グレープフルーツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 22:30 UTC 版)
健康効果
グレープフルーツには、フラボノイドが多様に含まれている。グレープフルーツやグレープフルーツジュースが、体重減少に効果があったと研究論文が発表されている[6]。2011年には、グレープフルーツの芳香に含まれるヌートカノンに肥満抑制作用、運動持久力向上効果が見られるというラットの研究が、花王生物科学研究所より発表されている[7]。
薬との相互作用
グレープフルーツの果肉に含まれるフラノクマリン類は、様々な医薬品と相互作用(干渉し、意図しない効果を生み出すこと)が、1990年に報告された[8]。
これは、薬物代謝酵素(解毒酵素)のシトクロムP450サブタイプ3A4 (CYP3A4) を阻害する作用によるものである。この作用を起こす成分は、グレープフルーツにも含まれるが、特にグレープフルーツジュースには高濃度で含まれる[6]。
特にカルシウム拮抗剤という系統の高血圧治療薬などで、グレープフルーツの影響を強く受ける薬があることがよく知られている。このほかにシクロスポリン、ベンゾジアゼピン系、風邪薬でも主作用、副作用ともに効果が効き過ぎてしまう[9]。阻害様式は、不可逆的に阻害するために阻害作用は3-4日続き、グレープフルーツジュースの摂取自体を禁止(併用禁忌)する必要がある[10]。85の薬と相互作用し、約半分では重篤な副作用を起こす可能性がある[6]。
フラノクマリン類は、グレープフルーツ類をはじめ、他のザボン系の種にも含まれるが、含有量はそれぞれに異なる。
生産
地域別の生産量
2011年における地域別の生産量の比率は以下の通りである[11]。
順位 | 地域 | 比率(%) |
---|---|---|
1 | アジア | 31.4 |
2 | 北アメリカ | 22.9 |
3 | アフリカ | 10.4 |
4 | 南アメリカ | 4.3 |
5 | ヨーロッパ | 0.9 |
6 | オセアニア | 0.1 |
国別の生産量
2011年における国別の生産量は以下の通りである[11]。
順位 | 国名 | 生産量(千トン) | 全世界に占める割合(%) |
---|---|---|---|
1 | 中国 | 3,611 | 45.7 |
2 | アメリカ合衆国 | 1,147 | 14.5 |
3 | 南アフリカ共和国 | 416 | 5.3 |
4 | メキシコ | 397 | 5.0 |
5 | タイ王国 | 379 | 4.8 |
6 | トルコ | 219 | 2.8 |
7 | インド | 196 | 2.5 |
8 | アルゼンチン | 189 | 2.4 |
9 | スーダン | 184 | 2.3 |
10 | イスラエル | 184 | 2.3 |
‐ | 世界計 | 7,893 | 100.0 |
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Citrus aurantium L. Grapefruit Group グレープフルーツ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月21日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Citrus paradisi Macfad. グレープフルーツ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月21日閲覧。
- ^ a b c d 『日本大百科全書』
- ^ a b c d 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、191頁。ISBN 978-4-415-30997-2。
- ^ a b c Chen M, Zhou SY, Fabriaga E, Zhang PH, Zhou Q (April 2018). “Food-drug interactions precipitated by fruit juices other than grapefruit juice: An update review”. J Food Drug Anal 26 (2S): S61–S71. doi:10.1016/j.jfda.2018.01.009. PMID 29703387 .
- ^ “花王生物科学研、グレープフルーツの香り成分ヌートカトンに肥満抑制作用、作用点はAMPK活性化で運動持久力向上も”. 株式会社 日経BP (2015年12月17日). 2023年8月3日閲覧。
- ^ David G. Bailey, J. Malcolm, O. Arnold, J. David Spence Grapefruit juice–drug interactions Wiley InterScience: British Journal of Clinical Pharmacology
- ^ 大谷道輝、川端志津、假家悟、内野克喜、伊藤敬、小瀧一、籾山邦男、森川亜紀 ほか「グレープフルーツ果肉部分摂取時によるジヒドロピリジン系Ca拮抗薬ニフェジピン及びニソルジピンの薬物動態への影響」『藥學雜誌』第122巻第5号、2002年5月1日、323-329頁、doi:10.1248/yakushi.122.323、NAID 110003648447。
- ^ 奥村勝彦・監修、大西憲明・編著『一目でわかる医薬品と飲食物・サプリメントの相互作用とマネジメント』(改訂版)フジメディカル出版、2010年、15-18頁。ISBN 978-4-939048-44-9。
- ^ a b 地理 統計要覧 2014年版 ISBN 978-4-8176-0382-1 P,95
- ^ JPRESS「グレープフルーツを食べる人、20年で激減していた」
- ^ 静岡県公式ページ「グレープフルーツの栽培面積、収穫量、出荷量日本一」
- ^ 日本経済新聞朝刊 2017年4月26日
グレープフルーツと同じ種類の言葉
- グレープフルーツのページへのリンク