シン・アスカ 作中でのキャラクター像

シン・アスカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 00:33 UTC 版)

作中でのキャラクター像

コーディネイターであり、中立国であるオーブ連合首長国で研究者の両親や妹とともに平穏な生活を送っていた。しかし、コズミック・イラ (C.E.)71年6月15日、大西洋連邦軍によるオーブ侵攻の戦渦に巻き込まれ、家族一同で避難船の停泊する港に向かう途中で、妹のマユが落とした携帯電話を拾おうとひとり離れた直後に流れ弾に巻き込まれ、目の前で家族を失った。茫然自失のままひとり避難船に乗っていたところを、オーブ軍人のトダカ一佐に勧められてプラントに移住。ザフト軍のアカデミーを優秀な成績で卒業し、エリートの証である赤い軍服を与えられている。卒業後は最新鋭艦のミネルバに配属され、艦に搭載された新型モビルスーツ (MS)「インパルスガンダム」のパイロットとなる[3][4]

人前では強気な態度を取ることが多いが、1話時点から本編終了後も家族を凄惨なかたちで失った体験によるPTSDに人知れず苦しめられ続けており、心の傷を抱えながら戦い続ける戦士である。劇中では「優しくて温かい世界」にいたいという純粋な思いから、力をもたなければ守れないという現実を知り、やがて戦いに傾倒していく。終了後インタビューによると、シンの「本当に欲しかったもの」とは「もう戻らない、家族と過ごした幸せな日々」とのことで、本編終了後も家族やステラら失った人達の夢を見続けている[5]

アニメの監督を務めた福田己津央は、「本来、シンは明るくて素直な可愛い楽しい子」としており、声を担当した鈴村健一は「本来はわりと天真爛漫。最初の設定では普通の明るい子と言われていた」と述べている[6]

直接の遺伝子調整を受けていない一般人の第2世代コーディネーター(第1世代とした資料もあるが[7]、作中の台詞との矛盾がある[注 1])だが、アニメ劇中では、ギルバート・デュランダルから潜在的にSEEDの資質をもち、その資質は最高のコーディネイターであるキラ・ヤマトに届き得るものと見込まれていたことが示唆されている。またギルバート・デュランダルやレイ・ザ・バレルら、からは過去の家族の死によるPTSDや復讐により覚醒したSEEDの完成されたキラ・ヤマト計画(『ユーレン・ヒビキ博士』を参照)以上の最高のスーパーコーディネーターとして認識され扱われる[9]。なおアニメ劇中にキラ・ヤマトらと再会して、愛する大切な恋人ルナマリア・ホークや仲間達のために覚醒したシンの最高のスーパーコーディネーターとしての力がどのように、誰に対して使うのか(『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』後述)。また、アニメ劇中にシンの搭乗機デスティニーガンダムの武器アロンダイト象徴するように、シンのモティーフアーサー王物語円卓の騎士のひとりランスロットである。両澤千晶は元々シンを劇中死させることにしていた。後にシンを憎愛(憎悪)の象徴として、キラたちと共に人類愛)ある平和な世界実現のために行動することにした。

第1期オープニングテーマ『Ignited -イグナイテッド-』の歌詞は、西川貴教によるとシン・アスカを意識している。


注釈

  1. ^ 『DESTINY』第20話内のシンのモノローグでは、「自身の父と母もコーディネイター」といった旨の台詞が存在する。「SEEDシリーズ」の設定上は、第1世代コーディネイターの両親から出生した子どもは第2世代コーディネイターとして扱われている[8]
  2. ^ 相手パイロットの殺傷をできるだけ回避するため、カメラや頭部など機体の制御に関係した部分や武装などをピンポイントで狙い、機体の破損によって戦闘継続を不可能にするというキラの戦い方に注目、彼の射撃精度の高さを逆手に取り、狙われると分かっている部分を少しずらすという最低限の動きで回避したり、シールドでガードすることで受け流しを狙う。また、避け切れずに損傷を受けた箇所についてはこれを切り離し、換装して戦闘を継続した。
  3. ^ ダメージを受けて切り離した機体パーツをフリーダムに向けて特攻させ爆破、その隙に新しいパーツに換装する。フリーダムの斬撃を機体を上下に分離させて躱し回避し、分離状態のまま、意表を突かれたフリーダムの背後に回り込んで背後から射撃する。フォースシルエットを装備したまま、ソードシルエットを運んできたシルエットフライヤーからエクスカリパー対艦刀だけを手に取り、フォースシルエットの高い推進力を活かして剣による猛攻撃を加える。
  4. ^ 「コロイド粒子とは、ある物質が直径2〜500ナノメートル程度の微粒子や、液滴となって、別の物質中に分散している状態」[16]

出典

  1. ^ 『アニメコミックス ガンダムSEED DESTINY』第1巻、2005年2月、132頁。ISBN 978-4063101935
  2. ^ a b c d e f 『公式ガイドブック3 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 誓いの宇宙』角川書店、2005年12月、8頁。(ISBN 978-4048539272)
  3. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第1話
  4. ^ アニメーション『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第20話参照
  5. ^ 『月刊アニメージュ』2005年11月号、徳間書店
  6. ^ 劇場版『ガンダムSEED』新キャラは“明るいキラ・ヤマト” 福田監督がネタバレ寸前の解説”. シネマトゥディ. 2023年11月19日閲覧。
  7. ^ 『公式ガイドブック 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 運命の架け橋』角川書店、2005年2月、8-9頁。(ISBN 978-4048538350)
  8. ^ 『機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月、231頁。ISBN 978-4-575-46469-6
  9. ^ アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション2 それぞれの剣』参照
  10. ^ 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 4 示される世界』角川書店、2005年11月1日初版発行、452-456頁。(ISBN 4-04-429111-X)
  11. ^ a b 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』福田己津央監督インタビュー後編|アスランの“あのシーン”は、「彼が完璧でカッコよすぎる」から生まれた!?”. アニメイトタイムズ. 2024年2月26日閲覧。
  12. ^ 『DESTINY』第3話
  13. ^ 『DESTINY』第6話
  14. ^ 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第8話
  15. ^ 『DESTINY』30話
  16. ^ [https://www.tus.ac.jp/today/archive/20190924001_1.html コロイド粒子の安定性の鍵を探る〜粒子と電場の相互作用を解明する、50年の理論研究の総括〜]東京理科大学
  17. ^ スーパーロボット大戦Z オフィシャルWEBマガジン トライアウト インタビュー第4弾より。
  18. ^ 発表!全ガンダム大投票”. NHK. 2020年3月15日閲覧。






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