スターリング・ポンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 17:08 UTC 版)
硬貨
王立造幣局 (Royal Mint) にて発行されている硬貨は、1ペニー・2・5・10・20・50ペンス、1・2ポンドの8種類である。2008年より2ポンド硬貨を除いた7種類を、統合的にデザインしたものに一括変更する旨が発表され、2008年夏から順次流通する。英国の紋章を各硬貨ごとに分けて描き、それを並べると一枚の画像となるようにデザインされている。現在の1ポンドコインが発行される前の硬貨にはその全体像が描かれていた。
裏面のデザインは硬貨毎に違っており、2007年までの発行分は下記の通り。
- 1ペニー(青銅貨、2008年からは表面: 銅、内部: 鉄): 城門落とし格子紋章
- 2ペンス(青銅貨、2008年からは表面: 銅、内部: 鉄): プリンス・オブ・ウェールズの羽根徽章
- 5ペンス(白銅貨、2012年1月からは表面: ニッケル、内部: 鉄): アザミ冠紋章(スコットランドの国花)
- 10ペンス(白銅貨、2011年からは表面: ニッケル、内部: 鉄): 冠を頂くライオン(このライオンはイングランド王家の紋章 (Crest) である)
- 20ペンス(白銅貨): ルーローの七角形の硬貨。冠を頂くテューダー・ローズ(テューダー朝のバラ)。
- 50ペンス(白銅貨): 七角形の硬貨。ブリタニア(大英帝国を象徴する女神)とライオン。
- 1ポンド(ニッケル黄銅貨): 発行年ごとにデザインは変更され、連合王国の紋章と、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドをそれぞれ代表する意匠が順に使われてきた。
- (例)国花=イングランドのバラ、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーク、北アイルランドの麻。王家の紋章=イングランドの「三頭のライオン」、スコットランドのライオン、ウェールズのドラゴン、北アイルランドのケルト十字。2004年 - 2007年はこの4カ国の橋が使われた。
- 2017年3月28日から新たに流通しているポンド貨幣では初めて12角形のバイメタル貨が採用され、一面にエリザベス女王の肖像、もう一面には王冠とともにイングランドのバラ、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーキ、北アイルランドのシャムロックがデザインされている[9]。現在ではニッケル黄銅のみによる旧1ポンド硬貨は市場での流通が停止されており、金融機関での交換のみ認められている。
- 2ポンド(内側: 白銅、外側: ニッケル黄銅貨のバイメタル貨): 1997年に登場した硬貨で、縁にはアイザック・ニュートンの言葉「巨人達の肩の上に立って (STANDING ON THE SHOULDERS OF GIANTS)」と刻印されている。また毎年その年の記念行事などを描いた記念デザインのものが発行されて通常版と同様に一般に流通する。
すべての硬貨の表面には、国家元首エリザベス2世と称号のラテン語訳、『神の恩寵による女王、信仰の守護者、エリザベス二世』(DEI.GRA.REG. FID.DEF 又は D.G.R F.D.。Dei Gratia Regina Fidei Defensorの略)と刻印されている。
なお、この他に旧通貨システムによるクラウン銀貨やソブリン金貨、それにマンデーマネーと呼ばれる、1ペニーから4ペンスまでの4枚硬貨セットが発行される場合があるが、いずれも流通用ではなく、コレクター向けのアイテムである。また、デシマル制度実施直後には1/2ペニーの小さな銅貨(裏は王冠)も流通していた。
- ^ Alongside the New Zealand Dollar and US Dollar
- ^ Asia and Pacific Review 2003/04 p. 245 ISBN 1862170398
- ^ https://www.elmundo.es/andalucia/2017/11/06/5a0022c5ca474129158b45a6.html
- ^ Alongside Zimbabwean dollar (suspended indefinitely from 12 April 2009), Euro, US Dollar, South African rand, Botswana pula, Indian rupees, Australian dollars, Chinese yuan, and Japanese yen [1]. The U.S. Dollar has been adopted as the official currency for all government transactions.
- ^ 「出納官吏事務規程第十四条及び第十六条に規定する外国貨幣換算率を定める等の件」
- ^ “First pictures of King Charles banknotes revealed”. BBC News. BBC. (2022年12月20日) 2023年1月18日閲覧。
- ^ “チャールズ国王の新紙幣お披露目 24年半ばまでに流通”. www.afpbb.com. 2023年1月21日閲覧。
- ^ “Security by Design - A closer look at Bank of England notes”. 2012年12月31日閲覧。
- ^ “英国、新1ポンド硬貨が流通開始へ” (日本語). AFP. (2017年3月28日) 2017年3月30日閲覧。
- ^ a b ニューヨーク連邦準備銀行のForeign Exchange Rates Historical Searchを元にした。
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