グローバル資本主義
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グローバル資本主義の進行がもたらした影響
アメリカ
グローバル経済はアメリカの貿易赤字、ドルの外貨保有、アメリカとその他の国の相互の資本投資の増大を生み出した。1980年代にはアメリカ議会が、アメリカとの貿易不均衡が著しい国に対する経済制裁法案を制定したこともあった。
経済のグローバル化が進行した結果として、世界の市場において、売上・利益が大きい、利益率が高い、競争力が強い企業が、それらの点で劣る企業・事業を買収する事例が世界的に進行している。経済のグローバル化の結果として、アメリカ資本の企業が一方的に利益を獲得し、非アメリカ資本の企業が一方的に利益を収奪されるという訳ではない。各種の産業分野の企業の買収・合併の状況については1990年以後の企業の買収・合併の実績を参照。
アメリカ資本の企業が外国資本の企業に買収された事例
- 冷戦時代末期
- 冷戦終結後
- 1989年、三菱地所がニューヨークのロックフェラーセンターを買収。
- 1989年、ソニーがコロンビア・ピクチャーズ(現在のソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)を買収。
- 1989年、アセア・ブラウン・ボベリがウェスティングハウス・エレクトリックの送電・変電事業を買収。
- 1989年、シンドラーがウェスティングハウス・エレクトリックのエレベーター事業を買収。
- 1990年、松下電器がMusic Corporation of America(現在のユニバーサル・スタジオ)を買収。
- 1991年、イトーヨーカドーがサウスランドを買収。
- 1996年、NECがパッカードベルを買収。
- 1998年、ダイムラーがクライスラーを買収(ダイムラー・クライスラー)。
- 1998年、イギリス原子燃料会社(BNFL)がウェスティングハウス・エレクトリックの商業用原子力発電事業を買収。
- 2000年、日立製作所がIBMのハードディスク事業を買収。
- 2004年、連想集団がIBMのパソコン事業を買収。
- 2005年、BAEシステムズがユナイテッド・ディフェンスを買収。
- 2004年、ソニーがMetro-Goldwyn-Mayerを買収。
- 2006年、東芝がウェスティングハウス・エレクトリックをイギリス原子燃料会社(BNFL)から買収。
- 2007年、リコーがIBMのデジタル印刷事業を買収。
- 2007年、エイサー(宏基電脳)がゲートウェイを買収。
- 2007年、富士通がOkereを買収。
- 2007年、トロント・ドミニオン・バンクがコマース・バンコープを買収。
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- 1 グローバル資本主義とは
- 2 グローバル資本主義の概要
- 3 肯定する意見
- 4 グローバル資本主義の進行がもたらした影響
- 5 識者の見解
- 6 脚注
固有名詞の分類
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