テアゲス テアゲスの概要

テアゲス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/07 06:46 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

古代にトラシュロスがまとめた四部作(テトラロギア)集36篇の中に含まれるが、今日ではプラトンの真作ではなく偽書とする説が有力である[2]

構成

登場人物

  • ソクラテス - 60歳頃。
  • デモドコス - アテナイの元将軍で、引退後は郊外の田舎で隠遁生活を送る老人。2人の息子パラリオス、テアゲスと共に、『ソクラテスの弁明』でもソクラテスの知人としてわずかに言及されている[3]
  • テアゲス - デモドコスの息子で、裕福かつ様々な教育・能力を備えた、国事を志す青年。20歳頃。「国事・政治へと進むあらゆる条件・能力を備えていながら、病身であるというただ一つの理由ゆえに、哲学の道に留まらざるを得なかった」という経歴から、『国家』において、「病身によって哲学の道に踏み留まらされること」を意味する「テアゲスの馬銜(はみ)」という表現とともに言及されている[4]。『ソクラテスの弁明』でも、父デモドコス、兄パラリオスと共にわずかに言及されるが[3]、その時点では既に死亡していることが示唆されているので、30歳頃までに若くして亡くなったと考えられる[5]

年代・場面設定

ソクラテスは、息子テアゲスを連れたデモドコスと出くわし、彼に相談を持ちかけられる。デモドコスの提案でアゴラのゼウス柱廊へ向かいがてら、デモドコスが話を切り出す。

なんでも、息子テアゲスがソフィストに教えを請いたいと盛んに訴えるため、こうしてソフィストの誰かに弟子入りさせるべくアテナイの市内にやって来て、たまたまソクラテスと出くわしたところであり、ソクラテスに忠告がもらいたいと言う。

ソクラテスは、自分達が今一体どういう事柄について話をしているのか意見の統一をはかりたいと言い、テアゲスが何を望んでいるのか把握すべく、彼と問答を始める。

補足

本篇は、

  • ソクラテスが父親に息子の教育について相談される
  • 青年はソフィストに教えを請いたがっている

といった点で、初期対話篇の『ラケス』と『プロタゴラス』を掛け合わせたような構成となっている。

内容


  1. ^ ソピア」(: Σοφια)の訳語。
  2. ^ 『プラトン全集7』 岩波 pp.236-238
  3. ^ a b 『弁明』 33E
  4. ^ 『国家』 第6巻 496B-C
  5. ^ 『プラトン全集7』 岩波 p226


「テアゲス」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「テアゲス」の関連用語

テアゲスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



テアゲスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテアゲス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS