ブラジル風バッハ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/02 07:56 UTC 版)
ヴィラ=ロボスはパリに遊学した際に、新古典主義音楽の洗礼を受けており、その影響もあってか「トッカータ」「フーガ」といった題名の擬似バロック的な楽章が含まれる反面、「エンボラーダ」「カイピラの小さな汽車」のように民族的な題名をもつものも見受けられる。内容から見ても、第1番のように題名に比較的忠実なもの、第2番のようにジャズの影響が顕著なもの、第3番のように新古典主義の理想により忠実なもの、第5番のように国民楽派の傾向が鮮明なものとに分かれている。しかしながら、民族的なリズムや旋法による旋律を、多声的に処理するという姿勢においては首尾一貫している。それゆえに「現代版(またはブラジル版)のブランデンブルク協奏曲」と呼ぶこともある。
第1番
- 序奏(エンボラーダ) Introdução: Embolada
- 前奏曲(モヂーニャ) Prelúdio: Modinha
- フーガ(対話) Fuga: Conversa
第2番
1933年作曲。室内オーケストラのための作品。1、2.4楽章は初期のチェロとピアノのための作品、3楽章はピアノ曲からの改作であり、それぞれの題名から標題的な傾向が鮮明である。しかもサクソフォーンの活躍が目立ち、ジャジーなテイストも濃厚である。
- 前奏曲(ならず者の唄) Prelúdio: O Canto do Capadocio
- アリア(祖国の唄) Ária: O Canto da Nossa Terra
- 踊り(藪の思い出) Dança: Lembrança do Sertão
- トッカータ(カイピラの小さな汽車) Tocata: O Trenzinho do Caipira
第3番
1934年作曲。ピアノと管弦楽のための協奏的作品。
- 前奏曲(ポンテイオ) Preludio: Ponteio
- 幻想曲(脱線) Fantasia: Devaneio
- アリア(モヂーニャ) Ária: Modinha
- トッカータ(きつつき) Toccata: Picapau
第4番
ピアノ曲として構想(1930年-41年)。1942年改訂版により管弦楽化。
- 前奏曲(序奏) Preludio: Introducao
- コラール(藪の歌) Coral: Canto do Sertão
- アリア(賛歌) Ária: Cantiga
- 踊り(ミゥヂーニョ) Danza: Miudinho
第5番
1938年作曲、1945年改訂。ヴィラ=ロボスの最も有名な作品である。ソプラノ独唱と8つのチェロのための作品だが、ストコフスキーはアンナ・モッフォと組んだ録音において、「オリジナルは8本のチェロが伴奏する形で書かれている。しかしヴィラ=ロボス自身が、さらに4本のチェロを部分的に追加し、2本のコントラバスによってバスの旋律的な流れを補強しようと考えていた」と述べている。
- アリア(カンティレーナ) Ária: Cantilena :ヴォカリーズに始まりハミングで復唱される有名な旋律。中間部の歌詞はルツ・ヴァラダレシュ・コレア(Ruth Valadares Correa)による。
- 踊り(マルテロ) Dança: Martelo :マヌエル・バンデイラの歌詞による。
第6番
- アリア(ショーロ) Aria: Choro
- 幻想曲 Fantasia
- 1 ブラジル風バッハとは
- 2 ブラジル風バッハの概要
- 3 第7番
- 4 参考文献
固有名詞の分類
管弦楽曲 |
ハルナシェ そりすべり ブラジル風バッハ SF交響ファンタジー イタリア風序曲 |
合唱曲 |
僕等のダイアリー いい日旅立ち 合唱のためのコンポジション ブラジル風バッハ 聖歌四篇 |
組曲 |
アルザスの風景 リンカンシャーの花束 バレンシアの寡婦 ブラジル風バッハ アメリカ組曲 |
室内楽曲 |
ヘブライの主題による序曲 鯨の声 愛の挨拶 ブラジル風バッハ 森の静けさ |
弦楽合奏曲 |
弦楽のためのアダージョ フランク・ブリッジの主題による変奏曲 ピツィカート・ポルカ チャイコフスキーの主題による変奏曲 ブラジル風バッハ |
ピアノ協奏曲 |
ペトルーシュカ スペインの庭の夜 ブルレスケ 家庭交響曲 ブラジル風バッハ |
ヴィラ=ロボスの楽曲 |
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