クラスノダール クラスノダールの概要

クラスノダール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 01:48 UTC 版)

クラスノダール
Краснодар

クラスノダール市街、クラスナヤ通り
市旗 市章
位置

ロシア内のクラスノダール地方の位置
座標 : 北緯45度2分 東経38度58分 / 北緯45.033度 東経38.967度 / 45.033; 38.967
歴史
建設 1793年
行政
ロシア
 連邦管区 南部連邦管区
 行政区画 クラスノダール地方
 市 クラスノダール
市長 Evgeniy Pervyshov
地理
面積  
  市域 841.36 km2
標高 25 m
人口
人口 (2020年現在)
  市域 932,629人
その他
等時帯 モスクワ時間 (UTC+3)
郵便番号 350000 — 350921
市外局番 +7 861
ナンバープレート 23,93,123,193
公式ウェブサイト : www.krd.ru

名称

クバン川

都市の建設は1794年1月12日グレゴリオ暦)で、当時の名前はエカテリノダールЕкатеринода́р Ekaterinodar)だった。これは「エカテリーナの賜物」を意味し(ダール -дар は「贈り物」を意味する)、エカチェリーナ2世クバーニ地方の広大な土地を黒海コサック軍(後のクバーニ・コサック軍)に与えたことを記念していた。また市の守護聖人にもなっているアレクサンドリアのカタリナをも記念したものであった。

十月革命後の1920年12月、エカテリノダールは現在の名称であるクラスノダールに改名された。クラスノ(Красно-)には古語の「美しい」という意味と、「赤い」という意味があり、「美しい賜物」とも「赤い賜物」とも解釈できる。共産主義革命直後の政治的空気から、皇帝にちなんだ名から革命にちなんだ名に変えることが行われたことが背景にある。

歴史

中心部の十月革命広場と政府ビル

1793年(ユリウス暦)、チェルケシア(北カフカース西部のチェルケス人らが住む一帯)の領有をオスマン帝国と争っていたロシア帝国の皇帝エカチェリーナ2世は、チェルケシアの国境地帯を防衛するためにウクライナ南部の黒海コサック軍にこれらの地を領地として与え、要塞を築かせた。当時エカテリノダールと呼ばれたクラスノダールは、この時に建設された要塞のひとつである。こうした経緯からクラスノダールも含めクバーニ地方にはウクライナ系住民が多い。

エカテリノダールは19世紀前半にはクバーニ・コサック軍の政治・経済の中心地として発展を遂げていた。1860年にはエカテリノダールを州都とするクバン州が設置された。19世紀後半に鉄道が開通してから町は大きくなり、1888年には人口45,000人ほどを擁するロシア南部の交易中心都市のひとつとなった。1897年にはクバーニ・コサック軍の駐屯地建設以来200年を記念してオベリスクが建てられた。

1900年代のエカテリノダール(クラスノダール)

ロシア革命後のロシア内戦時には、エカテリノダールは反ボリシェヴィキクバーニ人民共和国の首都となった。エカテリノダールは赤軍白軍の間で何度も争奪された。特に、クバーニ・コサックの多くは反革命・反ボリシェヴィキ側を支援し白軍へと身を投じている。1920年12月にエカテリノダールは「クラスノダール」と改称された。

第二次世界大戦大祖国戦争)では、クラスノダールは1942年8月12日から1943年2月12日までの間ドイツ国防軍に占領された。クラスノダールは戦闘で大きな打撃を受けたが、戦後速やかに再建されている。ドイツ軍から解放された後の1943年の夏、ソビエト政権はナチスとの内通や戦争犯罪への関与を巡って、自国民も含めた被告に対し裁判を開始した。これらの裁判の最初となる裁判が1943年7月14日から17日までクラスノダールで開かれた。これはホロコーストにおけるユダヤ人大量殺害に対する最初の公開裁判でもあった。クラスノダールでは8人に死刑が言い渡され、その処刑は数千人の市民が集まる市の広場で公開的に行われた。




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