ココヤシ 自生北限

ココヤシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 03:58 UTC 版)

自生北限

ココヤシの分布域。

日本では、鹿児島県奄美群島のごく一部と沖縄県東京都小笠原諸島以外の地域では冬の寒さのため自生できない。沖縄本島では、街路樹やホテルの庭園などに植栽されているが生育は良くない。近年は温暖化の影響もあり、奄美群島でも実をつけていると言う情報がある。

沖縄県宮古諸島伊良部島の渡口の浜や先島諸島西表島の北部海岸、小笠原諸島父島と母島、硫黄島、南鳥島で自生している。特に父島と母島には街中や民家の庭先に樹齢数十年を越える大きな株があり異国情緒を漂わせている。

耐寒温度は12℃といわれ、自生北限はケッペンの気候区分で熱帯気候と温帯気候の境界とされる最寒月平均気温18℃のラインとほぼ一致する。1981 - 2010年の平均値から推測すると、そのラインは父島から大東諸島を通り、宮古島から西表島の北方を横切る線となっている。

その他

各地で利用されるが、大きな果実が非常に高いところに生るので、それなりの苦労が必要になる。まず、果実を採りに行くのが大変な労働であり、木登りの技術は地元の人間にとって重要な能力となる。マレーシアタイでは、ブタオザルを調教してこの役割をさせる地方もある。クレーンの先にゴンドラのついたクレーン車などの機械を使って大量に収穫する方法もある。

他方、果実が自然に落下した場合は、人間などに当たれば大怪我をする。(ココナッツによる死も参照)。観光地では、熟した果実をあらかじめ落として回ることも重要な作業であるという。

なお、ヤシガニは木に登ってこの実を取ると誤解されていたことに由来する名前である。

画像


  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cocos nucifera L. ココヤシ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年6月2日閲覧。
  2. ^ 三省堂百科辞書編輯部 編「ココやし」『新修百科辞典』三省堂、1934年、820頁。 
  3. ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 1188. https://www.biodiversitylibrary.org/page/359209 
  4. ^ a b 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、229頁。ISBN 978-4-416-61438-9 


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