ディスコ (切断装置製造)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 15:03 UTC 版)
概要
1937年5月に工業用砥石メーカーの「第一製砥所」として創業する。1968年12月にダイヤモンドを練り込んだ超極薄切断砥石「ミクロンカット」を発表。当時の切断機器では砥石の破断が相次いだため、自社で切断装置を開発することになる。その経緯は「電子立国日本の自叙伝」で詳しく取り上げられた。ディスコとは、旧社名(Dai-Ichi Seitosho CO, Ltd.)の英文略称が由来[4]。
沿革
- 1937年5月5日 - 広島県呉市阿賀町に工業用砥石(ビトリファイド研削砥石[5])メーカー「第一製砥所」として関家三男が創業[4][6]。
- 1940年 - 有限会社第一製砥所に改組し、本社を東京府神田に移転[注釈 1][5][6]。
- 1941年 - 稲根本製砥所を買収し、本社を五反田に移転[5]。
- 1956年 - 国産初の極薄レジノイド砥石を実用化[6]。
- 1950年 - 本社を東京都港区芝田町に移転[5]。
- 1958年
- 1968年12月 - 超極薄切断砥石「ミクロンカット」発表[6]。
- 1975年4月 - ダイシングソー(半導体切断装置)発表[6]。
- 1977年5月 - 株式会社ディスコに社名変更[6]。
- 1989年10月 - 株式を店頭登録[4]。
- 1999年12月 - 東京証券取引所一部上場[4][6]。
- 2018年 - 長野県茅野市にディスコ長野事業所・茅野工場、営業開始[5]。
- 2020年 - 茅野工場の新棟が竣工、翌年2021年に操業開始。
- 2024年4月1日 - 同日株式取引分から日経平均株価の構成銘柄に採用予定[7]。
主な取り扱い製品
精密加工装置
- ダイシングソー
- 半導体に使用されるシリコンウェーハなどのチップ分割を行う切断装置。
- レーザソー
- 半導体や電子部品製造において従来は砥石を使用したブレードダイシングが主流であったが、近年加工素材の多様化に伴い新たな加工方法としてレーザによるチップ分割を行う装置。
- グラインダー
- シリコンウェーハや化合物半導体などさまざまな素材の薄化研削を行う装置。
- ポリッシャー
- グラインディングにより発生する微細なウェーハ裏面の加工歪みを研磨することで除去し、ウェーハの抗折強度を向上させる装置。
- ドライエッチャ
- ポリッシャと同様の目的で使用される、プラズマを使用したウェーハ研磨装置。
精密加工ツール
- ダイシングブレード
- ダイシングソーに装着し、シリコンウェーハをはじめ、さまざまな被加工物の切断・溝入れなど切断加工を行うツール。
- グラインディングホイール
- グラインダに装着し、シリコンウェーハや化合物半導体ウェーハなどを薄く平坦にする研削加工を行うツール。
- ドライポリッシングホイール
- ポリッシャに装着し、裏面研削後の微細な研削痕を除去する(ストレスリリーフ)、研磨加工を行うツール。
注釈
出典
- ^ 組織図 - 株式会社ディスコ
- ^ a b c d e f g h i j k 株式会社ディスコ『第82期(2020年4月1日 - 2021年3月31日)有価証券報告書』(レポート)2021年6月29日。
- ^ 株式会社ディスコ 定款 第一章第1条
- ^ a b c d e “よくあるご質問 | 株主・投資家情報”. 株式会社ディスコ. 2021年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f “社史 | 会社情報”. 株式会社ディスコ. 2021年2月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “ディスコの歴史”. 株式会社ディスコ. 2021年2月14日閲覧。
- ^ “日経平均、ソシオネクストなど3銘柄採用 定期見直し”. 日本経済新聞 (2024年3月4日). 2024年3月5日閲覧。
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