パッションフルーツ 食利用

パッションフルーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 09:28 UTC 版)

食利用

甘酸っぱいゼリー状の果肉と、やや固めの小さな種子の部分を食用にする[2]。可食部は果実の大きさからするとさほど多くはないが、芳醇な香りと鮮烈な酸味がある。甘味に比べて酸味が勝る酸っぱい果物であるが、追熟(皮の表面が皺になる程度)すると甘味が増す。食材としてのは6 - 8月ごろとされ、果皮に傷がなく香りが良いものが良品であるが、果皮にしわが出ているものは熟している証拠なので、すぐに食べる分には問題ない[2]。果皮がツルツルしているものは、常温(25℃程度)で3日〜7日ほど、直射日光の当たらない風通しの良い場所において、追熟させると甘味が引き立ち、香りも出てよい[2]

世界の生産量の9割ほどが加工品として利用されており、菓子ジュースの材料として流通している。ケーキペイストリーの具材、ゼリーカクテル用のリキュールシロップなどが作られる。煮詰めて加糖した「希釈用ジュースの素」は東南アジアほか、日本では南西諸島での人気が高い。加工に当たっては、過度に加糖したり、フィリピン産の原産地表示を故意に怠るなどの問題も見られる。

生食の場合は、レモンスカッシュと同じく、果汁を水で割り砂糖を加えて飲んだり、ヨーグルトアイスクリームに入れたり、カクテル材料にしたりする。このほか、果実を半分にカットしゼリー状の果肉をスプーンですくって種ごと食べるが[2]、この場合、種を分離するのは難しいため、通常は種を噛まずに喉ごしを楽しむことになる。酸味が強く、甘味が不足気味なので砂糖をまぶすこともある。

栄養素は、β-カロテンが豊富に含まれていて、体内でビタミンAに変わり老化防止や免疫力の強化に役立つといわれる[2]。高血圧予防の働きがあるカリウム、血流をよくするナイアシン、妊婦によいとされる葉酸なども含まれている[2]


  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Passiflora edulis Sims クダモノトケイソウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 204.
  3. ^ 日高敏隆(監修)『日本動物大百科10 昆虫III』平凡社、1998年


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