フクロモモンガ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 03:19 UTC 版)
人間との関係
広域に分布し生息数が多いと考えられていることから、絶滅のおそれは低いと考えられている[1]
保護
多くのオーストラリア固有種、特に小型種と違い、フクロモモンガは絶滅の危機にはさらされていない[5]。フクロモモンガは、ここ200年にわたる自然環境の大規模な開発にもかかわらず、残存した狭い地域に適応し、また伐採された地域を交差する必要がないために、生息することができている。フクロモモンガはオーストラリアでは法で保護されており、通常、調査のためにのみに発行される許可証なしには、捕獲、販売、飼育することは違法である[6]。
ペット
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離乳前後から育てたフクロモモンガは飼い主にたいへんよくなつくため、近年ではペットとしての人気を集めている。
しかし、本来フクロモモンガは警戒心と縄張り意識の強い動物であり、見知らぬ人間の接近に対しては苛烈な威嚇をすることがある。 そうした人馴れしていないフクロモモンガであっても、忍耐強く世話をすれば一定の信頼を預けるようにはなる場合もあるが、個体差は大きい。
活発な動物であるため、本種が活動する空間としては最低76cm×76cm×76cmのケージが薦められる。 オスメスの番いで飼育した場合、最短三ヶ月周期で1~2頭生むので、出産のコントロールのための複数のケージが必要となる。 健康状態のよいまま保護された本種を繁殖させることは難しくはない。 ケージには枝や蔦を入れることで、フクロモモンガの本来の生育環境に近づけることができる。
餌は人工飼料や果物類を中心に、新鮮な野菜と少量の動物性タンパクを日替わりで与える。
フクロモモンガの食性は雑食であるが、栄養のバランスを保つことが難しい。 たとえばフクロモモンガが好んで食べる昆虫類は総じてリン分が多すぎる傾向にあり、与えすぎるとカルシウム欠乏に陥り、骨粗鬆症などを発症する場合がある。また、ビタミン不足からくる脚気なども患いやすい。
海外ではメジャーな飼育動物であり、必要な栄養価を十分に研究して配合されたペレットが存在し、給餌の中心に据えることで栄養の偏りを補うことができるが、非常に偏食しやすい動物でもあるためペレット類に興味を示さない場合も多く、そうした際には栄養バランスを保つために欠乏しがちなビタミンやカルシウム等の栄養素を餌に添加する必要もでてくる。
特定の植物はフクロモモンガにとって有害であるので、与えないよう注意する。
- ^ a b c d Salas, L., Dickman, C., Helgen, K., Winter, J., Ellis, M., Denny, M., Woinarski, J., Lunney, D., Oakwood, M., Menkhorst, P. & Strahan, R. 2016. Petaurus breviceps. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T16731A21959798. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-2.RLTS.T16731A21959798.en. Downloaded on 17 April 2020.
- ^ a b c d Colin P. Groves, "Order Diprotodontia," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 43-70.
- ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
- ^ “4月にカラスに虐められ衰弱しているところを保護され警察遺失物係経由弊院にやってきたフクロモモンガのオトメちゃん(仮名)。看護師が自作のポシェットに入れ人の声・匂いに馴らせる仲良し作戦も功を奏し元気回復、だいぶ馴れてきました。診察中も交代で皆んながポシェットに入れ下げています。壊死していた手足は取れてしまいま... | By まるやま動物病院 | Facebook”. ms-my.facebook.com. 2023年3月14日閲覧。
- ^ Gliders - Monash University [リンク切れ]
- ^ Fauna Permits — Government of South Australia[リンク切れ]
固有名詞の分類
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