パルス符号変調 PCMプロセッサー

パルス符号変調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/13 21:01 UTC 版)

PCMプロセッサー

アナログビデオテープレコーダーと組み合わせ、音声をデジタル信号で記録する装置。アナログ-デジタル変換回路デジタル-アナログ変換回路を備える。業務用と家庭用の製品が発売され、従来のテープレコーダーを上回る高音質の記録が可能な機器として利用された。コンパクトカセットが普及していたことから、家庭への導入はオーディオマニアなどの極僅かな事例のみに留まり、業務用レコーディングのデジタル化を中心に導入された。

PCM音源

PCMデータをDA変換装置によって変換することで音を再生する装置をPCM音源という。サンプラーサンプリング音源と呼ばれることもある。

ソフトウェア技術

ソフトウェアミキサー

アプリケーションソフト側から見ると、任意の個数・性能の仮想PCM音源を鳴らす形となっていて、それらをPCM再生ハードウェアに向けてミキシングして送り出す機能を持つソフトウエアがあり、ソフトウェアミキサーという。近年CPUの大幅な処理速度向上により、よりリッチな表現が可能になった[注 3]DirectXで音声データに音階を付与する機能、ソフトウェアMIDI音源などはいずれもこの技術によって成り立っている。家庭用ゲーム機でこれを利用しているものの代表として、ゲームボーイアドバンスが挙げられる。一方、これをほとんど利用しないゲーム機にはPlayStation 2などがある。これはPSやPS2において、ハードウェアPCMまたはストリーミング再生というスタイルがほぼ確立しているためである。

非PCM音源によるPCMデータの再生

PCM音源を持たないゲーム機では、CPUでサンプリングデータを順次DACに送信してPCMを再生したものがある。ネオジオポケット光速船などが単独でDACを搭載していたほか、メガドライブPCエンジンは音源の一部をDACとして使うことができ、それを使ってPCMを再生していた。

ハードウェア制御を細かに行うことにより、発声が可能なハードウェアをDACに見立て、音声を再生する手法も存在している。ビープ音用のハードウェアでパルス幅変調を行ったり、矩形波の出力をDACに見立てPSGによるPCM再生を行う試み[4][5]や、同様にX68000ではOPMに音色として矩形波を定義し、8チャンネルの出力ポートを利用することで、最大でモノラルでは50kHz前後、ステレオで25kHz前後のサンプリング周波数の再生を可能にしたソフトウェア[6]も存在する。DACとしては非線形指数的の特徴を持つなど、元々想定していないハードウェアであるため、再生の音質は想定した設計のものと比較し、低くなりがちである。

また、波形メモリ音源では、制御する側で1周期ごとに波形を更新してPCMを再生したソフトウェアも存在する。

インターネット

マイクロフォンからの入力をADCによりデジタイズしてCPUレジスターやメモリーへ書き込み、時限的なソフトウェア割込などで、ネットワークに流す手法が一般化している。プログラミング言語で比較的容易にコーディングが行え、ビデオ会議アプリケーションやサイマルラジオ、サイマル・テレビなどの完成されたアプリケーションを利用することで遅延はあるものの技術的な内容を意識することがなく使われている。

脚注


注釈

  1. ^ マスキング効果ともヴェーバー‐フェヒナーの法則とも解釈できる。
  2. ^ 192kHz時のみ5.1chサラウンド。
  3. ^ 2008年現在、環境にもよるがCPU占有率1%未満。

出典

  1. ^ 沖村 & 高橋 1991, p. 110.
  2. ^ HDサラウンドサウンド向けのロスレスオーディオ、ドルビーTrueHD”. ドルビーラボラトリーズ. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月20日閲覧。
  3. ^ “次世代サラウンド規格に完全対応。オンキョーのAVセンターTX-SA805に注目!”. Stereo Sound ONLINE (ステレオサウンド). (2007年5月25日). http://www.stereosound.co.jp/news/article/2007/05/25/1340.html 2021年6月20日閲覧。 
  4. ^ Oh!FM 1990年4月号「しゃべるんどすえ」[要ページ番号]
  5. ^ Oh!X 1995年12月号 BREEZE[要ページ番号]
  6. ^ Oh!X 1999年夏号「内蔵音源を駆使した高品位ステレオ PCM 再生」[要ページ番号]


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