ノーベル賞 候補者の予想

ノーベル賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/27 06:07 UTC 版)

候補者の予想

2017年以降、クラリベイト・アナリテイクスは、同社が運営する代表的なサイテーションインデックス(学術文献引用データベース)のWeb of Scienceの情報に基づいて、ノーベル賞の有力候補者の予想としてクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を発表している。2011年のノーベル賞においては、自然科学系の3賞と経済学賞の受賞者9人全員が、過去にトムソン・ロイター引用栄誉賞(現・クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞)で候補に挙げられていた[35]

賞に関する記録

ノーベル数学賞

ノーベル賞に数学部門が存在しない理由として、スウェーデンの著名な数学者ヨースタ・ミッタク=レフラーがノーベルの妻を奪ったことを根に持ったためだとする俗説があるが[37]、そもそもノーベルは生涯独身であった。

しかし、数学賞がない原因がミッタク=レフラーとの確執にあるという噂は、文献による証拠がないものの事実である可能性がある[37]

実際、1890年にミッタク=レフラーがソーニャ・コワレフスカヤへの資金的援助をノーベルに頼んだとき、ノーベルはこれを断っている[37]。またノーベルの1883年の遺書には自身の遺産の一部をミッタク=レフラーのいたStockholms Högskola(のちのストックホルム大学)にも渡すように書いていたが、1896年に最終版の遺書を書いたときにはこの記述を削除した[37]。Högskolaの学長を勤めたオットー・ペテルソンスヴァンテ・アレニウスの推測によれば、ノーベルの遺書からこの記述が削除されたのは、ノーベルがミッタク=レフラーを嫌っていたためである[37]

当時の人々によるミッタク=レフラーの性格に関する評価は肯定的なものではない[37]

数学者のフィールズも2人の確執はありそうな話だとしている[37]が、フィールズ自身はミッタク=レフラーと親しく、このことがフィールズ賞の設立につながったのではないかとする意見もある[37]

このような経緯があったにもかかわらず、ミッタク=レフラーはマリ・キュリーのノーベル物理学賞受賞に貢献している。女性への偏見が強かったフランス科学アカデミーは彼女のノーベル賞への推薦を意図的に削除したが、ミッタク=レフラーが彼女を強く推したため、彼女はノーベル賞を受賞する運びとなったのである。詳細はマリ・キュリー#女性としてを参照。


注釈

  1. ^ また、平和運動についても、考えるようになった。ノーベルは本来は土木工事の安全性向上を目的としてダイナマイトを発明したのであり、それが戦争に用いられたのはその意志に反していたという風聞があるが、実際にはノーベルにとってダイナマイトが戦争目的で使われることは想定内であった。むしろノーベルは、ダイナマイトのような破壊力の大きい兵器が使われること自体が戦争抑止力となることを期待した。死の商人として糾弾されたことは、ノーベルにとってダイナマイトが戦争抑止力として機能しなかったことに対しての衝撃であった(『当った予言、外れた予言』ジョン・マローン著 文春文庫 ISBN 4167308967)。
  2. ^ 但し、ワトソンが売却したメダルは後に落札者であるアリシェル・ウスマノフの意向により、返還された[26]
  3. ^ 朝日新聞社編 『100人の20世紀(上)』 朝日文庫 p237-「山極勝三郎」。ただし、科学ジャーナリストの馬場錬成はその著書『ノーベル賞の100年』(中公新書)の中で、3回にわたるノーベル財団への取材経験から、ノーベル賞選考における日本人差別は「100パーセントないだろう。」と指摘している。また、2004年に(山極が候補となった)1926年の医学生理学賞の選考書類を再調査した文献でもそのような指摘はない(山極の項目を参照)。また、この時すでにインドのタゴールがノーベル文学賞を受賞している。
  4. ^ 自然科学分野では、ヨハネス・ベドノルツカール・アレクサンダー・ミュラーが、酸化物高温超伝導体の発見の論文発表から約1年後の1987年に受賞したのが最短記録。

