シデ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 03:39 UTC 版)
生態
温帯では広葉樹林の主要な構成種の一つである。湿潤肥沃な土地を好む種が多いが、乾燥貧栄養に耐える種も知られる。
何種類もの昆虫がシデを食べて暮らしている。
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発芽したC. betulus
名前と分類
和名のシデは神社の注連縄、鳥居や家の神棚に垂らす四手(紙垂)と、この植物の花穂が似ていることに由来して名付けられたと言われる(林学博士の上原敬二による説)[2]。植物学者の牧野富太郎は、シデという呼び名について、果穂が枝垂れて付くからではないか、と述べているが決定的ではない[2]。
属の学名である Carpinus は、上原の説によればケルト語の樹 Car と、くびき pen, pix から来たもので、この材を牛の軛(くびき)に用いたことからの名であるという[3]。もう一つはラテン語の Carpentum から来たという説もあり、二頭立ての馬車という意味があり、この材でローマ人が馬車をつくったことに由来するといわれている[3]。
英名の Yoke tree, Yoke elm も同様に牛の軛を意味するものである[3]。英名の別名 hornbeam は、動物の角(horn)の様な硬い木材と樹木を表す古英語「beam」に由来するとされる[3]。中国名は鹅耳枥 (別名:鵝耳櫪) である。
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垂れる雄花 C. laxiflora
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雄花(右)と雌花 C. betulus
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神棚の四手(紙垂)
利用
景観
街路樹に使うことがある。盆栽等にも使われる。
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シデのトンネル。ベルギーにて
木材
辺材と心材の区別が不明瞭。硬く重い(比重0.7-0.8)木で狂いやすく乾燥には気を使う。ほだ木、紡績木管、農具の柄、木工玩具などに使われる。耐朽性は低く、日本国鉄ではシデを枕木として使う場合は伐採後直ちに防腐処理を行うように求めていた[4]。
食用
アゼルバイジャンなどでは肉詰め料理ドルマの皮にシデの葉を使う。
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シデの葉で巻かれたドルマ
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