b “ラプラスの魔 まとめ [PCエンジン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年12月20日閲覧。
- ^ a b “ラプラスの魔 まとめ [スーパーファミコン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年12月20日閲覧。
- ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、53頁。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、416頁、ASIN B00J16900U。
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