出典

  1. ^ ノーベル賞 オフィシャルサイト” (英語). NobelPrize.org. 2020年10月9日閲覧。
  2. ^ The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel”. 2016年5月5日閲覧。
  3. ^ Not a Nobel Prize, “Nomination and Selection of Laureates in Economic Sciences”, Nobelprize.org, http://www.nobelprize.org/nomination/economic-sciences/ 2016年10月16日閲覧。 
  4. ^ a b c d 「ノーベル経済学賞」は「ノーベル賞」ではない!? - ことばマガジン:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞. 2020年4月15日閲覧。
  5. ^ Golden, Frederic (2000年10月16日). “The Worst And The Brightest”. Time (Time Warner). http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,998209,00.html 
  6. ^ Sohlman 1983, p. 13.
  7. ^ Sohlman 1983, p. 7.
  8. ^ von Euler, U. S. (1981年6月6日). “The Nobel Foundation and its Role for Modern Day Science” (PDF). Die Naturwissenschaften (Springer-Verlag). オリジナルの2011-07月14時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110714080803/http://resources.metapress.com/pdf-preview.axd?code=xu7j67w616m06488&size=largest 2010年1月21日閲覧。 
  9. ^ Abrams 2001, p. 7.
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  16. ^ ノーベル平和賞 (Norway - the official site in Japan)
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  19. ^ About the Nobel Prizes”. Nobelprize.org (2013年1月15日). 2013年6月15日閲覧。
  20. ^ 大隅良典栄誉教授がノーベル賞授賞式・晩餐会に出席 | 東工大ニュース | 東京工業大学
  21. ^ カトラリーにかける思い - 山崎金属工業株式会社
  22. ^ “ノーベル賞の賞金、2割減らします…運用益低迷”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2012年6月12日). オリジナルの2012年6月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120615234752/http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120612-OYT1T00318.htm 
  23. ^ 賞金に税金かかる?湯川博士受賞を機に非課税に 五輪メダリストの報奨金もMSN産経ニュース、2014年10月8日閲覧。
  24. ^ 益川教授「土産はこれだ」 メダルチョコ600個も購入 - asahi.com 2008年12月9日
  25. ^ “Crick's DNA Nobel medal gets $2 million at auction”. ネイチャー. (2013年4月11日). http://www.nature.com/news/crick-s-dna-nobel-medal-gets-2-million-at-auction-1.12790 2017年11月19日閲覧。 
  26. ^ ノーベル賞メダル「お返しします」=落札のロシア富豪-ワトソン博士の元へ”. 時事通信 (2014年12月11日). 2014年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月21日閲覧。
  27. ^ 露紙編集長のノーベル平和賞メダル、140億円で落札…全額をウクライナの子ども支援に”. 読売新聞 (2022年6月21日). 2022年6月21日閲覧。
  28. ^ “ノーベル賞メダル5億4700万円”. 西日本新聞. (2014年12月6日). http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/7943/10825 2014年12月7日閲覧。 
  29. ^ 冲中重雄4. 呉先生のシゴキ ― 国際神経学会へ随行」『私の履歴書 第44集』日本経済新聞社、1971
  30. ^ サルトルのノーベル賞辞退の背景、書簡間に合わず 新資料で判明 サイト:AFP通信 更新日:2015年1月5日
  31. ^ ノーベル平和賞(Norway - The official site in Japan)
  32. ^ 小社会 ノーベル文学賞” (日本語). 高知新聞 (2019年10月11日). 2020年10月7日閲覧。
  33. ^ “[寄稿]英語熱が広がる中での韓国文学”. ハンギョレ. (2016年5月27日). http://japan.hani.co.kr/arti/culture/24252.html 2016年12月3日閲覧。 
  34. ^ ケンネ・ファント 服部まこと訳 『アルフレッド・ノーベル伝』 新評論 1996年 68章
  35. ^ トムソン・ロイターのノーベル賞予測:今年のノーベル賞受賞者9名すべてを過去に予測、2011年10月
  36. ^ それぞれが受賞した年の授賞式の日(毎年12月10日)時点で比較すると、ラウスのほうが約1ヶ月年長
  37. ^ a b c d e f g h Fields Institute "Mittag-Leffler and Nobel"






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