ボンネット (自動車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/05 21:15 UTC 版)
様々なボンネット
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日本特有の呼称事情として、いわゆる3ボックスないし2ボックスの車両の、キャビンの前方に配置されたリッド(蓋)は、エンジンフードでなくともすべてボンネットと呼ぶ状況がしばしば見受けられる。これは特に自動車業界に関わっていない一般人の間で広くみられる傾向であり、新規格軽トラックに多く見られるセミキャブオーバーの前車軸上のフロントリッド[5]や、トヨタ・MR2などをはじめとするミッドシップ車のトランクリッド[6]も、一括してボンネットと呼ばれる場合がある。逆にエンジンフードとして機能する蓋は車体の何処にあっても、どのような形状であっても一括してボンネットと呼ばれる場合もある。
キャブオーバーの大型トラックの場合には、エンジンがキャブの下にあるためボンネット自体は存在せずチルトキャブと呼ばれる機構で、キャビン全体を斜め前方に跳ね上げることでエンジンの整備を行う。
小型トラックや軽トラックに多い、チルトキャブを持たないキャブオーバートラックの場合、その多くは座面を跳ね上げたり取り外したりすることでエンジンの整備が行え、この座面(キャブの床)がエンジンフードを兼ねていると言える。軽トラックの中でもミッドシップを採用するホンダ・アクティは、荷台のねじ止めされた金属製の蓋(メンテナンスリッド/サービスリッド)を開けてエンジンにアクセスする仕様である。このようなねじ止め式の蓋はリアエンジンを採用するスバル・サンバーにもみられるが、サンバーの場合には更に下ヒンジのバンパー自体を後方に開けてエンジンにアクセスできる仕様となっており、バンパーがエンジンフードを兼ねているともいえる。またフロントエンジン車でもDC51T/DD51T型スズキ・キャリイのようにキャブ床と荷台の両方にメンテナンスリッドを備える例がある。(なお4WDのDD51Tはエンジンそのものがフロントミッドシップといえるほど後方にあり、ここを開けないとエンジン後部へのアクセスが非常に困難になる。)
オートバイの場合には、エンジン周辺または車体全体にフェアリング(カウル)を備える車体、例えばツアラーの一部や、多くのビッグスクーターにおいて、フェアリングの一部やメットインスペースの内部にエンジン整備用のメンテナンスリッドを備えている場合がある。
車体後部のエンジンフードの例、フィアット・X1/9。ミッドシップ特有のこのようなリッドを持つ場合は、エンジンフードやメンテナンスリッドと呼ばれることの方が多い。
車体後部のエンジンフードの例、スバル・ドミンゴ。姉妹車のサンバー共々バンパーを開くことでエンジンにアクセスできるリアエンジンでも特に稀有な構造であり、すでにエンジンリッドとの境界すら曖昧となっている例である。
エアスクープが装着されたボンネットの例、マツダ・サバンナRX-7(FC3S)。インタークーラー冷却用であり、北米向け自然吸気車(写真では左の白い車体が相当)には存在しない。
パワーバルジが装着されたボンネットの例、ホンダ・シティターボII。こちらもNA車には存在しない。
フードクレストマークが装着されたボンネットの例、日産・シーマ(FPY31)
エンジン冷却用エアスクープ(en:NACA duct)装着例、日産・フェアレディZ(S130)。ターンフローの日産・L型エンジンの中でもハイチューン仕様特有の装備である。
排気専用エアスクープ装着例、ダッジ・ステルス。
ダミーとしてのエアスクープ装着例。三菱・スタリオン初期型。元々エアスクープ自体がインタークーラーとは関係ない位置についていたため、初期型NA車および後期型全車では省略された。
社外品のスーパーチャージャーでキャブレターターボ仕様としたAMC・AMX。パワーバルジでも間に合わないほど巨大な補機を装着する場合には、しばしばボンネットには穴があけられる。
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