キハダ (植物) 形態・生態

キハダ (植物)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 03:35 UTC 版)

形態・生態

落葉高木で雌雄異株[13]。樹高は10 - 25メートル (m)、目通り直径30センチメートル (cm) 程度になる[9][11]樹皮コルク質で、成木の外樹皮は淡褐灰色から暗褐色で、縦に深い溝ができ、内樹皮は濃鮮黄色で厚い[13][14][8]。若い樹皮はサクラに似ていて、赤褐色で滑らか、無毛である[8]

は、対生葉序奇数羽状複葉、長さは20 - 45 cmある[13][11]小葉は5 - 13枚で、長さ5 - 10 cmの長楕円形、裏は白っぽく、葉縁は波状になる[13][11][15]。春に冬芽から芽吹き、展開した後から花序も出てくる[8]

花期は5 - 7月[8]雌雄異株[8]。本年生の枝先に円錐花序を出して、黄緑色の小さな花を多数つける[13][11]。果期は10月[11][15]果実核果で、直径10ミリメートル (mm) ほどの球形で緑色から黒く熟する[13][16]。核は、の種のような形をしている[16]。冬でも黒く熟した果実が雌株によく残っている[8]

冬芽は半球形の鱗芽で褐色をしており、落葉するまで葉柄基部に包まれている葉柄内芽である。芽鱗は2枚で、毛が密生する[8]。枝先には仮頂芽を2個つけ、側芽は枝に対生する[8]。冬芽を囲む大きな馬蹄形やU字形の葉痕が目立ち、維管束痕が3個つく[8]

カラスアゲハミヤマカラスアゲハの幼虫が好む食草である。


  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron amurense Rupr. var. amurense キハダ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron amurense Rupr. var. suberosum (H.Hara) H.Hara キハダ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron amurense Rupr. var. lavalleei (Dode) Sprague キハダ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron amurense Rupr. var. sachalinense F.Schmidt キハダ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron sachalinense (F.Schmidt) Sarg. キハダ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron lavalleei Dode キハダ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  7. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phellodendron insulare Nakai キハダ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年9月27日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 118
  9. ^ a b c 田中孝治 1995, p. 131.
  10. ^ a b c d e f g h i 貝津好孝 1995, p. 24.
  11. ^ a b c d e f 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編 2009, p. 221.
  12. ^ 辻井達一 1995, p. 220.
  13. ^ a b c d e f g h i j k l 馬場篤 1996, p. 44.
  14. ^ a b c 辻井達一 1995, p. 222.
  15. ^ a b c d e 平野隆久監修 1997, p. 246.
  16. ^ a b 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2018, p. 141.
  17. ^ a b c d e f 田中孝治 1995, p. 132.
  18. ^ 廣部千恵子「日本の民間薬4 : 皮膚のトラブルに対する民間薬2」『清泉女子大学紀要』第50巻、清泉女子大学、2002年12月、87-132頁、CRID 1050001201663234816ISSN 05824435NAID 110000952141 
  19. ^ “Effect of Magnolia officinalis and Phellodendron amurense (Relora®) on cortisol and psychological mood state in moderately stressed subjects.”. Journal of the International Society of Sports Nutrition. (2013). doi:10.1186/1550-2783-10-37. PMID 23924268. 
  20. ^ 新井清, 高沢道孝「古代染色の化学的研究: 第3報古代黄藥染について」『奈良大学紀要』第2号、奈良大学、1973年12月、1-13頁、CRID 1573668927392491136ISSN 0389-2204NAID 120002600810 
  21. ^ 黄蘗色【きはだいろ】『日本経済新聞』朝刊2019年7月14日(NIKKEI The STYLE)18面。


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